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【市況】ダウ平均は小幅続伸 このあとパウエル議長の講演=米国株序盤

NY株式1日(NY時間10:27)
ダウ平均   35993.05(+42.16 +0.12%)
ナスダック   14154.71(-71.51 -0.50%)
CME日経平均先物 33295(大証終比:-125 -0.38%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は小幅に続伸。ただ、IT・ハイテク株は前日からの戻り売りの流れが続いており、ナスダックは下落している。きょうから12月相場に入ったが、市場は記録的な上昇となった11月相場の地合いがクリスマスにかけて継続されるのか注目している。そのような中で、市場はこのあとのパウエルFRB議長の講演を待っている。

 FRBが利上げサイクルを終了し、来年前半には利下げに転じるとの期待が11月の株式市場を押し上げていた。ただ、このところFRBの政策を巡って、市場とFOMC委員との見解の差が浮き彫りになっている。今週はFOMC委員の発言が多数伝わっていたが、一部の委員からはハト派的な発言も出て市場も敏感に反応していたが、「利下げの議論は時期尚早」という点で意見が一致していた。パウエルFRB議長も同様と思われる中で、市場がどう反応するか注目される。議長の講演は日本時間1時頃から始まる。

 11月の明るい市場心理にもかかわらず、ウォール街の一部からは慎重な声も出ている。投資家は年末と2024年に向けて慎重姿勢を保つよう助言しているようだ。劇的に買われ過ぎているように見えるが、利下げは2024年後半までないと見ており、投資家はディフェンシブになるべきと警鐘を鳴らしている。

 なお、先ほど11月のISM製造業景気指数が発表され、46.7と前回と同水準となったが、予想は下回った。生産が再び50を割り込み、雇用も再び低下傾向を見せ、米経済の減速を示唆する内容となっている。市場はかなり敏感に反応しており、米株式市場ではダウ平均が上げ幅を広げた。

 ISM指数は13カ月連続で50を下回り、縮小領域での推移が続いているが、これは2000年のITバブル崩壊後の景気後退が始まって以来最長。新規受注も15カ月に渡って50を下回っているが、これは1981年から1982年にかけてFRBが積極利上げを行った時以来の長さだという。

 デル<DELL>が下落。前日引け後に8-10月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益は予想を上回ったものの、売上高は予想を下回った。PCへの企業需要の低迷が続き、予想以上の減収となった。法人向けおよび消費者向けPCの売上を含むクライアント部門の売上高は11%減少し、予想を大きく下回った。

 テスラ<TSLA>が3日続落。前日引け後に待望のサイバートラックの納車を発表した。生産上の問題で2年の遅れとなったが、イベントにはマスクCEO自身も立ち会った。このサイバートラックで競争の厳しい米ピックアップトラック市場に参入する。ただ、市場からは慎重な見方も出ており、株価は冴えない反応を示している。価格面が気掛かりとなっているようだ。

 ファイザー<PFE>が下落。中期段階の試験で高率の副作用が現れたため、減量薬の開発を中止すると発表した。「ダヌグリプロン」を服用した患者の半数以上が吐き気とおう吐のために服用を中止せざるを得なかったという。

ファイザー<PFE> 28.71(-1.76 -5.78%)
デル<DELL> 71.38(-4.49 -5.92%)

アップル<AAPL> 190.01(+0.06 +0.03%)
マイクロソフト<MSFT> 373.17(-5.74 -1.51%)
アマゾン<AMZN> 146.17(+0.08 +0.05%)
アルファベットC<GOOG> 132.33(-1.59 -1.19%)
テスラ<TSLA> 233.60(-6.49 -2.70%)
メタ・プラットフォームズ<META> 321.69(-5.46 -1.67%)
AMD<AMD> 118.98(-2.18 -1.80%)
エヌビディア<NVDA> 463.47(-4.23 -0.91%)

*ISM製造業景気指数(11月)0:00
結果 46.7
予想 47.6 前回 46.7
新規受注 48.3(45.5)
生産   48.5(50.4)
雇用   45.8(46.8)
入荷遅延 46.2(47.7)
在庫   44.8(43.3)
仕入価格 49.9(45.1)
輸出   46.0(49.4)
()は前回

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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