【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東京鉄、日本M&A、M&A総研
東京鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
東京鐵鋼<5445>がストップ高。31日午後2時、24年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績と配当予想を上方修正し、好感されたようだ。今期の売上高予想を770億円から780億円(前期比1.6%減)、最終利益予想を57億円から68億円(同85.9%増)に引き上げた。また、期末配当予想は従来の計画から30円増額して180円とした。年間配当予想は230円(同120円増配)となる。出荷量が予想を上回る見通しとなったほか、製造コストの削減効果とともに鉄スクラップ価格が想定を下回る見込みとなり、影響を業績予想に反映した。4~12月期の売上高は前年同期比1.9%減の585億6800万円、最終利益は同2.3倍の54億1400万円だった。
■日本M&A <2127> 892.1円 +117.9 円 (+15.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
日本M&Aセンターホールディングス<2127>が急伸。30日の取引終了後に上限を1000万株(発行済み株数の3.08%)、または70億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これを好感した買いが入った。取得期間は1月31日から3月31日までで、株主還元策の充実並びに経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためとしている。また、同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算が、売上高311億4700万円(前年同期比4.3%増)、営業利益112億3400万円(同1.1%増)、純利益73億600万円(同3.0%増)と増収増益となったことも好材料視された。全社一丸となって案件成約に取り組んだ結果、10~12月期の成約件数が300件となり、四半期単位で最多の成約件数となったことに加えて、ミッドキャップ案件(売上高10億円以上または利益5000万円以上)に特化した専門部署である成長戦略開発センターによる全社的横断施策が奏功したことなどで、1件当たりのM&A売上高が3770万円(前期3780万円)と前期並みに回復したことが寄与した。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高440億円(前期比6.5%増)、営業利益170億円(同11.1%増)、純利益110億円(同11.8%増)の従来見通しを据え置いている。
■M&A総研 <9552> 5,300円 +700 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率4位
M&A総研ホールディングス<9552>がストップ高。30日取引終了後に23年10~12月期連結決算を発表し、売上高は49億円(前年同期単独21億2500万円)、営業利益は33億5300万円(同13億9800万円)だった。営業利益ベースで通期計画(72億円)に対する進捗率が約47%と高水準なことから、これを評価した買いが膨らんでいる。成約件数は66件となり、前年同期(33件)から倍増した。今後の売り上げの基礎となる受託残高の積み上げは引き続き順調で、新規採用したアドバイザーも着実に受託できているという。なお、通期の業績見通しは据え置いた。
■ダイハツディーゼル <6023> 1,292円 +143 円 (+12.5%) 本日終値
ダイハツディーゼル<6023>が急反発し、昨年来高値を更新した。30日の取引終了後に発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算が、売上高577億8600万円(前年同期比22.3%増)、営業利益21億2800万円(同86.1%増)、純利益26億4500万円(同2.5倍)と大幅な増収増益となったことが好感された。コンテナ船向けを中心とした大型機関及びデュアルフューエル機関の販売に加え、ばら積み船やタンカー向けを中心にした中小型機関の販売が好調に推移した。また、舶用機関関連、陸用機関関連ともにメンテナンス需要が引き続き堅調に推移したことや、為替の影響も寄与した。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高780億円(前期比8.2%増)、営業利益36億円(同横ばい)、純利益35億円(同18.7%増)の従来見通しを据え置いている。
■住友理工 <5191> 1,279円 +130 円 (+11.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
住友理工<5191>が後場に急伸。昨年来高値を更新。31日正午、24年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を上方修正しており、好感されたようだ。今期の売上高予想を6000億円から6100億円(前期比12.8%増)、最終利益予想を119億円から138億円(同2.1倍)に引き上げた。主要顧客の需要が堅調に推移するなか、顧客の増産による影響や原価低減活動による効果を織り込んだ。4~12月期の売上高は前年同期比15.7%増の4571億2100万円、最終損益は133億8900万円の黒字(前年同期は25億2900万円の赤字)だった。
■日本精線 <5659> 5,630円 +450 円 (+8.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
日本精線<5659>が大幅反発。30日の取引終了後、3月31日を基準日として1株を5株に株式分割すると発表しており、好材料視された。投資単位当たりの金額を引き下げることで投資家がより投資しやすい環境を整え、投資家層の拡大を図ることが目的としている。同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算は、売上高331億4300万円(前年同期比10.9%減)、営業利益23億1200万円(同31.3%減)、純利益17億1200万円(同29.5%減)となった。太陽光発電パネルなどの製造プロセスで使用される極細線に対する需要の強さは継続したものの、流通在庫の調整を受けたステンレス鋼線の販売量減少による操業度損の増加や、これまで収益をけん引してきた半導体関連業界向け超精密ガスフィルターの受注が減少したことが響いた。なお、24年3月期通期業績予想は、売上高437億円(前期比10.9%減)、営業利益30億円(同28.2%減)、純利益21億7000万円(同29.7%減)の従来見通しを据え置いている。
■コマツ <6301> 4,245円 +336 円 (+8.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
コマツ<6301>がマドを開けて大陽線を示現、8.6%高の4245円まで駆け上がり、昨年9月下旬以来約4カ月ぶりの高値をつけた。30日取引終了後に24年3月期第3四半期(4~12月)決算を発表、営業利益は前年同期比31%増の4534億2100万円と大幅な伸びを達成した。同期間としての過去最高を更新し、これをポジティブ視する買いを呼び込んでいる。同社は売上高の約9割を海外で占めているが、北米などで建機の需要が増勢で値上げ効果も発現している。24年3月期の営業利益は前期比12%増の5480億円と2ケタ成長で過去最高を予想している。好調な業績を評価する買いが活発化し売買高も高水準に膨らんでいる。
■理想科学工業 <6413> 3,000円 +229 円 (+8.3%) 本日終値
理想科学工業<6413>が急反発し、昨年来高値を更新した。30日の取引終了後に発表した24年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算は、売上高が前年同期比微増の529億5500万円、経常利益が同2.1%減の36億9100万円だった。9カ月間累計では経常減益だったが、直近3カ月間の10~12月期で経常利益は約15%増となった。また、取得総数20万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.61%)、取得総額5億円を上限とする自社株買いの実施も公表しており、ポジティブ視されたようだ。4~12月期は印刷機器事業において、地域別では日本が減収となった半面、米州と欧州は増収となった。日本国内では商品価格改定に伴う前倒し需要が前期末にあり、その反動が出た。
■中部飼料 <2053> 1,208円 +91 円 (+8.2%) 本日終値
中部飼料<2053>が後場急伸。午後2時ごろ、24年3月期の連結業績予想について、営業利益を19億円から30億円(前期比79.6%増)へ、純利益を15億円から26億円(同3.1倍)へ上方修正したことが好感された。売上高は従来予想の2360億円(同3.1%減)を据え置いたものの、第4四半期に畜産飼料の原料ポジションが想定以上に改善することが見込まれるほか、電力費・燃料費などの変動費の増加が想定を下回る見通しであることが要因としている。同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高1800億4900万円(前年同期比1.3%減)、営業利益16億2200万円(同10.6%減)、純利益15億8800万円(同92.8%増)だった。
■ストライク <6196> 4,810円 +360 円 (+8.1%) 本日終値
ストライク<6196>が寄り付きカイ気配スタートで一気に水準を切り上げてきた。中小企業を主要顧客に事業承継型M&A仲介を手掛けているが、大型案件などを含め経営者の高齢化に伴う事業承継ニーズは旺盛で収益は絶好調に推移している。同社が30日取引終了後に発表した24年9月期第1四半期(23年10~12月)決算は営業利益が前年同期比2.4倍となる13億4500万円と大幅な伸びを確保した。これを好感する形で買いを呼び込んでいる。株価はちょうど1年前の23年1月30日に4940円の昨年来高値をつけたが、きょうは一気に高値更新を視界に入れる可能性がある。
株探ニュース