【市況】米国株式市場見通し:雇用統計に注目、新四半期入りでニューマネーに期待
次回5月連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策決定の鍵を握る最新の雇用統計が週末に発表される予定で注目だ。中堅銀行2行の破たんは、当局の支援によりいったん鎮静化した。しかし、最終的に信用危機につながるかどうかは現時点ではまだ定かではなく、依然注視が必要だ。
金融混乱を受けて、FRBはピーク金利を5.25%付近と見ている。高インフレの改善ペースが想定通りに進まないことから、一時は5.75%から6%付近まで金利が上昇する可能性も予想されていた。しかし、金融混乱が0.50ポイント利上げに相当すると考えられているようだ。FRBの高官は、年内あと1回の利上げを支持する姿勢を見せている。雇用統計が想定通り20万前後の雇用者数増にとどまれば、あと1回の利上げを正当化することになりそうだ。同時に、利上げ停止が視野に入ることは相場の支援材料になるだろう。
また、新四半期入りで新たな投資が相場を支える可能性も期待される。一般的に4月は年を通じて季節的に上昇する月と見られている。税還付金などの新たな資金が今月から株式市場に流入し始めるとの思惑が相場を支えるだろう。同時に、ユダヤ教の祭日や復活祭前のグッドフライデーの祭日で参加者が限られるため、底堅いながらももみ合い相場になりそうだ。
なお、7日はグッドフライデーの祭日で株式市場は休場となる。
経済指標では、3月S&P製造業PMI、3月ISM製造業景況指数(3日)、2月製造業受注、2月JOLTS求人件数、2月耐久財受注(4日)、3月ADP雇用統計、2月貿易収支、S&Pサービス業PMI、3月ISM非製造業景況指数(5日)、週次新規失業保険申請件数(6日)、3月雇用統計(7日)、などが予定されている。
主要企業決算では、加工食品メーカーのコングラ・ブランズ(5日)、飲料会社のコンステレーション・ブランズ、衣料品メーカーのリーバイス・ストラウス(6日)、などが予定されている。高インフレでコストが上昇する一方、景気後退を警戒した消費の鈍化も予想され、食品や衣料関連の決算には注意が必要だ。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ