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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):巴工業、エーザイ、Gセキュリ

巴工業 <日足> 「株探」多機能チャートより
■巴工業 <6309>  2,967円  +500 円 (+20.3%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 巴工業<6309>がストップ高。7日の取引終了後、23年10月期の連結業績予想について、売上高を473億8000万円から484億6000万円(前期比6.3%増)へ、営業利益を29億4000万円から35億9000万円(同8.8%増)へ、純利益を20億4000万円から24億3000万円(同8.6%減)へ上方修正し、あわせて中間・期末各28円の年56円としていた配当予想を中間・期末各40円の年80円にすると発表したことが好感された。機械製造販売事業で一部案件の繰り延べが見込まれる一方、化学工業製品販売事業で機能材関連を中心に好調が見込まれることが売上高・利益を押し上げるとしている。

■エーザイ <4523>  10,305円  +707 円 (+7.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 エーザイ<4523>が急騰。年初来高値を更新し、1万円の大台に乗せた。同社と米バイオジェン<BIIB>が開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」を巡り、米食品医薬品局(FDA)のスタッフ文書で、完全承認を得る可能性が高いことが示されたと米国時間7日に伝わった。これを受けて同日のバイオジェンの株価は上昇。エーザイに対しても、新薬の普及による業績へのポジティブな効果を意識した買いが集まった。両社は日本時間8日、早期アルツハイマー病に関する適応でレカネマブの新薬承認申請を韓国で行ったとも発表している。

■アイル <3854>  3,015円  +191 円 (+6.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位
 アイル<3854>は6日続伸。7日の取引終了後、22年8月~23年4月期(第3四半期累計)決算を発表。営業利益が前年同期比71.0%増の26億3900万円と大幅増益で着地しており、これを好感した買いが集まった。売上高は同23.5%増の116億6200万円だった。前年同期にあった半導体不足に伴う影響の解消をはじめ、ストック売上高の増加やパッケージの機能強化による売上総利益率の向上などが寄与した。なお、通期見通しは据え置いている。

■Gセキュリ <4417>  5,590円  +340 円 (+6.5%)  本日終値
 グローバルセキュリティエキスパート<4417>が急伸。同社は中堅・中小企業を主要顧客にサイバーセキュリティーサービスやセキュリティー人材育成などを手掛ける。業績は20年3月期以降、大幅増収増益トレンドを継続している。7日取引終了後に中期経営計画を発表しており、数値目標としては26年3月期に営業利益22億円(23年3月期実績は7億3600万円)を掲げている。3年間で利益が約3倍化する計画を打ち出したことで、これが株価を強く刺激する格好となっている。

■沖電気工業 <6703>  861円  +38 円 (+4.6%)  本日終値
 沖電気工業<6703>が大陽線で大きく上放れ、連日の年初来高値更新となった。時価は昨年3月下旬以来約1年3か月ぶりの高値圏に浮上している。情報通信システムやEMS(電子機器の受託生産)など幅広く展開するが、防衛省との取引額でも国内企業のなかで上位にあることから、防衛関連としての側面も持っている。独自の音響技術を駆使して潜水艦向けソナーの開発・製造を手掛けており、ここ注目度が高まっている。直近では防衛装備の生産や輸出を支援する新法が前日7日に参院本会議で成立し、今後は防衛予算拡大と並行して日本の防衛産業育成に向けた新たな動きも見込まれる。また、今月3日には日米韓による防衛相会談がシンガポールで行われたが、レーダーなど北朝鮮が発射するミサイルに対する対処力向上のほか、潜水艦を想定した訓練の定例化なども検討され合意したことが報じられた。そのなか同社は関連有力株としてにわかに頭角を現している。

■大阪ソーダ <4046>  4,520円  +150 円 (+3.4%)  本日終値
 大阪ソーダ<4046>は5日続伸。岩井コスモ証券は7日、同社株の投資判断「A」を継続するとともに、目標株価を3600円から5100円に引き上げた。製造設備の不具合の影響で、24年3月期の連結営業利益は前期比35.7%減の100億円の見通しだが、来期以降の業績回復やヘルスケア事業の中期成長に期待している。同社は医薬品精製材料の液体クロマトグラフィー用シリカゲルで世界トップ。シリカゲルは、糖尿病治療薬や肥満治療薬の精製材料として需要が急拡大しており、尼崎工場や松山工場で生産能力の増強を進めている。2030年度にヘルスケア事業の収益を2倍にする計画であることなどが評価されている。

■日本郵船 <9101>  3,096円  +65 円 (+2.1%)  本日終値
 日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が総じて買われる展開。人工知能(AI)関連株などのグロース(成長)株への買いが集中していたが、足もとではバリュー系銘柄へのリターンリバーサルの動きがみられる。海運株はコンテナ船市況の悪化などを背景に調整局面にあったが、目先売り一巡感が台頭。株価指標面では高配当利回りでなおかつPBRが大きく1倍を下回る銘柄が多く、割安感に着目した資金が再び流入している。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的値動きを表すバルチック海運指数については、ここ最近下落基調が続いていたものの、今週に入って底入れ反転の兆しをみせており、海運株を買い戻す動きを誘発したようだ。

■東京精密 <7729>  6,350円  +130 円 (+2.1%)  本日終値
 東京精密<7729>は反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が7日付で投資判断「バイ」を継続し、目標株価を7200円から7700円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。パワー半導体製造用のグラインダやCMP装置、消耗度の激しいSiC加工ツールの拡販や、生成AI普及を牽引するGPU及びメモリ市場拡大に伴うプローバの高付加価値化(高精度温度制御機能搭載など)による今後の成長を考慮。今後は25年3月期以降の業績向上局面を本格的に織り込むことで株価の更なる上昇を予想するとしている。

■かんぽ生命保険 <7181>  2,154円  +21.5 円 (+1.0%)  本日終値
 かんぽ生命保険<7181>が反発した。7日、米投資ファンドKKR<KKR>と同社の傘下にある保険大手のグローバル・アトランティックとの間で、戦略的提携契約を締結したと発表した。提携効果を期待した買いが集まったようだ。かんぽ生命は海外からの収益の取り込みなどを目指す。グローバル・アトランティックが運用する再保険共同投資ビークルへの投資も実行するとしている。

■有沢製作所 <5208>  1,077円  +5 円 (+0.5%)  本日終値
 有沢製作所<5208>が3日ぶりに反発した。7日の取引終了後、ストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)が同社株を買い増したことが明らかになり、思惑視した買いを誘ったようだ。財務省に提出された変更報告書によると、保有比率は7.17%から8.17%に上昇した。報告義務発生日は6月1日。保有目的は「純投資及び状況に応じて重要提案行為等を行うこと」としている。

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