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【市況】後場もプラス圏での堅調推移続くか/後場の投資戦略

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

日経平均 : 32700.71 (+396.46)
TOPIX  : 2280.88 (+18.68)


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から買いが先行、その後はプラス圏で堅調に推移している。ただ、ナスダック100先物のリバランス影響を見極めたいとの向きもあると見られ、積極的に買い進む動きにはなりにくいとの声もきかれている。

 新興市場は堅調な展開となっている。マザーズ指数やグロース市場の時価総額上位20銘柄で構成される東証グロース市場Core指数は上昇スタート後、じりじりと上げ幅を広げている。前週末に大幅下落となった分の押し目買いが優勢に。ただ、為替の円安が再び進行するなか、決算発表が本格化するため東証プライム銘柄中心に注目が集まっており、新興株は相対的に冴えないパフォーマンスになっている。前引け時点での東証マザーズ指数は0.66%高、東証グロース市場Core指数は0.90%高。

 さて、今週は注目イベントが多数ある。24日に米国のナスダック100指数のリバランス実施、25日に米FOMC(米連邦公開市場委員会)やIMF(国際通貨基金)の世界経済見通し、26日にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長会見、米国の6月新築住宅販売件数、27日に米4-6月期GDP(国内総生産)速報値、28日に米国の6月個人所得、などの発表が予定されている。国内では、27日-28日に日銀金融政策決定会合、28日には植田日銀総裁の会見が予定されており、明日以降のイベントに備えて様子見姿勢を強めている投資家が多いだろう。

 ナスダック100指数のリバランスでは、アップルやテスラなど大型ハイテク株7銘柄の構成比を見直す。構成比は、現在の56%弱から約44%程度に下がるようだ。ナスダックのウェブサイトに掲載された文書によると、指数の最大構成銘柄群の割合があらかじめ設定された基準値を超えた場合、特定の状況下で特別なリバランスが実施されるという。JPモルガン・チェースのストラテジストによると、リバランスにより中小型の構成銘柄の存在感が高まる見込みで、双方向の取引は600億ドル(約8兆4000億円)に達する可能性があるようだ。今週は、大型ハイテク株よりも中小型の構成銘柄の値動きに注目が集まりそうだ。

 話は変わって、米FOMCと欧州中央銀行(ECB)はいずれも政策金利を0.25ポイント引き上げると予想されている。CME FedWatch ツールでは、25日開催の7月FOMCでの0.25ポイントの利上げがほぼ100%織り込まれている。ただ、FRBは6月FOMCで公表した政策金利見通し(ドットチャート)で年内2回の追加利上げを示したほか、パウエル議長も度々年内残り2回の追加利上げを主張していた。実際、パウエル議長とECBのラガルド総裁はいずれも、インフレは依然として高過ぎるとこれまで警告していた。

 今回の会合後は、追加利上げを実施する可能性が高いか、はたまた長期の利上げ休止を計画しているか、政策当局者からのシグナルに大きな注目が集まっている。現状、次回9月FOMCでは据え置きが8割以上の確率で織り込まれている。仮に、パウエル議長が従来からの姿勢を維持して年内最後の利上げ可能性を示唆した場合にはタカ派サプライズとなり、株価にネガティブな影響があることは頭の片隅に置いておきたい。

 そのほか、日本取引所グループが前週20日に発表した投資部門別売買動向によると、海外投資家は7月第2週(10~14日)に現物株を2793億円買い越しており、3週連続で買い越したことが明らかになった。一方、個人投資家は1801億円の買い越しで2週連続の買い越し。年金基金の売買動向を反映するとされる信託銀行は2603億円の売り越しだった。国内では主力企業の決算発表を控える中ではあるが、引き続き海外勢の動きに加えて個人投資家の動向にも注意しておきたい。

 さて、後場の日経平均はプラス圏での推移を継続できるか。前述のように今週は注目イベントが多いほか、国内外の企業決算が本格化することから、積極的な買いを手控える向きもありそうだ。(山本泰三)
《AK》

 提供:フィスコ

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