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【市況】来週は米CPIに注目 エネルギー価格上昇がけん引し、総合指数は再び上昇か

 市場は来週の米消費者物価指数(CPI)に注目している。今回はエネルギー価格上昇がけん引し、総合指数は再びインフレが上昇する可能性が高いことに市場は備えている。現段階の予想では、総合指数が前月比0.6%上昇し、7月と6月の0.2%を大きく上回ると見込まれている。前年比でも3.6%が予想され、前2カ月の3.2%、3.0%よりも高い。

 来週の米CPIに投資家がどう反応するかは、総合指数の反発が一過性のものか、それとも繰り返されそうなものかにかかってくるとの指摘も出ている。

 今後の注目点は、エネルギー価格上昇がいつまで続くのか、そして、それがFRBが注視しているコアインフレに反映され始めるかどうかである。8月のエネルギー価格上昇はすでに9月に波及しており、ガソリン価格は今週、この時期としては約10年ぶり最高値記録した。サウジアラビアとロシアによる自主減産は、年末にかけて原油供給を抑制する大きな要因となりそうで、原油相場は1バレル100ドルを超える可能性もあるとの警告も出ている。

 エネルギー価格上昇から米CPIの総合指数はさらに上昇が続きそうだが、FRBはコア指数をより重視しており、それについては、総合指数の上昇が米国民のセンチメントにどれだけ影響を与えるかが意識される。

 ただ、一部からは、8月の米CPIが予想通りの高い数字だったとしても、来年はインフレが鈍化し、FRBの目標まで低下する可能性が高いという見方を必ずしも変える必要はないとの指摘も出ている。また、FRBは11月に利上げをあと1回実施すると予想しているが、8月のCPIが予想通りの範囲内であれば、その見方も変える必要はないという。

*米消費者物価指数(8月)13日21:30
予想 0.6% 前回 0.2%(前月比)
予想 3.6% 前回 3.2%(前年比)
予想 0.2% 前回 0.2%(コア・前月比)
予想 4.3% 前回 4.7%(コア・前年比)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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