【市況】株価指数先物【寄り前】 日銀会合の結果次第で波乱展開に
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 32570 -350 (-1.06%)
TOPIX先物 2279.0 -20.0 (-0.86%)
シカゴ日経平均先物 32505 -415
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
27日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦準備理事会(FRB)が7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を最後に利上げを停止するとの観測から、買いが先行した。しかし、4-6月の米実質国内総生産(GDP)速報値は前期比で年率2.4%増と市場予想を上回ったほか、米新規失業保険申請件数が7000件減の22万1000件に減少するなど、米景気の底堅さを示す経済指標の結果を受けて追加利上げ観測が再燃し下落に転じた。米長期金利が上昇し4%台を回復したことも利益確定の売りに向かわせた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディアの2セクターのみが上昇した一方で、自動車・同部品、電気通信サービス、不動産、公益事業、各種金融の弱さが目立った。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比415円安の3万2505円だった。日経225先物(9月限)は日中比10円高の3万2930円で寄り付き、ほどなくして3万3000円を回復した。その後はショートカバーが強まるなか、中盤にかけて一時3万3220円まで買われる場面も見られた。しかし、為替市場では日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)修正に関する報道を受けた円買いが強まり、一時1ドル=139円割れとなった。これが嫌気され終盤にかけて急落し、一時3万2410円まで下落幅を広げ、3万2570円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。シカゴ先物は日本経済新聞(電子版)が「日銀は28日に開く金融政策決定会合でYCCの修正案を議論する」と報じたことが下落のきっかけとなった。為替相場は大きく円高に振れたことから、波乱含みの相場展開となった。米国市場においても、この報道を警戒した持ち高調整の影響が大きかっただろう。そのため、売り一巡後は金融政策決定会合の結果待ちから模様眺めムードが強まりやすいと考えられる。
日経225先物は一時3万3220円まで買われ、ボリンジャーバンドの+1σを上回る場面も見られた。しかし、その後の急落で25日移動平均線を割り込み、-1σ水準まで下げてきている。トレンド転換が意識されたなかでの失速であり、為替にらみの展開のなかで円高に振れてくるようだと、ショートを仕掛けてくる動きが強まる可能性はあるだろう。金融政策決定会合の結果は通常であればランチタイム頃に公表されるが、これが後ずれするようだと思惑的なショートも入りやすく、後場は波乱展開にも警戒しておきたいところだろう。反対に予想通りの内容であれば、ナイトセッションでの急落部分を埋めてくる可能性はありそうだ。
VIX指数は14.41に上昇した。一時12.74に低下する場面もあったが、その後の上昇によって25日線を上回り、75日線に接近してきた。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.31倍に上昇した。75日線を中心にボリンジャーバンドの-1σと-2σとのレンジ推移を継続している。ギャップスタートとなるなか、インデックス売りによって指数インパクトの大きい値がさ株の下げの影響が大きくなり、NTショートに振れやすくなると考えられる。
株探ニュース