【市況】17日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は大幅反発、債務不履行回避の期待高まる
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:米国株式市場は大幅反発、債務不履行回避の期待高まる
ダウ平均は408.63ドル高の33,420.77ドル、ナスダックは157.51ポイント高の12,500.57で取引を終了した。
地銀セクターの回復を好感し上昇して始まった。4月住宅着工件数の増加を受けて景気後退懸念が緩和したことも相場を押し上げた。また、バイデン大統領とマッカーシー下院議長が債務不履行回避を確信していると発言すると投資家心理が改善、買い戻しに拍車がかかり、終盤にかけて上げ幅を拡大した。セクター別では銀行や自動車・自動車部品が上昇した一方で、公益事業が小幅安となった。
地銀のウェスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)は預金が前四半期末から約20億ドル増えたとの発表を受け、同行の健全性への懸念が後退し上昇。同業のコメリカ(CMA)やザイオンズ・バンコーポレーション(ZION)も上昇。ディスカウント小売りのターゲット(TGT)は第1四半期決算で内容が予想を上回ったほか、通期見通しを引き上げたことが好感され買われた。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)は16日に開催した年次株主総会で、年後半にもサイバートラックの納車を開始する可能性に言及したほか、マスク最高経営責任者(CEO)が今後12カ月間の景気鈍化を想定しているものの同社は長期的に持ちこたえられると強気の見方を示し、上昇した。カジノ運営のウィン・リゾーツ(WYNN)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。
一方で、バイオのアムジェン(AMGN)は連邦取引委員会(FTC)が同社の同業ホライズン・セラピューティクス(HZNP)買収計画の阻止を目指し連邦地裁に訴訟を起こしたことを嫌った売りが継続。
ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(CSCO)は取引終了後に四半期決算を発表。調整後の1株利益が予想を上回ったほか、次期四半期の見通しも引き上げ、時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米債務不履行回避や成長継続への期待でドル続伸
17日のニューヨーク外為市場でドル・円は、136円91銭から137円71銭まで上昇し、137円70銭で引けた。米4月住宅着工件数が前月から増加しため成長への悲観的見方が後退し、金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。また、米大統領と下院議長が債務不履行回避に自信を表明したほか、地銀への懸念も後退したためリスク選好の円売りも加速。
ユーロ・ドルは、1.0810ドルまで下落後、1.0849ドルまで上昇し、1.0837ドルで引けた。ユーロ・円は148円25銭から149円24銭まで上昇。ポンド・ドルは、1.2444ドルから1.2510ドルまで上昇。英中銀のベイリー総裁が賃金スパイラルでインフレ根強い恐れがあると、引き締め継続の必要性を示唆したためポンド買いが強まった。ドル・スイスは0.9026フランまで上昇後、0.8978フランまで下落した。
■NY原油:反発で72.83ドル、連邦債務上限引き上げへの期待高まる
NY原油先物6月限は反発(NYMEX原油6月限終値:72.83 ↑1.97)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は、前営業日比+1.97ドルの72.83ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは70.04ドル-73.26ドル。アジア市場で70.04ドルまで売られたが、株高を意識した買いが入ったことで米国市場の後半にかけて73.26ドルまで一段高となった。バイデン米大統領は17日、連邦債務上限問題を巡って共和党との間で合意が成立すると確信していると述べたことが材料視されたようだ。通常取引終了後の時間外取引では主に72ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.57ドル +1.21ドル(+4.42%)
モルガン・スタンレー(MS) 83.91ドル +2.05ドル(+2.50%)
ゴールドマン・サックス(GS)330.18ドル +9.37ドル(+2.92%)
インテル(INTC) 28.87ドル -0.35ドル(-1.20%)
アップル(AAPL) 172.69ドル +0.62ドル(+0.36%)
アルファベット(GOOG) 121.48ドル +1.39ドル(+1.16%)
メタ(META) 242.49ドル +3.67ドル(+1.53%)
キャタピラー(CAT) 212.10ドル +4.90ドル(+2.36%)
アルコア(AA) 36.74ドル +0.64ドル(+1.77%)
ウォルマート(WMT) 149.53ドル -0.25ドル(-0.17%)
《ST》
提供:フィスコ