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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 引き続き2万9000円での底固めを意識しつつ押し目狙いのロング対応


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 29040 +90 (+0.31%)
TOPIX先物 2078.0 +7.0 (+0.33%)
シカゴ日経平均先物 29050 +100
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 8日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500ナスダックは上昇。パックウェスト・バンコープ<PACW>やウエスタン・アライアンス・バンコーポレーション<WAL>など米地銀株が買われるなか、買い先行で始まった。その後、米連邦準備理事会(FRB)が発表した1-3月期の上級融資担当者調査で、米銀行の融資基準が厳格化されていることが分かり、米景気の冷え込みにつながるとの懸念が重荷となった。

 また、米上院共和党のマコネル院内総務が、米連邦債務上限問題でバイデン大統領を助けるつもりはないと述べたことで、デフォルト(債務不履行)への警戒も高まった。地銀株の上昇のほか、米消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることから下値は限られたが、不安定な相場展開だった。S&P500業種別指数はメディア、自動車・同部品、保険が上昇した半面、不動産、ソフトウエア・サービス、資本財が下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比100円高の2万9050円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比40円高の2万8990円で始まり、その後は緩やかに上昇し、2万9060円まで買われた。米国市場の取引開始後に一時2万8950円まで軟化する場面も見られたが、売り一巡後は2万8950円~2万9060円での保ち合いを継続。狭いレンジでの推移とはなったが、2万9040円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢の展開になりそうだ。米地銀株への買い戻しが継続したことは安心感につながるだろう。ただし、米連邦債務上限問題に対する警戒感のほか、米CPIなど重要なインフレ指標の発表を控えていることもあり、積極的な売買は手控えられそうだ。引き続き2万9000円での底固めを意識しつつ押し目狙いのロング対応となるものの、上値追いは慎重にさせよう。そのため、オプション権利行使価格の2万9000円を中心とした上下の権利行使価格である2万8875円~2万9125円のレンジを想定。2万9000円を上回って推移が続くようだと、2万9000円~2万9250円処が意識されそうだ。

 VIX指数は16.98に低下した。一時17.88まで上昇する場面も見られたが、前週末に割り込んだ25日移動平均線に上値を抑えられる格好だった。神経質な相場ながら、VIX指数はボトム圏での推移を見せているため、ショートは仕掛けづらくなるだろう。また、米国でアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>やエヌビディア<NVDA>など半導体株の一角が買われているほか、アルファベット<GOOG>など大型テック株の一角が堅調だったことも、日経平均型の下支えになる。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.97倍に低下した。25日移動平均線が位置する14.01倍を下回り、4月以降の保ち合い水準の下限に到達した。米地銀株上昇の流れからNTショートは入りやすいものの、いったんはNTショートの巻き戻しが入りやすいだろう。また、もう一段の低下を見せてきたとしても、75日線が位置する13.92倍辺りではリバランスを想定しておきたい。

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