【市況】米求人件数が予想外の増加 専門職・ビジネスサービスの求人数が急増
この日発表の8月の米求人件数は961万件と予想コンセンサス(883.1万件)を大きく上回った。春以降、労働市場の軟化傾向が顕著となっており、今回は前回から反発は予想されていたものの、傾向は継続するとみられていた。それだけに大きなサプライズとなっている。なお、前回分も892万件に上方修正された。
米経済が着実に成長する中で、旺盛な労働意欲を反映。求人件数は昨年の1200万人という記録から減少はしているが、それでもパンデミック前の水準を遥かに上回っている。
しかし、労働市場が軟化の兆候も一部には出ている。仕事を辞めた人の数は360万人とほぼ横ばいで、過去8カ月で400万人を下回ったのは7回目。経済が低迷し仕事が見つかりにくくなると、仕事を辞める人は少なくなり、そのまま職に留まる傾向がある。
専門職・ビジネスサービスの求人数が急増。また、金融・保険、公教育、製造業も増加しており、件数を予想以上に押し上げた模様。
求人倍率は8月も横ばいの1.5倍だった。ピークだった2022年の2.0倍からは低下しているものの、FRBは金融危機以前の基準である1.2倍前後に戻ることを望んでいる。一方、離職率は横ばいの2.5%で2019年の水準に戻っている。
エコノミストからは、FRBは1つの雇用指標に基づいて政策を決定することはなく、今回の指標で追加利上げにリスクを傾けることはないとの見方も出ている。
*JOLTS求人件数(8月)23:00
結果 961.0万人
予想 883.1万人 前回 892.0万人(882.7万人から修正)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
米経済が着実に成長する中で、旺盛な労働意欲を反映。求人件数は昨年の1200万人という記録から減少はしているが、それでもパンデミック前の水準を遥かに上回っている。
しかし、労働市場が軟化の兆候も一部には出ている。仕事を辞めた人の数は360万人とほぼ横ばいで、過去8カ月で400万人を下回ったのは7回目。経済が低迷し仕事が見つかりにくくなると、仕事を辞める人は少なくなり、そのまま職に留まる傾向がある。
専門職・ビジネスサービスの求人数が急増。また、金融・保険、公教育、製造業も増加しており、件数を予想以上に押し上げた模様。
求人倍率は8月も横ばいの1.5倍だった。ピークだった2022年の2.0倍からは低下しているものの、FRBは金融危機以前の基準である1.2倍前後に戻ることを望んでいる。一方、離職率は横ばいの2.5%で2019年の水準に戻っている。
エコノミストからは、FRBは1つの雇用指標に基づいて政策を決定することはなく、今回の指標で追加利上げにリスクを傾けることはないとの見方も出ている。
*JOLTS求人件数(8月)23:00
結果 961.0万人
予想 883.1万人 前回 892.0万人(882.7万人から修正)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美