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【注目】前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

アマナ <日足> 「株探」多機能チャートより

■アマナ <2402>  337円 (+80円、+31.1%) ストップ高

 アマナ <2402> [東証G]がストップ高。31日取引終了後、22年12月期の決算を開示した。また、有価証券報告書の提出が確認されたとして、東京証券取引所はアマナ株式について監理銘柄(確認中)の指定解除を発表した。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。同社は従業員による不適切な取引の疑いが判明したとして、昨年12月に特別調査委員会の設置を発表。調査結果を踏まえた決算手続きの完了に時間を要したことから、前期の決算発表が期末日後50日を超えることとなった。前期の売上高は前の期比19.2%減の141億6500万円、最終損益は25億100万円の赤字(前の期は2200万円の赤字)だった。一部クライアントからの受注の停滞と、一部案件の売り上げの計上が今期に変更になったことが響いたほか、営業外費用や事業供与資産に関する減損損失の計上もあって、計画を下振れて着地した。23年12月期の売上高は前期比7.2%減の131億5000万円、最終損益は10億6000万円の赤字を見込む。

■メディアS <4824>  372円 (+75円、+25.3%) 一時ストップ高

 メディアシーク <4824> [東証G]が3日続急騰、一時ストップ高。31日の取引終了後、ソフトバンク <9434> [東証P]のグループ会社であるSBペイメントサービスとキャッチボール(東京都品川区)とともに、継続課金(サブスク)のクレジットカード決済に関する新たなサービスを開始したと発表しており、材料視されたようだ。サブスクの利用が拡大するなか、事業者は代金未回収のリスクへの対応や、催促業務の効率化に迫られており、新サービスの提供で課題解決につなげる。新サービス「エスコレ」は、不動産や介護、冠婚葬祭関連やスポーツジムといった幅広い事業者での活用が見込まれるという。継続課金サービスの管理に必要な顧客情報の更新や請求・売上管理を管理サイトで一元化する。クレジットカードの決済ができなくなった場合は、自動で後払い契約に移行させる機能も実装する予定。サブスク代金の回収漏れの防止につなげる。

■エコシステム <9249>  1,920円 (+308円、+19.1%) 一時ストップ高

 日本エコシステム <9249> [東証S]が続急騰。一時ストップ高となり年初来高値を更新。31日の取引終了後、同社が開発した原油スラッジに向けた処理剤・処理方法・処理剤キットに関する特許について、米国特許庁に登録されたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。原油タンクやタンカー船槽の底に蓄積する沈殿物を総称した原油スラッジについて、低コストで油分を安全に分解し、廃棄物の大幅な削減につなげるもの。生成スラッジの回収と再利用も可能となるという。日本では2022年1月に特許庁に登録されているとしている。

■ジィ・シィ <4073>  627円 (+100円、+19.0%) ストップ高

 ジィ・シィ企画 <4073> [東証G]がストップ高。同社は1日午前11時45分ごろ、取引先から大型案件を受注したと発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。受注したのはキャッシュレス決済システムのリプレイスで、受注金額は2億1400万円。売上計上の予定時期は24年6月期だとしている。

■菱洋エレク <8068>  3,180円 (+501円、+18.7%) ストップ高

 東証プライムの上昇率トップ。菱洋エレクトロ <8068> [東証P]がストップ高。3000円の大台に乗せて年初来高値を更新した。31日の取引終了後、24年1月期第1四半期(2-4月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想の上方修正を発表した。売上高は1200億円から1280億円(前期比1.5%減)、最終利益は55億円から75億円(同2.5倍)に見通しを引き上げた。また、これまで120円としていた年間配当予想は40円増額し、前期比50円増配の160円に見直した。これらを好感した買いが集まったようだ。ICT・ソリューション分野が堅調に推移した2-4月期の業績を通期の予想に反映した。更に、リョーサン <8140> [東証P]が持ち分法適用関連会社となったことに伴う負ののれん発生益が暫定値を上回る見込みとなったことも寄与する。2-4月期の売上高は前年同期比4.8%増の325億8600万円、最終利益は同5.9倍の49億2300万円だった。

■ゼネテック <4492>  954円 (+150円、+18.7%) ストップ高

 ゼネテック <4492> [東証S]がストップ高。デジタルソリューションを展開するが、業績は今期急回復が見込まれている。そうしたなか、5月31日取引終了後に26年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定したことを発表、数値目標としては26年3月期に売上高118億円(前期実績58億6400万円)、営業利益23億円(同1億500万円)を掲げており、これがサプライズとなった。株価は5月19日に993円の戻り高値形成後、調整局面に入っていたが、ここ数日は売り圧力が一巡し800円近辺のもみ合いにあった。小型株で値動きも軽く、1日は上値を見込んだ投資資金が一気に流れ込む格好となった。

■はてな <3930>  954円 (+150円、+18.7%) ストップ高

 はてな <3930> [東証G]がストップ高。31日の取引終了後、23年7月期の単体業績予想の修正を発表した。最終利益はこれまでの9400万円から1億4500万円(前期比39.3%減)に見通しを引き上げた。同時に、取得総数6万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.02%)、取得総額6000万円を上限とする自社株買いの実施も発表しており、好感されたようだ。テクノロジーソリューションサービスにおいて、受託サービスの受注活動が好調に推移した。大型のマンガアプリサービスの開発も順調という。また、業務委託などの外注費や広告宣伝費が予想を下回る見込みとなり、業績予想に反映させた。自社株の取得期間は6月1日から8月31日まで。23年7月期第3四半期累計(22年8月-23年4月)の決算は、売上高が前年同期比1.9%増の23億3900万円、最終利益が同53.0%減の8300万円だった。

■サイステップ <3810>  545円 (+80円、+17.2%) ストップ高

 サイバーステップ <3810> [東証S]がストップ高。同社は1日、主力サービスであるクレーンゲームアプリ「トレバ」の中国進出に向け、同国でマーケティングやコミュニティ運営などの実績があるACD(東京都港区)と業務提携したと発表。同社は中国向けクレーンゲームアプリ配信について年内を計画しており、同市場に適した開発、カスタマイズをACDとともに行い、同市場の開拓を進めるとしている。

■和弘食品 <2813>  7,180円 (+1,000円、+16.2%) ストップ高

 和弘食品 <2813> [東証S]がストップ高。1日、9月30日(実質的に同月29日)を基準日とし、10月1日付で1株を3株に分割すると発表し、株価の支援材料となった。投資家層の拡大と株式の流動性向上が目的。これに伴い、株主優待制度の対象となる株式数も変更するが、株式分割後に保有株式数が100株以上200株未満となる株主を対象とした優待の導入も別途、検討するとしており、確定次第公表するという。

■多摩川HD <6838>  737円 (+100円、+15.7%) ストップ高

 多摩川ホールディングス <6838> [東証S]がストップ高。1日、子会社の多摩川電子が新規の顧客から半導体試験装置を受注したと発表。これが材料視されたようだ。受注したのは次世代通信機器に使われるマイクロ波半導体の信頼性試験用バーンイン試験装置。半導体に対し、通常よりも温度や電圧、電流で高い負荷を掛けた状態にし、部品寿命を加速させることで、潜在的な不良や初期不良を検出する試験を行う装置だという。半導体製造プロセスの後工程で使用されるものとなるが、同社は成膜装置や露光装置など前工程で使用される半導体製造装置向けでも、マイクロ波技術を活用した製品の提案と供給を続けており、大手メーカーからの引き合いや受注が増加しているとしている。

■新光電工 <6967>  5,540円 (+560円、+11.2%) 一時ストップ高

 東証プライムの上昇率2位。新光電気工業 <6967> [東証P]が3日ぶりに急反騰。一時ストップ高となり年初来高値を更新。1日、富士通 <6702> [東証P]が保有株の売却を目指す新光電工に関し、米投資ファンドのKKRやベイン・キャピタルのほか、産業革新投資機構、大日本印刷 <7912> [東証P]などが応札に関心を示していると一部で伝わった。売却時に株価に上乗せされるプレミアムを期待した投資家の買いが集まったようだ。報道によると、富士通は新光電工の株式を全て売却する方向で、すでに財務アドバイザーを指名したという。交渉は初期段階であるとしつつ、富士通は全保有株を売却する選択肢のほか、TOB(株式公開買い付け)による発行済み株式の全ての取得を含めた提案を受け付ける方向で調整しているとしている。

■Tホライゾン <6629>  509円 (+46円、+9.9%) 一時ストップ高

 テクノホライゾン <6629> [東証S]が急反発、一時ストップ高となった。5月31日の取引終了後、子会社アポロ精工が次世代のレーザー自動はんだ付けロボット「J-CAT STAR GATE」、IH自動はんだ付けロボット「J-CAT WAVE」をそれぞれ発売すると発表。このほか、航空機整備現場へのウェアラブルカメラ導入協力を発表しており、これら複数の材料を手掛かりに物色が活発化している。子会社による2製品の発売は6月から。ウェアラブルカメラの導入協力については、航空機整備会社MRO Japan(沖縄県那覇市)が推進する航空機整備の デジタルトランスフォーメーション(DX)の協力会社として製品提供を行った。

■ブレインP <3655>  834円 (+67円、+8.7%)

 東証プライムの上昇率4位。ブレインパッド <3655> [東証P]が4日続急伸、株価は一昨年11月に2393円(分割修正後株価)の高値形成後は長期下降トレンドで、今年3月には600円の安値を形成した。しかし、5月下旬以降は急速に上値を指向し大勢底入れの動きをみせている。人工知能(AI)技術を活用したコンサルティング業務を展開する。東京市場でもここAI関連に位置付けられる銘柄が相次いで動意しているが、同社はその関連有力株に位置付けられている。米国株市場ではエヌビディア <NVDA> が急上昇し時価総額が一時1兆ドルの大台に乗せるなど話題となった。エヌビディアは画像処理半導体大手でAI分野にも精通しており、これまで多くの日本企業とも連携をとっている。市場では「ブレインパッドはエヌビディアと開発支援分野でパートナー企業契約を結んだ実績があり、思惑買いが向かっている」(中堅証券ストラテジスト)としている。

■日本ラッド <4736>  720円 (+57円、+8.6%)

 日本ラッド <4736> [東証S]が急反発。700円台乗せは21年5月下旬以来約2年ぶり。独立系システムインテグレータで「IT分野における顧客企業のホームドクター」を標榜し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資需要を捉えている。エンタープライズソリューション事業では金融や製造、物流と多方面に展開、銀行向けリスク管理やメーカー向け生産管理システムなどのほか、物流では自動倉庫の入出制御などさまざまなビジネスシーンで同社のシステムが採用されている。データ、画像解析に必要なAIソリューションも得意とし、AI開発に必要な機能をワンストップで提供できる強みを顧客獲得に生かしている。業績も急回復期に入っており、24年3月期は営業74%増益を見込んでいる。

■ライフネット <7157>  966円 (+76円、+8.5%)

 ライフネット生命保険 <7157> [東証G]が急伸。香港投資ファンドのオアシス・マネジメントが5月31日付で財務省に提出した大量保有報告書で、ライフネット株の保有割合が6.50%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入った。保有目的はポートフォリオ投資と重要提案行為で、株主価値を守るため重要提案行為を行うことがあるとしている。報告義務発生日は5月24日。

※1日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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