【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):トリケミカル、セブン&アイ、レーザーテク
トリケミカル <日足> 「株探」多機能チャートより
トリケミカル研究所<4369>が3日続伸し、年初来高値を更新した。同社は11月30日取引終了後、24年1月期第3四半期累計(2~10月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比51.6%減の13億6600万円にとどまったものの、通期計画17億円に対する進捗率が80.3%に達していることが買い手掛かりとなったようだ。売上高は同19.0%減の82億1500万円で着地。主要な販売先である半導体業界で、メーカーの在庫調整や設備投資計画の見直しの影響により減産が続いていることが主な要因だとしている。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いている。
■セブン&アイ <3382> 5,787円 +292 円 (+5.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
セブン&アイ・ホールディングス<3382>は急反発。11月30日取引終了後に自社株買いと株式分割の実施を発表しており、これを好感した買いが入った。自社株買いの取得上限は2500万株(自己株式を除く発行済み株数の2.83%)、または1100億円。期間は12月1日から来年5月31日まで。株式分割については2024年2月29日を基準日として1株を3株に分割する。更にあわせて、米国子会社を通じてオーストラリアでコンビニエンスストア事業を手掛けるConvenience Group Holdingsの全株式を取得することを明らかにした。取得日は24年4~6月の予定。
■アマダ <6113> 1,539.5円 +57 円 (+3.8%) 本日終値
アマダ<6113>が大幅高。同社は金属加工機械の大手。11月に上期決算とあわせ、24年3月期業績予想の上方修正を発表し、売上高を前期比8%増の3950億円、営業利益を同14%増の570億円と過去最高業績を見込んだ。あわせて、配当予想も増額修正した。好業績見通しが株価を下支えするなか、きょうは外資系証券による格上げを手掛かりに買いが流入した。
■江崎グリコ <2206> 4,205円 +126 円 (+3.1%) 本日終値
江崎グリコ<2206>が続伸した。1日、一部商品の価格改定を発表。「ポッキー」などの菓子類や加工食品類、ベビー用食品類など合計247品目で値上げを実施する。収益面でのポジティブな影響を期待した買いが入ったようだ。菓子類では2月に出荷価格を3~13%引き上げる。
■レーザーテック <6920> 34,040円 +1,000 円 (+3.0%) 本日終値
レーザーテック<6920>は4日続伸。岩井コスモ証券は30日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を3万4000円から4万円に引き上げた。同社はEUV(極端紫外線)光を使ったフォトマスク欠陥検査装置ACTIS「A300」を発表した。ACTISはフォトマスクの欠陥を検査する光源に露光装置と同じEUV光を使っており、他の光源を使う欠陥検査装置に比べてフォトマスク上の多層膜内部の欠陥を検出でき、マスク回路パターンの欠陥検出力が高い。自社開発の光源URASHIMAも搭載しており、2ナノ以降の半導体フォトマスク検査において必須アイテムになる可能性を指摘し、株価プレミアムと成長期待の両方を押し上げるとみている。
■エムアップ <3661> 1,043円 +25 円 (+2.5%) 本日終値
エムアップホールディングス<3661>が反発した。SBI証券は30日、エムアップの目標株価を1950円から2150円に引き上げた。23年4~9月期の業況について、ファンクラブの開設遅延などで課題を残したとしながらも、下期以降はキャッチアップが可能と指摘。電子チケット事業では大手プレイガイドとの連携の強化の動きが注目されるとしたうえで、ダイナミックプライシングの導入も今後のカタリストとして注視したいとしている。投資判断は「買い」を継続した。
■日本システム技術 <4323> 2,750円 +42 円 (+1.6%) 本日終値
日本システム技術<4323>が3日続伸。11月30日の取引終了後、レセプト処理業務やレセプト内容点検業務など保険者市場向けサービスを展開するケーシップ(大阪府豊中市)の全株式を取得し子会社化することで基本合意したと発表しており、好材料視された。ケーシップの子会社化は、グループ全体としての保険者市場での取引数増大やビッグデータの拡充を図るのが狙い。また、グループのICTやDX技術とケーシップの業務ノウハウを統合することで、取引保険者への提供価値向上を目指すとしている。取得価額や株式取得日などの詳細は今後決定する予定。なお、同件による業績への影響は精査中としている。
■三菱UFJ <8306> 1,273円 +18 円 (+1.4%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>が続伸、三井住友フィナンシャルグループ<8316>は4日ぶり反発といずれも足もと買い優勢の展開、地銀株も総じて高い。ここ米長期金利の急低下を背景に運用環境の改善期待が剥落し、銀行セクターは上値の重い動きとなっていた。米長期金利に連動して国内長期金利も水準を切り下げる展開で、銀行にとって向かい風が意識されている。ただ、前日は米国で10月のPCEデフレーターが事前予想通り減速を示したものの、米債券市場では目先出尽くし売りを誘い、米10年債利回りは4.3%台に切り返す展開となった。また、これを受けて国内でも新発10年債利回りが足もとで0.690%と上昇に転じている。日米の長期債利回りが揃って水準を切り上げていることで、メガバンクや地銀株などを買い戻す動きを誘発している。
■NEC <6701> 8,357円 +117 円 (+1.4%) 本日終値
NEC<6701>が3日続伸し、年初来高値を更新した。30日に投資家向け説明会を開催。政府の防衛費予算の大幅な増加などを背景に、航空宇宙・防衛事業の売上収益が拡大する見通しを示しており、買い安心感をもたらしたようだ。同事業については、特殊要因を除いたベースで26年3月期に売上収益を3500億円(23年3月期は2329億円)、調整後営業利益を420億円(同240億円)に伸ばす目標を掲げる。26年3月期までに1000人規模の増員を計画。東京都府中市の拠点で新棟を設置し、生産設備を増強する。
■日清食HD <2897> 14,870円 +205 円 (+1.4%) 本日終値
日清食品ホールディングス<2897>が3日ぶりに反発した。SMBC日興証券が30日、日清食HDの目標株価を1万4500円から1万6300円に引き上げた。投資評価は「1」を継続する。コロナ禍やインフレを契機に収益力が一気に高まり、安定した成長を見通せる方向に経営体質も強化しつつあると指摘。来期は値上げ効果の一巡が見込まれるものの、グローバルでは堅調な需要が想定されるとし、収益成長性を考慮すると中期的な上昇余地があると評価した。同証券は日清食HDの25年3月期営業利益予想を760億円から825億円に増額した。
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