【市況】株価指数先物【寄り前】 直近戻り高値突破でショートカバーが入りやすい
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 32330 +450 (+1.41%)
TOPIX先物 2359.0 +38.0 (+1.63%)
シカゴ日経平均先物 32735 +855
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
3日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。10月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を下回ったほか、10月のISM非製造業景況感指数も市場予想以上に低下したことにより、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化への警戒が和らいだ。米長期金利が一時4.4%台に低下したことを受けて、ハイテク主導で買い優勢の相場展開となった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、耐久消費財・アパレル、消費者サービスが上昇した一方で、エネルギー、家庭用品・パーソナル用品、テクノロジー・ハード・機器が下落。
シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比855円高の3万2735円だった。日経225先物(12月限)は日中比50円高の3万1930円で始まり、開始直後に3万1810円と下落に転じる場面も見られたが、すぐさま反転し、米国市場の上昇を受けて上げ幅を広げた。終盤にかけて3万2350円まで買われ、3万2330円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップアップで始まることになりそうだ。日経225先物は2日の日中取引で一時節目の3万2090円まで買われ、75日移動平均線およびボリンジャーバンドの+1σが位置する3万2000円処を突破する場面も見られた。ナイトセッションの一段の上昇で同水準を明確に上放れており、+2σが位置する3万2620円および10月12日の戻り高値3万2660円が射程に入ってくる。
ギャップアップで10月の戻り高値を一気に上放れてくるようだと、週末にはオプションSQを控えていることから、ヘッジに絡んだリバランスに伴うショートカバーが入りやすいだろう。短期的に過熱感が警戒される可能性があるものの、オーバーシュート気味に節目の3万3000円に接近する展開も想定しておく必要はありそうだ。そのため、ギャップアップからの買い一巡後にこう着感が強まる局面がみられるようだと、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。
レンジとしてはオプション権利行使価格の3万2250円から3万2750円とのレンジを想定しておくが、レンジ上限に接近する局面において、戻り待ち狙いのショートは避けておきたいところである。反対にレンジ下限を下回ってきたとしても、節目の3万2000円が支持線として意識されやすく、ロング対応となりそうだ。
今週も指数インパクトの大きい値がさハイテク株の決算が予定されており、決算内容を見極めたいとする模様眺めムードは強まりやすいと考えられる。ただし、先週は下方修正が嫌気されて失望売りを浴びたアドバンテスト <6857> [東証P]は、翌日に10%の上昇で急落部分を一気に埋めてきており、決算通過後のアク抜け期待が意識されやすい。
VIX指数は14.91(前日は15.66)に低下した。10月半ばに付けた直近安値15.44倍を明確に下回ったことから、リスク選好に向かわせやすいだろう。方向性としては9月15日に付けた12.68辺りが目先的なターゲットとして意識されてくるチャート形状のため、ショートカバーが入りやすくなる。
なお、2日のNT倍率は先物中心限月で13.73倍に上昇した。前日に13.61倍まで低下する場面が見られたものの、指数インパクトの大きい値がさのリバウンドを受けて一時13.77倍まで上昇し、25日線が位置する13.79倍辺りに接近する場面が見られた。10月半ば以降のNT低下に対するNTショートを巻き戻す動きに向かわせそうである。
株探ニュース