【市況】5日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反落、年内の追加利上げの可能性が重し
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:米国株式市場は反落、年内の追加利上げの可能性が重し
ダウ平均は129.83ドル安の34,288.64ドル、ナスダックは25.12ポイント安の13,791.66で取引を終了した。
中国財新のサービス業購買担当者景気指数(PMI)の悪化が警戒され、売りが先行。中国政府が金属2種類の輸出規制を発表するなど、米中関係の緊張が企業業績にもたらす悪影響への懸念も売り材料となった。また、連邦準備制度理事会(FRB)が公表した6月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では政策当局者のタカ派姿勢が確認され、金利先高観がくすぶるなか終日軟調に推移した。セクター別ではメディア・娯楽、公益事業が上昇した一方、素材が下落した。
ソーシャルメディア運営のメタ・プラットフォームズ(META)は短文投稿サイトのツイッターの競合アプリとなりうる新サービス「threadsスレッズ」の開始を明日に控え、期待感から上昇。動画配信のネットフリックス(NFLX)はアナリストの投資判断引き上げで買われた。自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)は第2四半期の売上大幅増加が好感されて上昇。半導体メーカーのウルフスピード(WOLF)は日本のルネサスエレクトロニクスと10年間のSICウエハー供給契約を締結したとの報道で大幅高。バイオのモデルナ(MRNA)は中国政府とmRNAワクチン開発・製造で合意したことを発表し買われた。
一方で、貨物運送会社のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は労組との賃金交渉が難航、ストライキの可能性などが警戒されて下落した。
FRBスタッフは意見が均衡しているものの、依然年後半から景気後退入りすることを基本シナリオと見ていることが議事要旨で明らかになった。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米FOMC議事要旨を受けて年内追加利上げ観測が一段と強まる
5日のニューヨーク外為市場でドル・円は、144円08銭へ下落後、144円70銭まで上昇し144円69銭で引けた。中国の低調な経済指標を受けて世界経済の減速懸念が再燃し、リスク回避の円買いが優勢となった。その後、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表の6月開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨のタカ派な内容を想定し金利が上昇、ドル買いが再開。発表後、7月の追加利上げ観測がさらに強まりドル買いに一段と拍車がかかった。
ユーロ・ドルは、1.0902ドルへ上昇後、1.0851ドルまで下落し、1.0854ドルで引けた。ユーロ・円は157円46銭へ強含んだのち156円87銭まで反落。ポンド・ドルは、1.2692ドルから1.2735ドルのレンジで上下に振れた。ドル・スイスは0.8995フランまで上昇後、0.8963フランへ反落。ユーロ・スイス絡みの買いに押された。
■NY原油:反発で71.79ドル、時間外取引で72ドル台に上昇
NY原油先物8月限は反発(NYMEX原油8月限終値:71.79 ↑2.00)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比+2.00ドルの71.79ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは70.34ドル-72.17ドル。ロンドン市場の序盤にかけて70.34ドルまで売られたが、米国市場では需給ひっ迫を意識した買いが強まり、通常取引終了後の時間外取引で72.17ドルまで上昇。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.08ドル -0.12ドル(-0.41%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.92ドル -0.49ドル(-0.57%)
ゴールドマン・サックス(GS)320.05ドル -6.56ドル(-2.01%)
インテル(INTC) 32.51ドル -1.11ドル(-3.30%)
アップル(AAPL) 191.33ドル -1.13ドル(-0.59%)
アルファベット(GOOG) 122.63ドル +2.07ドル(+1.72%)
メタ(META) 294.37ドル +8.35ドル(+2.92%)
キャタピラー(CAT) 244.83ドル -2.50ドル(-1.01%)
アルコア(AA) 33.68ドル -0.59ドル(-1.72%)
ウォルマート(WMT) 158.11ドル -0.09ドル(-0.06%)
《ST》
提供:フィスコ