【市況】5日の米国市場ダイジェスト:NYダウは274ドル安、早期利下げ期待後退
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウは274ドル安、早期利下げ期待後退
米国株式市場は反落。ダウ平均は274.30ドル安の38,380.12ドル、ナスダックは31.28ポイント安の15,597.68で取引を終了した。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が週末のインタビューで利下げを急がない姿勢を再確認したため早期利下げ期待の後退で売られ、寄り付き後、下落。1月ISM非製造業景況指数が予想を上回り消費の底堅さが証明され、利下げ先送り観測が強まり一段安となった。下値はソフトランディング期待を受けた買いが支え、終盤にかけて、下げ幅を縮小し、終了。セクタ―別では、半導体・同製造装置が上昇した一方、自動車・自動車部品が下落した。
重機メーカーのキャタピラー(CAT)は第4四半期決算でエネルギー・運輸部門の売上高が伸び、利益が予想を上回り、大幅高。配車サービスのウーバー・テクノロジーズ(UBER)はアナリストの投資判断引き上げで上昇した。化粧品メーカーのエスティローダー(EL)は第2四半期決算で調整後の1株利益や売り上げが予想を上回ったほか、事業再建計画の一環として全従業員のうち最大5%削減する計画を明らかにし、上昇。半導体メーカーのエヌビディア(NVDA)はアナリストが強い人工知能(AI)需要を理由に、目標株価を引き上げ、上昇。
ファストフード・チェーンのマクドナルド(MCD)は10-12月期決算で、中東紛争絡みのボイコットなどが影響し、売上高が予想を下回ったため、売られた。航空機メーカーのボーイング(BA)は737マックス機を巡り、部品供給会社が同機のさらなる不具合を指摘、納入遅れの可能性が警戒され、下落。写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)は、広告ビジネスの停滞を受けて全従業員のうち10%削減する計画を発表し、軟調推移した。
ソフトウエア会社のパランティア・テクノロジーズ(PLTR)は取引終了後に四半期決算を発表。調整後の1株利益が予想を上回り、時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル強含み、パウエルFRB議長が過剰に迅速な利下げを警告
5日のニューヨーク外為市場でドル・円は148円40銭から148円89銭まで上昇し、148円65銭で引けた。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が週末のTVインタビューで、過剰に迅速な利下げに伴う危険性に懸念を表明。カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁も利下げを急ぐ必要がないとの考えを示唆、さらに、米1月ISM非製造業景況指数が予想を上回り、強い消費や成長を背景とした利下げ先送り観測に金利上昇に伴いドルの買戻しが一段と強まった。
ユーロ・ドルは1.0750ドルから1.0723ドルまで下落し、1.0743ドルで引けた。ユーロ・円は159円80銭から159円39銭まで下落。ポンド・ドルは1.2562ドルから1.2519ドルまで下落した。英中銀のチーフエコノミスト、ピル氏がインフレを巡り、利下げをまだ確信できないと言及し、下げ止まった。ドル・スイスは0.8690フランから0.8719フランまで上昇した。
■NY原油:やや反発で72.78ドル、ドル高を警戒した売りは一巡
NY原油先物3月限はやや反発(NYMEX原油3月限終値:72.78 ↑0.50)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比+0.50ドルの72.78ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは71.41ドル-73.28ドル。米国市場の前半にかけて71.41ドルまで下落したが、中盤にかけてドル高を警戒した売りは一巡し、73.28ドルまで反発。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル台で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 32.99ドル -0.48ドル(-1.43%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.89ドル -1.38ドル(-1.58%)
ゴールドマン・サックス(GS)383.02ドル -4.84ドル(-1.24%)
インテル(INTC) 42.77ドル +0.17ドル(+0.39%)
アップル(AAPL) 187.68ドル +1.83ドル(+0.98%)
アルファベット(GOOG) 144.93ドル +1.39ドル(+0.96%)
メタ(META) 459.41ドル -15.58ドル(-3.28%)
キャタピラー(CAT) 321.40ドル +6.31ドル(+2.00%)
アルコア(AA) 26.84ドル -2.65ドル(-8.98%)
ウォルマート(WMT) 168.66ドル -0.91ドル(-0.53%)
《ST》
提供:フィスコ