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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ファーマF、日産自、富士電機

ファーマF <日足> 「株探」多機能チャートより
■ファーマフーズ <2929>  1,420円  -164 円 (-10.4%)  本日終値  東証プライム 下落率トップ
 ファーマフーズ<2929>は急反落。7日の取引終了後に23年7月期上期(22年8月~23年1月)の決算を発表。営業損益が前年同期の黒字から8億8300万円の赤字に転落しており、これを嫌気した売りが出た。研究開発投資や広告投資に注力したことが要因。「ニューモ育毛剤」などを手掛ける主力のBtoC事業で広告投資の成果が着実に利益創出につながっており、四半期ベースで直近四半期(11月~1月)は黒字を計上している。上期の売上高は前年同期比21.9%増の351億4300万円で着地し、引き続き増収トレンドを維持した。なお、通期の増収・営業増益見通しは据え置いている。あわせて、清涼飲料や果汁飲料、乳飲料などを製造するエルビー(埼玉県蓮田市)との資本・業務提携を発表した。飲料の共同開発などを行っていく。

■日産自動車 <7201>  545.7円  -20 円 (-3.5%)  本日終値  東証プライム 下落率10位
 日産自動車<7201>が軟調。格付け会社のS&Pグローバル・レーティングが7日、日産自の長期発行体格付けを「トリプルBマイナス」から1段階引き下げ、「ダブルBプラス」としたと発表した。格付けが投機的水準まで引き下げられたことを嫌気した売りが優勢となったようだ。S&Pグローバル・レーティングは、サプライチェーンの混乱やコスト高に加え、世界的な景気減速や金利上昇が加わり、自動車業界の事業環境は今後1~2年も厳しい状況が続く可能性が高いと指摘。過去数年にわたり低迷する日産自の自動車部門の収益性や販売台数が、想定した水準まで早期に改善し、安定化する見通しが遠のいたと判断した。

■富士電機 <6504>  5,410円  -50 円 (-0.9%)  本日終値
 富士電機<6504>が4日ぶりに反落。大和証券は7日、同社株のレーティングを「2(アウトパフォーム)」から「3(中立)」に引き下げた。目標株価は7100円から5800円に見直した。同証券では、23年3月期と24年3月期の業績予想を下方修正した。レーティング引き下げの要因として(1)業績が踊り場を迎えると予想すること(2)24年3月期は中期経営計画の最終年度であり、炭化ケイ素(SiC)などの新しい話題が出づらい可能性があること(3)(具体性や実現可能性に疑問符がつくが)テスラ<TSLA>が電気自動車(EV)に使用されるSiCを75%削減する計画であることを発表するなどSiC市場に不透明感があること――などを挙げている。

■トヨタ自動車 <7203>  1,907.5円  -7 円 (-0.4%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株が頑強な値動き。前日の米国株市場ではパウエルFRB議長の議会証言を受けてFRBによる金融引き締め長期化の動きが警戒されNYダウが大幅安となったが、外国為替市場ではドル買いの動きが強まり、足もと1ドル=137円台まで円安が進んでいる。輸出セクターの中でも特に為替感応度の高い自動車株にとっては追い風となる。また、1月下旬以降、ホンダの上げ足は際立っているが、「これはPBRの低さに着目した水準訂正狙いの買いが継続していることを示唆している」(ネット証券マーケットアナリスト)という声がある。

■Unipos <6550>  208円  +50 円 (+31.7%) ストップ高   本日終値
 Unipos<6550>がストップ高。同社がKDDI<9433>や東京都公立大学法人とともに「データ処理装置やデータ処理方法、及びプログラム」の名称で特許を出願していたことが明らかになった。これを材料視した買いが集まったようだ。この日、発表された公開特許公報で判明した。出願日は2021年8月23日となっている。

■ウェルライ <9565>  4,350円  +700 円 (+19.2%) ストップ高   本日終値
 ウェルプレイド・ライゼスト<9565>が急動意。昨年11月30日に東証グロース市場に上場したニューフェースでeスポーツ大会の企画・運営などを手掛ける。同社株式の過半の株式を保有する筆頭株主はカヤック<3904>で親会社と協業体制でeスポーツ関連事業に積極展開を図っている。国際オリンピック委員会(IOC)主催の「オリンピックeスポーツシリーズ」と題した大会が新設され、予選を経て6月22~25日にシンガポールで決勝が行われる予定にあるが、これを背景にeスポーツ関連株に動意含みの銘柄が目立っている。国内ではNTT<9432>が、次世代通信基盤「IOWN(アイオン)」の商用サービスを今月16日から提供することを発表しているが、自動運転やeスポーツは低遅延を売り物とするアイオンの特長を生かせる分野であり、こうしたインフラ面での充実もテーマ買いの動きに追い風となっている。

■大泉製作所 <6618>  971円  +150 円 (+18.3%) ストップ高   本日終値
 大泉製作所<6618>がストップ高。デンソー<6902>と共同で「電池モジュール」に関する特許の登録があったことに投資家の関心が集まり、これが買いを誘う要因となったようだ。8日に公開された特許公報で明らかになった。大泉製は半導体セラミックスのサーミスタを利用した電子部品の製造・販売を手掛ける。

■デジタルプラス <3691>  994円  +150 円 (+17.8%) ストップ高   本日終値
 デジタルプラス<3691>が急騰。Webメディア運営のほか、キャッシュレスで金券を贈呈するデジタルギフトサービスなどフィンテック分野にも展開する。7日取引終了後、「ChatGPT」などによる人工知能(AI)コンテンツ制作サービスの実証実験を開始することを発表した。デジタルギフトと連動したパッケージメニュー開発も視野に置くことで、今後の業容拡大に向けた期待が高まり、投資資金の流入が加速した。ここ、AI関連株に物色人気化する銘柄が相次いでおり、同社株もその流れに乗った形だ。

■カーメイト <7297>  1,018円  +150 円 (+17.3%) ストップ高   本日終値
 カーメイト<7297>が大幅反発。この日の午前中、センコーグループホールディングス<9069>傘下のセンコー商事と共同で、トラックの退突を防止するシステム「ミリ波退突センサー」を開発したと発表しており、これを好感した買いが入った。同システムは、ミリ波を使った箱型トラックの近接障害物検知・警告装置で、業務用トラックでの使用に特化して設計。後方上部、下部、後方角の障害物を感知し、インジケーターに音と光で警告する。なお、発売は3月13日を予定している。

■マツモト <7901>  5,640円  +700 円 (+14.2%) ストップ高   本日終値
 マツモト<7901>がストップ高。9日に23年4月期第3四半期決算の発表を控えており、決算期待の買いが入ったもよう。昨年12月14日に発表した同社の上期決算は営業損益が3億4900万円(前年同期4億6900万円の赤字)となったものの、一般商業印刷の新規顧客獲得などの効果で、同月6日には従来予想の5億円の赤字から上方修正しており、通期予想の上方修正期待も根強い。また、現在β版を提供しているWeb3.0サイト「ShinoVi」の正式スタートへの期待も高まっており、これらが買いにつながっているようだ。

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