【経済】【クラファン・優待】農村も都市も! 独自太陽光発電で再生可能エネの課題解決 TERRA、6月20日募集開始
独自の太陽光発電装置を使った電力販売などを行う株式会社TERRA(千葉県匝瑳市)が、株式投資型クラウドファンディング(新株予約権型)による出資を募集します。申し込みは6月20日19時30分開始を予定しています。
細型太陽光パネルと架台を一体化した「1列セルシステム」
(出典:FUNDINNO)
TERRAの東光弘代表は20年以上、有機農産物・エコ雑貨の流通を通じて環境問題に取り組み、2014年、ソーラーシェアリングシステム(農地上に太陽光パネルを設置して発電し、農作物と電力を同時生産する営農型太陽光発電システム)を開発する、市民エネルギーちば株式会社を立ち上げました。
以降、同社を中心にさまざまな企業と連携し、創業約9年で累計約20万平方メートル、パネル出力約6000キロワットの設備(年間売上高約1億8000万円)を建設。設備投資のための資金調達額は累計約15億円に上るといいます。
2021年、同システムを全国に展開するためにTERRAを立ち上げ、今後は同社が、市民エネルギーちばが独自開発した太陽光発電装置「1列セルシステム」を活用した、より環境負荷の少ない低コストのソーラーシェアリングシステムを全国・海外に提供していく計画です。
TERRAが活用するソーラーシェアリングシステム「1列セルシステム」は、細型の太陽光パネルと架台を一体化したもので、軽量ながらゆがみに強い特長があるため、従来の太陽光発電設備では設置できなかった農地やビルの屋上などにも立体的に設置することができるといいます。
同社は主に以下の3つの事業でマネタイズを行っています。(1)「1列セルシステム」を活用したソーラーシェアリングによる電力販売及び農業事業(2)同システムを活用した発電所を各地に建設するEPC(設備の設計や調達、建設などを一括して行うこと)事業(3)太陽光パネルの開発・販売です。
同社は2020年、アウトドアブランドのパタゴニア・インターナショナル・インク(パタゴニア日本支社)と包括的業務提携を締結。また、複数の企業や自治体、プロスポーツチームなどとの提携に向けた商談が進んでいる他、次世代の太陽光パネルとして注目されている「ペロブスカイト太陽電池」の開発も大手化学メーカーと実施しており、2025年の実用化を目指しています。ソーラーシェアリングと同太陽電池の組み合わせに関するコア技術は、同社関連会社が日米で特許取得済みです。
発電・流通・建設・保守や、農業を含めた用地活用まで総合的にプロデュースでき、エネルギー事業に関して、地域おこしも含めて包括的な提案ができる点が同社の強みだといいます。同技術を国内に展開していくと同時に、ベトナムやアフリカへの展開も計画しており、砂漠化やエネルギー問題などを抱える発展途上国の課題解決にも取り組んでいきたい考えです。
匝瑳(そうさ)市で実現した営農型ソーラーシェアリングでは農地に太陽光発電設備を設置し、農作物の生育による炭素吸収と太陽光発電による炭素排出削減を実現。また、有機栽培や不耕起栽培(畑を耕さずに作物を育てる農法)を取り入れることで低炭素型の農業を実現し、トータルで環境保全に貢献するシステムを提供したいといいます。
この仕組みでは、売電収入の一部を地域に還元しており、農地の地代を農家に支払い、設備の固定資産税を自治体に納める他、耕作委託金や地域基金として拠出することで地域振興に貢献しているといいます。「日本では耕作放棄地の増加と農家の減少が深刻な問題です。私たちは売電収入を含め、農業を持続可能な形に再設計することの重要性を認識しています」(同社)。
再生可能エネルギーへの需要が高まる中、同社は都市型太陽光発電システム「TOKYO OASIS」を個人宅や高層ビル、駐車場や公園などの共用スペースに設置し、自家消費を支援しています。また、「オフサイトPPA」という仕組みを通じて、農村地域の営農型ソーラーシェアリングから、不足する電力を供給することもできるといい、これにより、農村地域との関係を深め、生産物の活用や農業体験・学習を促進しているそうです。
「匝瑳市での成功を踏まえ、私たちはこの仕組みを日本全国、そして、現地ニーズに応じる形で海外にも広げることを目指しています。有機栽培・不耕起栽培をベースとした営農型ソーラーシェアリングを広げていくことで、地球の脱炭素化を加速させることに貢献できると信じています」(同社)
従来型再生可能エネルギーが提起した課題に挑む
同社は"本当の意味で"地球環境にやさしい再生可能エネルギーの普及を目指すとともに、再生可能エネルギーの活用により、日本の地方と都市部とのネットワークを構築し、あらゆる企業や行政、個人を巻き込んでいきたい考えです。
同社によると、地球温暖化の解決策として、世界では化石燃料に頼らない太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及が進んでおり、近年、事業運営に必要なエネルギーを100%、再生可能エネルギーで賄うことを目標とする「RE100」を掲げる企業が増えているといいます。
(出典:FUNDINNO)
一方で、再生可能エネルギー普及が必ずしも地球環境に良いわけではなく、例えば、日本の地方、特に人口減少が激しい農村地域での大規模な太陽光発電施設建設による土砂流出など、周辺環境の破壊や景観破壊による環境資源の喪失などが考えられるそうです。
土地が切り開かれ、コンクリートで埋め立てられた山林や田畑が元の豊かな自然環境に戻ることはなく、日本のみならず世界中で同様のことが起きていることから、従来の太陽光発電のあり方に疑問を抱く人や企業が増えており、行政の規制なども年々厳しくなっているといいます。
また、日本の都市ビルの多くはまだ、太陽光発電の設備が普及していないといい、特に古い都市ビルの屋上は配管がむき出しだったり、室外機があったりして、従来の太陽光発電施設が設置しにくいのが理由だと同社は見ています。
「弊社は、これら農村地域及び都市部における従来型の再生可能エネルギーの課題に対して、軽量で低コストな次世代太陽光発電システムを各地方に展開することで、電力を求める企業とそれぞれの発電所をマッチングし、エネルギーが安定供給される循環型の社会の構築に貢献したいと考えています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
「1列セルシステム」を農村部と都市部へ
同社は、土地ごとの自然環境を重視し、より環境負荷が少なく、低コストで導入できるソーラーシェアリングシステム「1列セルシステム」を日本の農村地域と都市部に提供していく予定です。
同システムは独自開発の細型の太陽光パネルと架台を一体化した装置で、パネルとパネルの間に間隔を設け、太陽光を過度に遮ることなく有効活用できる仕組みです。
(出典:FUNDINNO)
同システムは軽量で雨風や雪に強いため、従来の太陽光発電設備では設置が難しかった、入り組んだビルの屋上や既存の農場などにも設置でき、これにより、自然環境を壊すことなく、遊休空間で電力を発電しながら、パネルの下を緑化させることもできるといいます。
(出典:FUNDINNO)
同システムは、東代表が2014年に匝瑳市で設立した、市民エネルギーちば株式会社の技術を活用しています。
(1)農村型太陽光発電(新農村プロジェクト)
農村型太陽光発電設備は、農地の上に設置し、農作物を育てながらエネルギーを生み出すことができます。パネルとパネルの間に間隔があるため、農地の上にまたがるように設置しても太陽光を採り入れることができ、設置の仕方によっては、農作物により最適な環境をつくりながら、エネルギーを生み出すことができるそうです。
(出典:FUNDINNO)
また、同社は電力の「オフサイトPPA」にも対応しています。オフサイトPPAとは、遠隔地にある発電所から、電力を必要とする需要地まで電力を供給する契約のことで、これにより、農村地域で生産されたエネルギーを都市部の企業などに提供できるそうです。
(出典:FUNDINNO)
(2)都市型太陽光発電(TOKYO OASIS)
都市部に対しては都市型太陽光発電設備「TOKYO OASIS」を展開していく計画です。「1列セルシステム」はコンパクトな上、立体的な設置ができるため、ビル屋上の配管や室外機などに影響されることが少ないといい、従来では設置が困難だった古いビルの屋上でも設置できるようになるとしています。室外機を囲うように設置すれば、温度上昇を抑え、省エネにもつながるそうです。
(出典:FUNDINNO)
また、軽量かつ、風や地震、積雪などに強い高剛性な特長により、常に強風が吹くような高層ビルの屋上や多くの積雪が予測される地域でも設置できるといいます。また、コンパクトな見た目から、ビルの屋上だけでなく公園の日除棚としても活用できるそうです。
「弊社は農村地域や都市部それぞれの環境に合わせたソーラーシェアリングシステムを全国各地に提供し、従来とは異なる新たな再生可能エネルギーの普及を目指しています」(同社)
次世代太陽光発電「ペロブスカイト太陽電池」の開発も
同社の「一列セルシステム」のコア技術については、開発元である市民エネルギーちば株式会社で特許を取得しており、TERRAは特許の利用に関する特許独占使用契約を締結、「TOKYO OASIS」に関しては新規特許取得に向け、2つの仕組みを申請準備中です。
また、同社は、次世代の太陽光発電技術「ペロブスカイト太陽電池」の開発にも取り組んでいます。
ペロブスカイト太陽電池とは、チタンを用いた太陽光発電で、材料の塗布や印刷技術だけで量産できるため、さらなる低コスト化が期待できる新技術だといい、従来のシリコン太陽電池よりも軽い上に雨や風などにも強く、シリコン太陽電池では対応できなかった場所に設置できるそうです。2024年にテストプランを完成させ、2025年の実用化を目指しています。
(出典:FUNDINNO)
同社は自社発電による電力販売事業、発電所を建設するEPC事業、太陽光パネルの開発・販売の3つでマネタイズを行っています。
(出典:FUNDINNO)
同社で発電した電力は大手を含む国内企業4社に販売。EPC事業については、地域の行政と連携しながら、各地の耕作放棄地に農地と発電所(オフサイトPPA)を合わせた次世代農業を構築していく計画です。
太陽光パネルの部品販売については、売電事業やEPC事業の拡大に伴って売上高も伸ばしていくとしています。オリジナル部品の開発が進むことで原価が下がり、売電事業やEPC事業の利益が増していくビジネスモデルです。
現状は売電事業とEPC事業が主な収益ですが、発電から流通、建設、用地の活用にいたるまで総合的にプロデュースできる点が自社の強みだとしています。
提携・協業先も拡大しており、農村型・都市型太陽光発電いずれも、すでにさまざまな実績があるといいます。
(1)農村型太陽光発電(新農村プロジェクト)の実績
匝瑳市を中心に千葉県全域の市町村での導入実績があります。ソーラーシェアリングの本質は地域振興だといい、再生可能エネルギーと連動した農村経営や地域間交流、遊休農地の有効活用、新規就農者支援など、包括的にサポートを行っているそうです。
環境問題に関心の高い企業と行う事業実績としては、ロンハーマンと協業したソーラーシェアリングなど複数の企業と提携を実施。実現を目指す取り組みとしては、千葉県以外の自治体やプロスポーツチームと提携したプロジェクトなどさまざまな案件が進行中です。
また、提携企業の農業参入へのサポートもしており、営農支援や行政との調整、社員への環境教育など、太陽光発電でエネルギーを生み出しながら農業を学ぶことで、企業に「RE100」を浸透させる一つの施策になると考えています。
農村型太陽光発電の仕組みを活用して「RE100」を実現するプロジェクトとして現在、複数の地方自治体やプロスポーツチームとの連携に向けて協議中です。
(2)都市型太陽光発電(TOKYO OASIS)の実績
「TOKYO OASIS」の具体的な成果物としては、東京都・渋谷区神宮前にあるヘアサロン兼カフェヘアサロン「TWIGGY.」のルーフトップ(屋上)に「一列セルシステム」を活用したパーゴラ(日除け棚)の第1号機が導入されています。
パーゴラでは、ハーブや野菜の栽培を行う他、「TWIGGY.」カフェのテーブル席も設置、緑あふれるスペースでランチなどを楽しめるそうです。
今後の成長に向けて
(1)新技術で1キロワット10万円を切る低コスト化を実現
同社はペロブスカイト太陽電池の2025年の実装に向けて、今年中に小規模のテストプラント建設に着手する予定です。新技術を既存のソーラーシェアリングシステムに実装できれば、1キロワットあたり10万円を切る低コスト化を実現できると見ています。
また、企業の環境意識の高まりもあって、自然エネルギーの需要が増加し、世界全体の市場規模は2021年から2027年までの予測期間中、年平均8.2%で成長する見込みだといいます。
「弊社は、高まる需要に合わせて最適なソリューションをそれぞれの顧客に届けたいと考えています」(同社)
(2)エネルギー、食糧、水…発展途上国のさまざまな課題を解決
海外展開の準備も進めており、具体的には、ベトナムの田んぼの上にソーラーシェアリングシステムを設置するための調査や、アフリカの砂漠に同システムを導入するための計画が進行中だといいます。
同社のソーラーシェアリングシステムを活用すれば、砂漠を緑化して電気をつくり、給水プラントを稼働させ、農場を生み出すこともできると見ています。
(出典:FUNDINNO)
「エネルギー問題の解決から食糧問題、水問題など、発展途上国が抱えるさまざまな課題を解決できると考えています。こうした地球規模のニーズにも積極的に応えていくことで、地球環境を再生し、人も動物も自然も、誰もが持続的に暮らせる社会を実現していきたいと考えています」(同社)
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2030年に農村型太陽光発電事業のEPC案件数累計85件を目指す
(出典:FUNDINNO)
株主構成
同社は、以下のエンジェル投資家などより出資を受けています。
・辻井隆行
・西光司
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・フィット <1436> [東証G]
・霞ヶ関キャピタル <3498> [東証G]
・ENECHANGE <4169> [東証G]
・エヌ・ピー・シー <6255> [東証G]
・リニューアブル・ジャパン <9522> [東証G]
・フジプレアム <4237> [東証S]
新株予約権者優待
【基準日】
毎年7月末日
【優待内容】
優待基準日を基準に毎年1回、同社商品を希望する新株予約権者に贈呈する。2023年度は同社が販売しているオリジナルの大豆コーヒー10パックを予定。
【申し込み方法】
同社公式ホームページ内の新株予約権者優待申込フォームより申し込む。
【注意事項】
・優待内容は変更になる場合がある。
・新株予約権者本人に限り、基準日を基準に年に1回利用できる。
発行者・募集情報
■募集新株予約権の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社TERRA
千葉県匝瑳市飯塚1062番地
資本金:5,000,000円(2023年5月10日現在)
発行済株式総数:500株(同)
発行可能株式総数:100,000株
設立日:2021年5月13日
決算日:4月30日
※2023年5月31日を基準日として、7,000,000円の株主割当増資に伴う資本金、発行済株式総数の変更及び取締役4名の選任を実施しており登記申請中。登記完了後の資本金は12,000,000円、発行済株式総数は1,200株となる。
■本新株予約権の発行者の代表者
代表取締役 東光弘
■本新株予約権の数(以下の個数を上限とする)
4,995個
■本新株予約権の払込金額
1個あたり 10,000円
■投資金額のコース及び個数
90,000円コース(9個)
180,000円コース(18個)
270,000円コース(27個)
360,000円コース(36個)
450,000円コース(45個)
900,000円コース(90個)
1,800,000円コース(180個)
2,700,000円コース(270個)
3,600,000円コース(360個)
4,500,000円コース(450個)
5,400,000円コース(540個)
6,300,000円コース(630個)
7,200,000円コース(720個)
8,100,000円コース(810個)
9,000,000円コース(900個)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、450,000円コース(45個)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,000,000円コース(900個)を上限とする。
■申込期間
2023年6月20日~7月4日
■目標募集額
9,990,000円(上限募集額 49,950,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は39,600,000円とする。
■払込期日
2023年7月28日
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額999万円を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 387万円
開発費 193万円
システム構築費 197万円
手数料 219万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額3,996万円(目標募集額999万円と上限募集額4,995万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 988万円
開発費 1,064万円
システム構築費 532万円
広告宣伝費 532万円
手数料 879万円
■連絡先
株式会社TERRA
電話番号:03-5927-8718
メールアドレス:office_nishiike@terra.min-ene.com
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
▼<日本&米国で特許取得済み>次世代技術で新たなソーラーシステムを展開。国内外のサスティナビリティ先進企業も認めた「TERRA」
株探ニュース
・ | 新株予約権型 |
・ | 目標募集額:999万円、上限募集額:4995万円 |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | 新株予約権者優待あり:毎年1回、同社商品を希望する新株予約権者に贈呈 |
・ | 類似上場企業:フィット <1436> [東証G]、霞ヶ関キャピタル <3498> [東証G]、ENECHANGE <4169> [東証G]、エヌ・ピー・シー <6255> [東証G]、リニューアブル・ジャパン <9522> [東証G]、フジプレアム <4237> [東証S] |
細型太陽光パネルと架台を一体化した「1列セルシステム」
(出典:FUNDINNO)
TERRAの東光弘代表は20年以上、有機農産物・エコ雑貨の流通を通じて環境問題に取り組み、2014年、ソーラーシェアリングシステム(農地上に太陽光パネルを設置して発電し、農作物と電力を同時生産する営農型太陽光発電システム)を開発する、市民エネルギーちば株式会社を立ち上げました。
以降、同社を中心にさまざまな企業と連携し、創業約9年で累計約20万平方メートル、パネル出力約6000キロワットの設備(年間売上高約1億8000万円)を建設。設備投資のための資金調達額は累計約15億円に上るといいます。
2021年、同システムを全国に展開するためにTERRAを立ち上げ、今後は同社が、市民エネルギーちばが独自開発した太陽光発電装置「1列セルシステム」を活用した、より環境負荷の少ない低コストのソーラーシェアリングシステムを全国・海外に提供していく計画です。
TERRAが活用するソーラーシェアリングシステム「1列セルシステム」は、細型の太陽光パネルと架台を一体化したもので、軽量ながらゆがみに強い特長があるため、従来の太陽光発電設備では設置できなかった農地やビルの屋上などにも立体的に設置することができるといいます。
同社は主に以下の3つの事業でマネタイズを行っています。(1)「1列セルシステム」を活用したソーラーシェアリングによる電力販売及び農業事業(2)同システムを活用した発電所を各地に建設するEPC(設備の設計や調達、建設などを一括して行うこと)事業(3)太陽光パネルの開発・販売です。
同社は2020年、アウトドアブランドのパタゴニア・インターナショナル・インク(パタゴニア日本支社)と包括的業務提携を締結。また、複数の企業や自治体、プロスポーツチームなどとの提携に向けた商談が進んでいる他、次世代の太陽光パネルとして注目されている「ペロブスカイト太陽電池」の開発も大手化学メーカーと実施しており、2025年の実用化を目指しています。ソーラーシェアリングと同太陽電池の組み合わせに関するコア技術は、同社関連会社が日米で特許取得済みです。
発電・流通・建設・保守や、農業を含めた用地活用まで総合的にプロデュースでき、エネルギー事業に関して、地域おこしも含めて包括的な提案ができる点が同社の強みだといいます。同技術を国内に展開していくと同時に、ベトナムやアフリカへの展開も計画しており、砂漠化やエネルギー問題などを抱える発展途上国の課題解決にも取り組んでいきたい考えです。
匝瑳(そうさ)市で実現した営農型ソーラーシェアリングでは農地に太陽光発電設備を設置し、農作物の生育による炭素吸収と太陽光発電による炭素排出削減を実現。また、有機栽培や不耕起栽培(畑を耕さずに作物を育てる農法)を取り入れることで低炭素型の農業を実現し、トータルで環境保全に貢献するシステムを提供したいといいます。
この仕組みでは、売電収入の一部を地域に還元しており、農地の地代を農家に支払い、設備の固定資産税を自治体に納める他、耕作委託金や地域基金として拠出することで地域振興に貢献しているといいます。「日本では耕作放棄地の増加と農家の減少が深刻な問題です。私たちは売電収入を含め、農業を持続可能な形に再設計することの重要性を認識しています」(同社)。
再生可能エネルギーへの需要が高まる中、同社は都市型太陽光発電システム「TOKYO OASIS」を個人宅や高層ビル、駐車場や公園などの共用スペースに設置し、自家消費を支援しています。また、「オフサイトPPA」という仕組みを通じて、農村地域の営農型ソーラーシェアリングから、不足する電力を供給することもできるといい、これにより、農村地域との関係を深め、生産物の活用や農業体験・学習を促進しているそうです。
「匝瑳市での成功を踏まえ、私たちはこの仕組みを日本全国、そして、現地ニーズに応じる形で海外にも広げることを目指しています。有機栽培・不耕起栽培をベースとした営農型ソーラーシェアリングを広げていくことで、地球の脱炭素化を加速させることに貢献できると信じています」(同社)
従来型再生可能エネルギーが提起した課題に挑む
同社は"本当の意味で"地球環境にやさしい再生可能エネルギーの普及を目指すとともに、再生可能エネルギーの活用により、日本の地方と都市部とのネットワークを構築し、あらゆる企業や行政、個人を巻き込んでいきたい考えです。
同社によると、地球温暖化の解決策として、世界では化石燃料に頼らない太陽光発電などの再生可能エネルギーの普及が進んでおり、近年、事業運営に必要なエネルギーを100%、再生可能エネルギーで賄うことを目標とする「RE100」を掲げる企業が増えているといいます。
(出典:FUNDINNO)
一方で、再生可能エネルギー普及が必ずしも地球環境に良いわけではなく、例えば、日本の地方、特に人口減少が激しい農村地域での大規模な太陽光発電施設建設による土砂流出など、周辺環境の破壊や景観破壊による環境資源の喪失などが考えられるそうです。
土地が切り開かれ、コンクリートで埋め立てられた山林や田畑が元の豊かな自然環境に戻ることはなく、日本のみならず世界中で同様のことが起きていることから、従来の太陽光発電のあり方に疑問を抱く人や企業が増えており、行政の規制なども年々厳しくなっているといいます。
また、日本の都市ビルの多くはまだ、太陽光発電の設備が普及していないといい、特に古い都市ビルの屋上は配管がむき出しだったり、室外機があったりして、従来の太陽光発電施設が設置しにくいのが理由だと同社は見ています。
「弊社は、これら農村地域及び都市部における従来型の再生可能エネルギーの課題に対して、軽量で低コストな次世代太陽光発電システムを各地方に展開することで、電力を求める企業とそれぞれの発電所をマッチングし、エネルギーが安定供給される循環型の社会の構築に貢献したいと考えています」(同社)
(出典:FUNDINNO)
「1列セルシステム」を農村部と都市部へ
同社は、土地ごとの自然環境を重視し、より環境負荷が少なく、低コストで導入できるソーラーシェアリングシステム「1列セルシステム」を日本の農村地域と都市部に提供していく予定です。
同システムは独自開発の細型の太陽光パネルと架台を一体化した装置で、パネルとパネルの間に間隔を設け、太陽光を過度に遮ることなく有効活用できる仕組みです。
(出典:FUNDINNO)
同システムは軽量で雨風や雪に強いため、従来の太陽光発電設備では設置が難しかった、入り組んだビルの屋上や既存の農場などにも設置でき、これにより、自然環境を壊すことなく、遊休空間で電力を発電しながら、パネルの下を緑化させることもできるといいます。
(出典:FUNDINNO)
同システムは、東代表が2014年に匝瑳市で設立した、市民エネルギーちば株式会社の技術を活用しています。
(1)農村型太陽光発電(新農村プロジェクト)
農村型太陽光発電設備は、農地の上に設置し、農作物を育てながらエネルギーを生み出すことができます。パネルとパネルの間に間隔があるため、農地の上にまたがるように設置しても太陽光を採り入れることができ、設置の仕方によっては、農作物により最適な環境をつくりながら、エネルギーを生み出すことができるそうです。
(出典:FUNDINNO)
また、同社は電力の「オフサイトPPA」にも対応しています。オフサイトPPAとは、遠隔地にある発電所から、電力を必要とする需要地まで電力を供給する契約のことで、これにより、農村地域で生産されたエネルギーを都市部の企業などに提供できるそうです。
(出典:FUNDINNO)
(2)都市型太陽光発電(TOKYO OASIS)
都市部に対しては都市型太陽光発電設備「TOKYO OASIS」を展開していく計画です。「1列セルシステム」はコンパクトな上、立体的な設置ができるため、ビル屋上の配管や室外機などに影響されることが少ないといい、従来では設置が困難だった古いビルの屋上でも設置できるようになるとしています。室外機を囲うように設置すれば、温度上昇を抑え、省エネにもつながるそうです。
(出典:FUNDINNO)
また、軽量かつ、風や地震、積雪などに強い高剛性な特長により、常に強風が吹くような高層ビルの屋上や多くの積雪が予測される地域でも設置できるといいます。また、コンパクトな見た目から、ビルの屋上だけでなく公園の日除棚としても活用できるそうです。
「弊社は農村地域や都市部それぞれの環境に合わせたソーラーシェアリングシステムを全国各地に提供し、従来とは異なる新たな再生可能エネルギーの普及を目指しています」(同社)
次世代太陽光発電「ペロブスカイト太陽電池」の開発も
同社の「一列セルシステム」のコア技術については、開発元である市民エネルギーちば株式会社で特許を取得しており、TERRAは特許の利用に関する特許独占使用契約を締結、「TOKYO OASIS」に関しては新規特許取得に向け、2つの仕組みを申請準備中です。
また、同社は、次世代の太陽光発電技術「ペロブスカイト太陽電池」の開発にも取り組んでいます。
ペロブスカイト太陽電池とは、チタンを用いた太陽光発電で、材料の塗布や印刷技術だけで量産できるため、さらなる低コスト化が期待できる新技術だといい、従来のシリコン太陽電池よりも軽い上に雨や風などにも強く、シリコン太陽電池では対応できなかった場所に設置できるそうです。2024年にテストプランを完成させ、2025年の実用化を目指しています。
(出典:FUNDINNO)
同社は自社発電による電力販売事業、発電所を建設するEPC事業、太陽光パネルの開発・販売の3つでマネタイズを行っています。
(出典:FUNDINNO)
同社で発電した電力は大手を含む国内企業4社に販売。EPC事業については、地域の行政と連携しながら、各地の耕作放棄地に農地と発電所(オフサイトPPA)を合わせた次世代農業を構築していく計画です。
太陽光パネルの部品販売については、売電事業やEPC事業の拡大に伴って売上高も伸ばしていくとしています。オリジナル部品の開発が進むことで原価が下がり、売電事業やEPC事業の利益が増していくビジネスモデルです。
現状は売電事業とEPC事業が主な収益ですが、発電から流通、建設、用地の活用にいたるまで総合的にプロデュースできる点が自社の強みだとしています。
提携・協業先も拡大しており、農村型・都市型太陽光発電いずれも、すでにさまざまな実績があるといいます。
(1)農村型太陽光発電(新農村プロジェクト)の実績
匝瑳市を中心に千葉県全域の市町村での導入実績があります。ソーラーシェアリングの本質は地域振興だといい、再生可能エネルギーと連動した農村経営や地域間交流、遊休農地の有効活用、新規就農者支援など、包括的にサポートを行っているそうです。
環境問題に関心の高い企業と行う事業実績としては、ロンハーマンと協業したソーラーシェアリングなど複数の企業と提携を実施。実現を目指す取り組みとしては、千葉県以外の自治体やプロスポーツチームと提携したプロジェクトなどさまざまな案件が進行中です。
また、提携企業の農業参入へのサポートもしており、営農支援や行政との調整、社員への環境教育など、太陽光発電でエネルギーを生み出しながら農業を学ぶことで、企業に「RE100」を浸透させる一つの施策になると考えています。
農村型太陽光発電の仕組みを活用して「RE100」を実現するプロジェクトとして現在、複数の地方自治体やプロスポーツチームとの連携に向けて協議中です。
(2)都市型太陽光発電(TOKYO OASIS)の実績
「TOKYO OASIS」の具体的な成果物としては、東京都・渋谷区神宮前にあるヘアサロン兼カフェヘアサロン「TWIGGY.」のルーフトップ(屋上)に「一列セルシステム」を活用したパーゴラ(日除け棚)の第1号機が導入されています。
パーゴラでは、ハーブや野菜の栽培を行う他、「TWIGGY.」カフェのテーブル席も設置、緑あふれるスペースでランチなどを楽しめるそうです。
今後の成長に向けて
(1)新技術で1キロワット10万円を切る低コスト化を実現
同社はペロブスカイト太陽電池の2025年の実装に向けて、今年中に小規模のテストプラント建設に着手する予定です。新技術を既存のソーラーシェアリングシステムに実装できれば、1キロワットあたり10万円を切る低コスト化を実現できると見ています。
また、企業の環境意識の高まりもあって、自然エネルギーの需要が増加し、世界全体の市場規模は2021年から2027年までの予測期間中、年平均8.2%で成長する見込みだといいます。
「弊社は、高まる需要に合わせて最適なソリューションをそれぞれの顧客に届けたいと考えています」(同社)
(2)エネルギー、食糧、水…発展途上国のさまざまな課題を解決
海外展開の準備も進めており、具体的には、ベトナムの田んぼの上にソーラーシェアリングシステムを設置するための調査や、アフリカの砂漠に同システムを導入するための計画が進行中だといいます。
同社のソーラーシェアリングシステムを活用すれば、砂漠を緑化して電気をつくり、給水プラントを稼働させ、農場を生み出すこともできると見ています。
(出典:FUNDINNO)
「エネルギー問題の解決から食糧問題、水問題など、発展途上国が抱えるさまざまな課題を解決できると考えています。こうした地球規模のニーズにも積極的に応えていくことで、地球環境を再生し、人も動物も自然も、誰もが持続的に暮らせる社会を実現していきたいと考えています」(同社)
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2030年に農村型太陽光発電事業のEPC案件数累計85件を目指す
(出典:FUNDINNO)
株主構成
同社は、以下のエンジェル投資家などより出資を受けています。
・辻井隆行
・西光司
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・フィット <1436> [東証G]
・霞ヶ関キャピタル <3498> [東証G]
・ENECHANGE <4169> [東証G]
・エヌ・ピー・シー <6255> [東証G]
・リニューアブル・ジャパン <9522> [東証G]
・フジプレアム <4237> [東証S]
新株予約権者優待
【基準日】
毎年7月末日
【優待内容】
優待基準日を基準に毎年1回、同社商品を希望する新株予約権者に贈呈する。2023年度は同社が販売しているオリジナルの大豆コーヒー10パックを予定。
【申し込み方法】
同社公式ホームページ内の新株予約権者優待申込フォームより申し込む。
【注意事項】
・優待内容は変更になる場合がある。
・新株予約権者本人に限り、基準日を基準に年に1回利用できる。
発行者・募集情報
■募集新株予約権の発行者の商号及び住所、資本金等
株式会社TERRA
千葉県匝瑳市飯塚1062番地
資本金:5,000,000円(2023年5月10日現在)
発行済株式総数:500株(同)
発行可能株式総数:100,000株
設立日:2021年5月13日
決算日:4月30日
※2023年5月31日を基準日として、7,000,000円の株主割当増資に伴う資本金、発行済株式総数の変更及び取締役4名の選任を実施しており登記申請中。登記完了後の資本金は12,000,000円、発行済株式総数は1,200株となる。
■本新株予約権の発行者の代表者
代表取締役 東光弘
■本新株予約権の数(以下の個数を上限とする)
4,995個
■本新株予約権の払込金額
1個あたり 10,000円
■投資金額のコース及び個数
90,000円コース(9個)
180,000円コース(18個)
270,000円コース(27個)
360,000円コース(36個)
450,000円コース(45個)
900,000円コース(90個)
1,800,000円コース(180個)
2,700,000円コース(270個)
3,600,000円コース(360個)
4,500,000円コース(450個)
5,400,000円コース(540個)
6,300,000円コース(630個)
7,200,000円コース(720個)
8,100,000円コース(810個)
9,000,000円コース(900個)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、450,000円コース(45個)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,000,000円コース(900個)を上限とする。
■申込期間
2023年6月20日~7月4日
■目標募集額
9,990,000円(上限募集額 49,950,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は39,600,000円とする。
■払込期日
2023年7月28日
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額999万円を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 387万円
開発費 193万円
システム構築費 197万円
手数料 219万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額3,996万円(目標募集額999万円と上限募集額4,995万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
営業人件費 988万円
開発費 1,064万円
システム構築費 532万円
広告宣伝費 532万円
手数料 879万円
■連絡先
株式会社TERRA
電話番号:03-5927-8718
メールアドレス:office_nishiike@terra.min-ene.com
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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