【市況】NY株式:米国株式市場はまちまち、債務不履行リスクが重し
NASDAQ <日足> 「株探」多機能チャートより
ダウ平均は55.69ドル安の33,618.69ドル、ナスダックは21.50ポイント高の12,256.92で取引を終了した。
地銀セクターの回復で金融不安が緩和したため、寄り付き後、上昇。その後、連邦政府の債務不履行リスクを警戒した売りに押され下落に転じた。さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)銀行融資担当者調査で融資基準が一段と厳格化されたことやビジネス融資需要の弱さが証明されると、売り圧力がさらに強まり下落幅を拡大。一方、今週予定されている消費者物価指数(CPI)などの重要インフレ指標発表を控え下値も限定的となり、終盤にかけて下げ幅を縮小した。ナスダック総合指数はプラス圏を回復し、まちまちで終了。セクター別ではメディア・娯楽や保険が上昇した一方で、不動産、医薬品バイオテクが下落した。
地銀のパックウエスト(PACW)は金融混乱を受けて四半期減配を発表したものの、資本増強に向けた理に適う措置との見方が広がると同時に、ビジネスは堅調であることを強調したことが好感され、上昇。同業のウエスタン・アライアンス・バンコープ(WAL)やザイオンズ・バンコーポレーション(ZION)も株価が著しく過小評価されているとしアナリストの投資判断引上げを受けた買いが継続した。著名投資家バフェット氏が運営する保険のバークシャー・ハサウエイ(BRK)は保険業の回復がけん引し第1四半期決算で営業利益12.6%増を発表し上昇。テーマパーク運営会社のシックス・フラッグス・エンターテインメント(SIX)は四半期決算で値上げが奏功し1株損失が予想程には拡大しなかったほか、入園者数が予想を上回ったことで上昇。一方、肉食品メーカーのタイソンフーズ(TSN)は四半期決算で予想外に損失を計上、さらに通期の売り上げ見通しを引き下げ、大幅安となった。
イエレン財務長官は、もし、債務不履行に陥った場合、金融市場は混乱に陥ると警告した。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》
提供:フィスコ