【経済】【クラファン】エスカレーターを変える! 安全性と収益化を両立する独自手すりベルト UDエスカレーター、10月26日募集開始
駅などのエスカレーターの手すりベルトを革新し、安全性の向上と収益化を目指す株式会社UDエスカレーター(東京都新宿区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは10月26日19時30分開始を予定しています。
※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算
エスカレーターの安全性向上、収益化を目指す
UDエスカレーターは、全国の駅や商業施設にある7万基超のエスカレーターの手すりベルトを、ユニバーサルデザインが施された特殊ウレタンシートで覆うことにより、安全性の向上と収益化の実現を目指すスタートアップです。
人間工学に基づく特許技術を用いた多機能手すり「UDベルト」をエスカレーターに施すことで、社会問題となっているエスカレーターでの転倒事故防止を目指すとともに、同技術を生かし、エスカレーターを視認性の高い広告媒体として活用することで、エスカレーターオーナーに新たな事業収益を生み出そうとしています。
すでに多くの駅や商業施設、公共施設で採用されており、今後もさらに導入が増える予定。エスカレーター利用者に安全、オーナーに収益、広告主に売上という「三方良し」の社会性の高いビジネスモデルの構築を目指しています。
(出典:イークラウド)
エスカレーターの事故が社会問題化
同社によると、エスカレーターの利用増加や急速な高齢化の進展に伴って、エスカレーターでの事故も社会問題となっており、近年、全国の鉄道事業者、空港、商業施設、自治体が共同でエスカレーターの安全利用を呼びかけるキャンペーンを毎年実施。埼玉県や名古屋市など、エスカレーターの安全利用に関する条例を独自に制定する自治体も出ているといいます。
約1万6000基のエスカレーターがある東京都内では、2016~2020年の5年間で6613人が救急搬送されており、これは都内で年間1300件以上、1日約3.6件の救急搬送がある計算となり、1基あたり事故率で計算すると、5年間で全国約3万人が救急搬送されていることになるそうです。
これらの事故の大半は高齢者が占めるといい、とりわけ、国内に145万人いるロービジョン者(視覚機能が低く、不自由さがある人)は、エスカレーターの上下の方向やスピードの判断がしづらい状況に置かれているといいます。
「超高齢社会に突入している日本では、今後も高齢者など事故リスクの高い人は増えると予想され、エスカレーターの安全対策はこれまで以上に重要となっています」(同社)
安全対策は主に、エスカレーターを設置する施設管理者に委ねられるものの、対策のためのコストがかかるのが現状だといいます。そこで、安全対策の導入障壁を取り払うために、エスカレーターそのものを広告媒体に活用するエスカレーター広告が有効だと同社は考えています。
エスカレーター広告の利点は高い視認性だといい、エスカレーター1階分の移動で約30秒間、立ち止まっているターゲットの至近距離から、広告のインパクトを与えられるのが強みだそうです。
(出典:イークラウド)
国内のエスカレーターは計算上、手すりベルトの長さだけでも計約3780キロと、日本列島を縦断する長さよりも長く、ほぼ手がつけられていない広告資源として、大きな可能性を秘めているといいます。
同社は、エスカレーターの手すりベルトに独自技術を施すことで、エスカレーターのバリアフリー機能を向上させるとともに、安全性を支える広告収入を生み出す事業資産に生まれ変わらせることを目指しています。
「エスカレーターの安全性の課題を解決しながら、エスカレーターを広告媒体として活用することで、収益性の高いソーシャルビジネスを展開することを目指します」(同社)
「ゆうどうマーク」と広告を印刷した「UDベルト」
同社は、視線を誘導する「ゆうどうマーク」と広告を印刷した多機能手すり「UDベルト」を施工することで、高い転倒事故防止効果と広告効果を実現させ、エスカレーターに新たな価値を創造することを目指しています。
「ゆうどうマーク」とは、一定のマークを等間隔に置くことで視線を手すりベルトに誘導し、エスカレーターの動きを認識させる、人間工学に裏打ちされた安全性の高いデザイン技術で、同社はこれに関して特許を取得しています。
(出典:イークラウド)
また、UDベルトには事故防止や広告効果のほか、耐久性、抗菌性などの付加価値もあるそうです。
UDベルトは、約500キロの圧力がかかるローラーとの摩擦や継続的な伸縮などのエスカレーター特有の過酷な環境に耐えうる特殊ウレタンシートを使用。シートの耐久性は、日立製作所 <6501> [東証P]との実験で検証済みで、通常のエスカレーターの5倍の速度で運転させた場合でも、連続1510時間(過酷な鉄道駅の環境で1年分に相当)を経過した時点で、はがれやよじれ、破損などの異常は生じないといいます。
また、一般社団法人抗菌製品技術協議会(SIAA)の基準を満たすラミネート加工を施しているため、貼り続ける限り、抗菌効果が持続するそうです。
【競争力1】転倒事故約78%減、エスカレーターの安全性を大幅に向上
UDベルトは事故防止効果が確認されており、エスカレーターのオーナーに導入の理解を得られやすい点が強みだと同社は考えています。
導入したJR駅のエスカレーターでの追跡調査では、転倒事故を6年間で平均約78%削減。また、事故リスクの高いロービジョン者も、ゆうどうマークがあることで上下方向を認識しやすく、遠くの距離からエスカレーター乗り口へ歩くまでの上下方向認識時間が5秒早くなったそうです。
(出典:イークラウド)
また、利用者の視線を手すりベルトに誘導することで、逆乗りの防止、利用時や乗り降り時の身体バランス向上につながっているといいます。
(出典:イークラウド)
国土交通省のバリアフリーに関する各種ガイドラインでも、手すりベルトのしるしの活用が推奨され、事例として「ゆうどうマーク」の写真が掲載されているそうです。
【競争力2】認識率84.7%、他媒体を大きく上回る広告効果
エスカレーター広告は屋外広告の中でも視認性の高さが実証されており、広告主にとって、効果を生みやすい点も強みだと同社は考えています。単純な広告出稿ではなく、バリアフリーという社会貢献活動につながる点でも、広告主への訴求力が高いと見ているそうです。
伊勢丹立川店の調査では、エスカレーターベルトの広告が「印象に残った」と答えた割合が84.7%。JR東日本企画の調査でも「広告を見た」「見た気がする」と答えた割合は、駅ポスターの2倍に上る84.2%だったといいます。
さらに、UDベルトの場合、ゆうどうマークがあることにより「手すりに視線が集中する」「広告が記憶に残りやすくなる」「利用者が立ち止まりやすくなる」といった効果が得られ、広告効果がさらに高くなるとしています。
名鉄百貨店では、最上階に入居するブックカフェ店舗の広告をUDベルトに掲出したところ、同店舗を初めて知った来店者の約6割が実際に店舗を訪問。また、広告掲載前から店舗を知っていた来店者の16%が広告を見て店舗を訪れたそうです。
広告主によっては、広告出稿料ではなく、エスカレーターのバリアフリー化やCSRの「協賛金」として支払いを受けるケースもあるといい、安全性を向上させるという特性上、企業の社会貢献活動の予算も計上しやすいのも特徴だといいます。
【新商品】スマホをかざしてクーポン受信、NFCタグ搭載のデジタル手すりを開発
同社はエスカレーター広告の付加価値を高めるため、「NFCタグ」を活用した新しい手すりベルトの開発も実施。NFCタグ搭載のUDベルトについて、商品化に先立って特許を取得しています。
※NFCタグ:至近距離で無線通信を行う技術を搭載したタグ。スマホのおサイフ機能や交通系ICなどに使用(同社注)
エスカレーターでは、立ち止まってスマホを手にしている人が多いため、商業施設などでは、手すりベルトのNFCタグで、入居する店舗のクーポンを配布することで、施設内の回遊を促す効果を見込んでいます。
(出典:イークラウド)
手すりベルトは運転中に負荷がかかるといいますが、同社は、約500キロの圧力や最大130%の伸縮でも壊れないNFCタグを開発中で、2024年中の商品化を計画しています。将来的には伸縮型ディスプレイを活用したデジタルサイネージの商品化も進めていく予定です。
「このように、事故防止を目指しながら広告収益が見込める点がUDエスカレーターの事業の特徴となっています。エスカレーターに新たな価値を生み出すことにより、オーナー、利用者、広告主の『三方良し』を実現させるビジネスとなっています」(同社)
全国約300カ所のエスカレーターが取り扱い可能に
同社は、直近で施工可能なエスカレーターの獲得に注力しており、特許などを強みとして、接触したエスカレーターオーナーの5割程度が媒体化の契約に至るなど、高効率で、出稿可能なエスカレーターを獲得しているといいます。
現在は鉄道事業者、大型小売チェーン、総合デベロッパーなどのエスカレーターオーナーと広告契約を進め、駅や著名商業施設など、全国計約300カ所のエスカレーターを取り扱える状況だそうです。
これまで、特殊ウレタンシートで手すりベルトを覆うことで設備が損傷するなどの懸念から、契約に至らないことがあったといいますが、エスカレーターメーカーの協力を得て耐久性テストを実施したほか、シートの汚損破損を補償する保険を導入することで懸念が払拭され、安心感を高めたといいます。
「安全性の高い特許技術を武器に、エスカレーターオーナーとの連携をさらに拡大させ、先行優位性を築きたいと考えています」(同社)
ブルーオーシャンの領域で年間21億円の売上も
同社の収益モデルについては、広告出稿料から広告代理店への手数料20%と施工費を差し引いた残りの金額を、エスカレーターの運用報酬として、エスカレーター施設管理者と等分する形を採用。一般的に広告代理店の収益は出稿料の15~20%ですが、この運用報酬モデルで同社は、その1.5倍程度の高い収益を得られるそうです。
(出典:イークラウド)
エスカレーターの手すりベルトは国内ではブルーオーシャンの領域で、全国約7万基の1%にあたる700基で採用された場合でも、1年間で約21億円の売上を得られるといい、広告媒体とするエスカレーターの早期の獲得と、広告媒体としての稼働率アップを狙いたい考えです。
今後の成長に向けて
同社は、売上拡大に向けた今後の主な取り組みとして、広告媒体とするエスカレーターの獲得、広告主を増やすための代理店連携を挙げています。
前者については、現在の約300基から、2024年8月期末までに1000基に増やすことを目指しています。
後者については、足元で大手3社と商談を実施。エスカレーターの取扱数の増加、広告の目新しさなどから、関心が得られやすくなったといい、媒体化と両輪で対応していく計画です。
また、バリアフリーと好相性なCSRやSDGsの取り組みに力を入れているマーケティング企業など複数社と協議。同一施設内で施工基数がまとまることで広告効果の最大化と施工コスト削減が見込めるため、商業施設コンサル企業などとの連携も強化したい考えです。
広告主の候補となる企業に直接、営業を展開する準備も進めており、CSRを重視する企業や介護関係の企業などは確度が高いといい、優先的にアプローチするとしています。
これらの施策により、2025年8月期に施工回数を400回以上に増やし、黒字転換する計画です。
NFCタグの開発後、海外展開も視野に入れており、世界のエスカレーター基数の4割を占めるとされる中国のほか、東南アジア、インドなどを事業展開の候補としています。
同社は、中長期にわたる成長のためには大手の経営資源を活用したビジネス展開が重要だと見ており、大手広告代理店やファンドなどへの株式譲渡(M&A)を経営戦略としています。
(出典:イークラウド)
※2023年8月期の施工はすべて完了。
※上記は国内でのUDベルトの売上計画であり、NFCタグ搭載手すりベルト、および海外展開の売上は含まない。
株主構成
同社は、以下のベンチャーキャピタルなどから出資を受けています。
・ベンチャー企業成長支援3号投資事業有限責任組合(テピアインベストメント株式会社)
・RC虎ノ門投資事業有限責任組合(ランブラス・キャピタル株式会社)
・その他事業会社、個人投資家
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ホープ <6195> [東証G]
・アイズ <5242> [東証G]
・マイクロアド <9553> [東証G]
・アルファ <4760> [東証S]
・表示灯 <7368> [東証S]
発行者・募集情報
商 号:株式会社UDエスカレーター
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿一丁目1番7号 コスモ新宿御苑ビル7階A号室
URL:https://www.udescalator.co.jp/
代表者:江本真聰
資本金:95,000,000円
発行可能株式総数:100,000,000株
発行済株式総数:15,962,727株
調達前時価総額:478,881,810円
設立年月日:2019年11月8日
決算期:8月
募集株式の数(上限):普通株式1,648,500株
募集株式の払込金額:1株当たり30円
申込期間:2023年10月26日~11月13日
※上記申込期間のうち募集期間は10月26日~11月12日。早期終了の場合、予定した申込期間の最終日よりも早く、申し込みの受付を終了することがある。
払込期日:2023年11月28日
目標募集額:5,040千円
上限募集額:49,455千円
投資金額のコース及び株数
105千円コース(3,500株)
210千円コース(7,000株)
315千円コース(10,500株)
495千円コース(16,500株)
特定投資家向けコース
1,050千円コース(35,000株)
2,100千円コース(70,000株)
資金使途
①調達額504万円(目標募集額)の資金使途
人件費:393万円
手数料:110万円
②調達額2,724万円の資金使途
人件費:1,725万円
研究開発費:400万円
手数料:599万円
③調達額4,945万円の資金使途
人件費:2,857万円
研究開発費:800万円
広告宣伝費:200万円
手数料:1,088万円
連絡先
UDエスカレーター株式会社
03-5315-0995
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、イークラウドの下記ページをご覧ください。
▼産官学の研究による特許技術でエスカレーターの安全性向上と収益化を目指す「UDエスカレーター」
株探ニュース
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:504万円、上限募集額:4945万5000円 |
・ | VC出資実績あり |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置AまたはB) |
・ | みなし時価総額:4億7888万1810円 |
・ | 類似上場企業:ホープ <6195> [東証G]、アイズ <5242> [東証G]、マイクロアド <9553> [東証G]、アルファ <4760> [東証S]、表示灯 <7368> [東証S] |
エスカレーターの安全性向上、収益化を目指す
UDエスカレーターは、全国の駅や商業施設にある7万基超のエスカレーターの手すりベルトを、ユニバーサルデザインが施された特殊ウレタンシートで覆うことにより、安全性の向上と収益化の実現を目指すスタートアップです。
人間工学に基づく特許技術を用いた多機能手すり「UDベルト」をエスカレーターに施すことで、社会問題となっているエスカレーターでの転倒事故防止を目指すとともに、同技術を生かし、エスカレーターを視認性の高い広告媒体として活用することで、エスカレーターオーナーに新たな事業収益を生み出そうとしています。
すでに多くの駅や商業施設、公共施設で採用されており、今後もさらに導入が増える予定。エスカレーター利用者に安全、オーナーに収益、広告主に売上という「三方良し」の社会性の高いビジネスモデルの構築を目指しています。
(出典:イークラウド)
エスカレーターの事故が社会問題化
同社によると、エスカレーターの利用増加や急速な高齢化の進展に伴って、エスカレーターでの事故も社会問題となっており、近年、全国の鉄道事業者、空港、商業施設、自治体が共同でエスカレーターの安全利用を呼びかけるキャンペーンを毎年実施。埼玉県や名古屋市など、エスカレーターの安全利用に関する条例を独自に制定する自治体も出ているといいます。
約1万6000基のエスカレーターがある東京都内では、2016~2020年の5年間で6613人が救急搬送されており、これは都内で年間1300件以上、1日約3.6件の救急搬送がある計算となり、1基あたり事故率で計算すると、5年間で全国約3万人が救急搬送されていることになるそうです。
これらの事故の大半は高齢者が占めるといい、とりわけ、国内に145万人いるロービジョン者(視覚機能が低く、不自由さがある人)は、エスカレーターの上下の方向やスピードの判断がしづらい状況に置かれているといいます。
「超高齢社会に突入している日本では、今後も高齢者など事故リスクの高い人は増えると予想され、エスカレーターの安全対策はこれまで以上に重要となっています」(同社)
安全対策は主に、エスカレーターを設置する施設管理者に委ねられるものの、対策のためのコストがかかるのが現状だといいます。そこで、安全対策の導入障壁を取り払うために、エスカレーターそのものを広告媒体に活用するエスカレーター広告が有効だと同社は考えています。
エスカレーター広告の利点は高い視認性だといい、エスカレーター1階分の移動で約30秒間、立ち止まっているターゲットの至近距離から、広告のインパクトを与えられるのが強みだそうです。
(出典:イークラウド)
国内のエスカレーターは計算上、手すりベルトの長さだけでも計約3780キロと、日本列島を縦断する長さよりも長く、ほぼ手がつけられていない広告資源として、大きな可能性を秘めているといいます。
同社は、エスカレーターの手すりベルトに独自技術を施すことで、エスカレーターのバリアフリー機能を向上させるとともに、安全性を支える広告収入を生み出す事業資産に生まれ変わらせることを目指しています。
「エスカレーターの安全性の課題を解決しながら、エスカレーターを広告媒体として活用することで、収益性の高いソーシャルビジネスを展開することを目指します」(同社)
「ゆうどうマーク」と広告を印刷した「UDベルト」
同社は、視線を誘導する「ゆうどうマーク」と広告を印刷した多機能手すり「UDベルト」を施工することで、高い転倒事故防止効果と広告効果を実現させ、エスカレーターに新たな価値を創造することを目指しています。
「ゆうどうマーク」とは、一定のマークを等間隔に置くことで視線を手すりベルトに誘導し、エスカレーターの動きを認識させる、人間工学に裏打ちされた安全性の高いデザイン技術で、同社はこれに関して特許を取得しています。
(出典:イークラウド)
また、UDベルトには事故防止や広告効果のほか、耐久性、抗菌性などの付加価値もあるそうです。
UDベルトは、約500キロの圧力がかかるローラーとの摩擦や継続的な伸縮などのエスカレーター特有の過酷な環境に耐えうる特殊ウレタンシートを使用。シートの耐久性は、日立製作所 <6501> [東証P]との実験で検証済みで、通常のエスカレーターの5倍の速度で運転させた場合でも、連続1510時間(過酷な鉄道駅の環境で1年分に相当)を経過した時点で、はがれやよじれ、破損などの異常は生じないといいます。
また、一般社団法人抗菌製品技術協議会(SIAA)の基準を満たすラミネート加工を施しているため、貼り続ける限り、抗菌効果が持続するそうです。
【競争力1】転倒事故約78%減、エスカレーターの安全性を大幅に向上
UDベルトは事故防止効果が確認されており、エスカレーターのオーナーに導入の理解を得られやすい点が強みだと同社は考えています。
導入したJR駅のエスカレーターでの追跡調査では、転倒事故を6年間で平均約78%削減。また、事故リスクの高いロービジョン者も、ゆうどうマークがあることで上下方向を認識しやすく、遠くの距離からエスカレーター乗り口へ歩くまでの上下方向認識時間が5秒早くなったそうです。
(出典:イークラウド)
また、利用者の視線を手すりベルトに誘導することで、逆乗りの防止、利用時や乗り降り時の身体バランス向上につながっているといいます。
(出典:イークラウド)
国土交通省のバリアフリーに関する各種ガイドラインでも、手すりベルトのしるしの活用が推奨され、事例として「ゆうどうマーク」の写真が掲載されているそうです。
【競争力2】認識率84.7%、他媒体を大きく上回る広告効果
エスカレーター広告は屋外広告の中でも視認性の高さが実証されており、広告主にとって、効果を生みやすい点も強みだと同社は考えています。単純な広告出稿ではなく、バリアフリーという社会貢献活動につながる点でも、広告主への訴求力が高いと見ているそうです。
伊勢丹立川店の調査では、エスカレーターベルトの広告が「印象に残った」と答えた割合が84.7%。JR東日本企画の調査でも「広告を見た」「見た気がする」と答えた割合は、駅ポスターの2倍に上る84.2%だったといいます。
さらに、UDベルトの場合、ゆうどうマークがあることにより「手すりに視線が集中する」「広告が記憶に残りやすくなる」「利用者が立ち止まりやすくなる」といった効果が得られ、広告効果がさらに高くなるとしています。
名鉄百貨店では、最上階に入居するブックカフェ店舗の広告をUDベルトに掲出したところ、同店舗を初めて知った来店者の約6割が実際に店舗を訪問。また、広告掲載前から店舗を知っていた来店者の16%が広告を見て店舗を訪れたそうです。
広告主によっては、広告出稿料ではなく、エスカレーターのバリアフリー化やCSRの「協賛金」として支払いを受けるケースもあるといい、安全性を向上させるという特性上、企業の社会貢献活動の予算も計上しやすいのも特徴だといいます。
【新商品】スマホをかざしてクーポン受信、NFCタグ搭載のデジタル手すりを開発
同社はエスカレーター広告の付加価値を高めるため、「NFCタグ」を活用した新しい手すりベルトの開発も実施。NFCタグ搭載のUDベルトについて、商品化に先立って特許を取得しています。
※NFCタグ:至近距離で無線通信を行う技術を搭載したタグ。スマホのおサイフ機能や交通系ICなどに使用(同社注)
エスカレーターでは、立ち止まってスマホを手にしている人が多いため、商業施設などでは、手すりベルトのNFCタグで、入居する店舗のクーポンを配布することで、施設内の回遊を促す効果を見込んでいます。
(出典:イークラウド)
手すりベルトは運転中に負荷がかかるといいますが、同社は、約500キロの圧力や最大130%の伸縮でも壊れないNFCタグを開発中で、2024年中の商品化を計画しています。将来的には伸縮型ディスプレイを活用したデジタルサイネージの商品化も進めていく予定です。
「このように、事故防止を目指しながら広告収益が見込める点がUDエスカレーターの事業の特徴となっています。エスカレーターに新たな価値を生み出すことにより、オーナー、利用者、広告主の『三方良し』を実現させるビジネスとなっています」(同社)
全国約300カ所のエスカレーターが取り扱い可能に
同社は、直近で施工可能なエスカレーターの獲得に注力しており、特許などを強みとして、接触したエスカレーターオーナーの5割程度が媒体化の契約に至るなど、高効率で、出稿可能なエスカレーターを獲得しているといいます。
現在は鉄道事業者、大型小売チェーン、総合デベロッパーなどのエスカレーターオーナーと広告契約を進め、駅や著名商業施設など、全国計約300カ所のエスカレーターを取り扱える状況だそうです。
これまで、特殊ウレタンシートで手すりベルトを覆うことで設備が損傷するなどの懸念から、契約に至らないことがあったといいますが、エスカレーターメーカーの協力を得て耐久性テストを実施したほか、シートの汚損破損を補償する保険を導入することで懸念が払拭され、安心感を高めたといいます。
「安全性の高い特許技術を武器に、エスカレーターオーナーとの連携をさらに拡大させ、先行優位性を築きたいと考えています」(同社)
ブルーオーシャンの領域で年間21億円の売上も
同社の収益モデルについては、広告出稿料から広告代理店への手数料20%と施工費を差し引いた残りの金額を、エスカレーターの運用報酬として、エスカレーター施設管理者と等分する形を採用。一般的に広告代理店の収益は出稿料の15~20%ですが、この運用報酬モデルで同社は、その1.5倍程度の高い収益を得られるそうです。
(出典:イークラウド)
エスカレーターの手すりベルトは国内ではブルーオーシャンの領域で、全国約7万基の1%にあたる700基で採用された場合でも、1年間で約21億円の売上を得られるといい、広告媒体とするエスカレーターの早期の獲得と、広告媒体としての稼働率アップを狙いたい考えです。
今後の成長に向けて
同社は、売上拡大に向けた今後の主な取り組みとして、広告媒体とするエスカレーターの獲得、広告主を増やすための代理店連携を挙げています。
前者については、現在の約300基から、2024年8月期末までに1000基に増やすことを目指しています。
後者については、足元で大手3社と商談を実施。エスカレーターの取扱数の増加、広告の目新しさなどから、関心が得られやすくなったといい、媒体化と両輪で対応していく計画です。
また、バリアフリーと好相性なCSRやSDGsの取り組みに力を入れているマーケティング企業など複数社と協議。同一施設内で施工基数がまとまることで広告効果の最大化と施工コスト削減が見込めるため、商業施設コンサル企業などとの連携も強化したい考えです。
広告主の候補となる企業に直接、営業を展開する準備も進めており、CSRを重視する企業や介護関係の企業などは確度が高いといい、優先的にアプローチするとしています。
これらの施策により、2025年8月期に施工回数を400回以上に増やし、黒字転換する計画です。
NFCタグの開発後、海外展開も視野に入れており、世界のエスカレーター基数の4割を占めるとされる中国のほか、東南アジア、インドなどを事業展開の候補としています。
同社は、中長期にわたる成長のためには大手の経営資源を活用したビジネス展開が重要だと見ており、大手広告代理店やファンドなどへの株式譲渡(M&A)を経営戦略としています。
(出典:イークラウド)
※2023年8月期の施工はすべて完了。
※上記は国内でのUDベルトの売上計画であり、NFCタグ搭載手すりベルト、および海外展開の売上は含まない。
株主構成
同社は、以下のベンチャーキャピタルなどから出資を受けています。
・ベンチャー企業成長支援3号投資事業有限責任組合(テピアインベストメント株式会社)
・RC虎ノ門投資事業有限責任組合(ランブラス・キャピタル株式会社)
・その他事業会社、個人投資家
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ホープ <6195> [東証G]
・アイズ <5242> [東証G]
・マイクロアド <9553> [東証G]
・アルファ <4760> [東証S]
・表示灯 <7368> [東証S]
発行者・募集情報
商 号:株式会社UDエスカレーター
所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿一丁目1番7号 コスモ新宿御苑ビル7階A号室
URL:https://www.udescalator.co.jp/
代表者:江本真聰
資本金:95,000,000円
発行可能株式総数:100,000,000株
発行済株式総数:15,962,727株
調達前時価総額:478,881,810円
設立年月日:2019年11月8日
決算期:8月
募集株式の数(上限):普通株式1,648,500株
募集株式の払込金額:1株当たり30円
申込期間:2023年10月26日~11月13日
※上記申込期間のうち募集期間は10月26日~11月12日。早期終了の場合、予定した申込期間の最終日よりも早く、申し込みの受付を終了することがある。
払込期日:2023年11月28日
目標募集額:5,040千円
上限募集額:49,455千円
投資金額のコース及び株数
105千円コース(3,500株)
210千円コース(7,000株)
315千円コース(10,500株)
495千円コース(16,500株)
特定投資家向けコース
1,050千円コース(35,000株)
2,100千円コース(70,000株)
資金使途
①調達額504万円(目標募集額)の資金使途
人件費:393万円
手数料:110万円
②調達額2,724万円の資金使途
人件費:1,725万円
研究開発費:400万円
手数料:599万円
③調達額4,945万円の資金使途
人件費:2,857万円
研究開発費:800万円
広告宣伝費:200万円
手数料:1,088万円
連絡先
UDエスカレーター株式会社
03-5315-0995
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、イークラウドの下記ページをご覧ください。
▼産官学の研究による特許技術でエスカレーターの安全性向上と収益化を目指す「UDエスカレーター」
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