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【材料】シスコシステムズが決算受け上昇 ロビンスCEOの会見を好感=米国株個別

 シスコシステムズ<CSCO>が上昇。前日引け後に5-7月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。ガイダンスも公表し、予想を上回る第1四半期の1株利益と売上高の見通しを示した。ただ、2024年度通期の売上高見通しは予想を下回っていた。

 顧客企業の技術インフラへの支出が鈍化しているとの懸念を示しており、今回の見通しは、同社の成長が今年度の11%増から急減速することを示唆している。同社は部品不足が長期化する中で受注残が積み上がっていた。これらの部品が入手可能になったことで、ハードウェアを出荷し、関連するソフトウェアを販売することが可能となったが、その勢いの衰えを示唆していた。

 発表直後は時間外で株価は下落していたが、その後はプラスに転じている。ロビンスCEOの会見に反応している模様。同CEOは投資家に対し「市場シェア拡大と売上高の増加で成長鈍化を乗り切れる」との見通しを示したほか、自社株買いの拡大に取り組む方針も示した。また、「生成AI(人工知能)の急成長を好機にしている」とも語った。

 アナリストからは「特筆すべき点は、今後より一貫した自社株買いを継続することを約束したことだ」といったコメントや、「需要に関する基本的なコメントは建設的で、大半の最終市場の回復力を強調している」といった評価も聞かれた。

 一方、市場はAIの成長が同社にとって好材料となるかどうかに注目している。同社は、AIワークロード用のシリコンワン・ネットワーキング・チップのさらなるバージョンを展開しているが、AI関連の受注がこれまでに5億ドルに達したと報告した。

 この点についてアナリストは「シリコンワンのビジネスチャンスに自信を持っているようだが、同業他社と同様に需要の変曲点は2025年度の可能性が高いと見ている」と述べていた。

(5-7月・第4四半期)
・1株利益(調整後):1.14ドル(予想:1.06ドル)
・売上高:152.0億ドル(予想:150.5億ドル)
  製品:116.5億ドル(予想:114.7億ドル)
  サービス:35.5億ドル(予想:35.5億ドル)
・粗利益率(調整後):65.9%(予想:65.1%)
・年ベース経常収益(ARR):243億ドル
・残存履行義務:349億ドル(予想:341.7億ドル)

(8-10月・第1四半期見通し)
・1株利益(調整後):1.02~1.04ドル(予想:0.99ドル)
・売上高:145~147億ドル(予想:145.7億ドル)
・粗利益率(調整後):65~66%(予想:64.7%)

(24年度通期見通し)
・1株利益(調整後):4.01~4.08ドル(予想:4.05ドル)
・売上高:570~582億ドル(予想:583.1億ドル)

(NY時間09:35)
シスコシステムズ<CSCO> 54.89(+1.93 +3.63%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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