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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 目先達成感からショートは入りやすいが、適度に過熱を抑えながら上昇トレンドを形成


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 30820 -80 (-0.25%)
TOPIX先物 2161.5 -4.0 (-0.18%)
シカゴ日経平均先物 30855 -45
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 19日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。米債務交渉については、バイデン米政権と共和党の協議が難航していると伝わった。前日まで交渉の進展を期待した買いが入っていたこともあり、反動安の展開となった。また、イエレン米財務長官が、さらなる銀行合併が必要になるかもしれないと、大手銀行の経営者に対して伝えたと報じられ、銀行株が売られたことも重荷となった。

 一方で、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、銀行破綻の影響によって金利を引き上げる必要がなくなる可能性があるとの認識を示し、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率が低下したことで、景気が冷え込むとの見方が和らぎ、下支えとなった。S&P500業種別指数は自動車・同部品、医薬品・バイオテクノロジー、エネルギーが上昇した半面、耐久消費財・アパレル、小売、半導体・同製造装置が下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比45円安の3万855円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円高の3万910円で始まり、一時3万980円まで買われた。その後は3万850円~3万950円辺りで保ち合い、米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、3万670円まで売られる場面も見られた。ただし、終盤にかけてショートカバーが強まり、3万820円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の展開になりそうだ。前週末まで6営業日続伸で1800円あまり上昇し、2021年2月に付けた3万720円を上放れ、日経平均株価はバブル後の高値を更新したこともあり、目先的な達成感と過熱感が警戒されやすく、ショートは入りやすくなろう。

 ただし、ポジションをショートに傾けるのは避けたい。テクニカル面ではボリンジャーバンドの+2σを突破し、+2σと+3σの切り上がりに沿ったトレンドを継続している。+3σは3万1420円辺りまで切り上がってきており、+2σは3万660円辺りに上昇。ナイトセッションでは+2σまでの調整を見せるなど、適度に過熱を抑えらながら上昇トレンドを形成している。そのため、押し目狙いのスタンスで対応したいところだ。オプション権利行使価格の3万500円~3万1500円辺りでのレンジを想定する。

 VIX指数は16.81に上昇したが、緩やかに切り下がる25日移動平均線に上値を抑えられる形状であり、ボトム水準での推移を継続。米国では債務上限問題や金融引き締め長期化への警戒、地銀の金融システム不安が燻るなか、引き続き落ち着いていることが窺える。今週は4月の個人消費支出(PCEデフレーター)などの発表を控え神経質になりそうだが、20.00を超えてくるまではリスク回避姿勢は強まらないだろう。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で14.26倍に上昇した。15日に14.09倍辺りに位置していた200日線を捉え、18日には一時14.20倍まで上昇し、昨年12月半ば以来の水準に切り上がった。急ピッチの上昇に対する反動からNTロングのリバランスは入りそうだが、日経平均型優位の状況は継続すると考えられ、低下する場面ではNTロングでのスプレッド狙いと考えられる。

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