【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱UFJ、OSG、第一三共
三菱UFJ <日足> 「株探」多機能チャートより
銀行株が軒並み高。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>といったメガバンクが昨年来高値を更新したほか、ふくおかフィナンシャルグループ<8354>や七十七銀行<8341>、八十二銀行<8359>、京都銀行<8369>といった地銀株も新値圏に上昇している。17~18日の日銀金融政策決定会合で、大規模な金融緩和に伴う副作用を点検するとの観測が浮上し政策修正に向けた思惑が強まっている。この日の国内債券市場では、10年債利回りが一時0.53%と日銀が上限とする0.5%を上回った。この金利上昇は銀行にとって利ザヤ拡大に伴う業績回復につながるとの見方が強く、銀行株に対する見直し機運が一段と高まっている。
■OSG <6136> 1,929円 +43 円 (+2.3%) 本日終値
OSG<6136>が3日続伸。同社は12日取引終了後、23年11月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比9.6%増の240億円としていることが好感されたようだ。売上高は同1.7%増の1450億円となる見通し。これまで注力してきた自動車関連産業や航空機関連産業だけでなく、半導体・5G産業、ロボット・自動化関連・機械部品産業、モビリティ産業、医療産業など成長が見込まれる市場で販路拡大を目指して顧客開拓を推進するとしている。
■第一三共 <4568> 4,134円 +90 円 (+2.2%) 本日終値
第一三共<4568>が後場上げ幅を拡大。この日、開発中の新型コロナウイルス感染症に対するmRNAワクチン(DS-5670)について、国内製造販売承認を申請したと発表しており、好材料視された。同ワクチンは、国内既承認mRNAワクチン(起源株)の初回免疫(2回接種)完了後の追加免疫用で、実用化すれば国内メーカーとしては初のワクチンとなる。
■INPEX <1605> 1,406円 +7 円 (+0.5%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株が堅調。12日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の2月限が前日比0.98ドル高の1バレル=78.39ドルに上昇した。米12月消費者物価指数(CPI)の上昇率が前月に比べ低下し、米長期金利が下落しドル安が進むなか、ドル建てで取引される原油に割安感からの買いが流入した。また、中国のゼロコロナ政策の撤廃に伴う景気回復期待が強まるなか、原油需要拡大の思惑も出ている。
■キャンドゥ <2698> 2,229円 +4 円 (+0.2%) 本日終値
キャンドゥ<2698>が3日続伸。12日の取引終了後、23年2月期の連結業績予想について、売上高を962億円から927億円へ、営業利益を12億4000万円から3億7500万円へ、最終損益を2億3500万円の黒字から4億6000万円の赤字へ下方修正したが、想定内との見方が強くアク抜け感から買われたようだ。決算期変更に伴い前期との比較はできないものの、前期にあったコロナ特需の反動や、出店が当初計画を下回ったことなどで売上高が想定を下回った。また、急激な円安進行やウクライナ情勢の影響による商品原価率の上昇や水道光熱費などの高騰も利益を圧迫した。同時に発表した第4四半期累計(21年12月~22年11月)決算は、売上高737億1600万円、営業利益3億9000万円、最終損益1億7500万円の赤字だった。
■ティーケーピー <3479> 2,676円 -300 円 (-10.1%) 本日終値
ティーケーピー<3479>が急落した。12日の取引時間終了後に発表した23年2月期第3四半期累計(3~11月)の連結決算は、営業損益が27億7000万円の黒字(前年同期は11億1400万円の赤字)となった。貸会議室事業や宿泊事業の需要回復が継続し、収益を押し上げた。一方、2月1日に予定するレンタルオフィスのリージャス事業の売却に伴うのれんの減損損失を計上したことで、最終損益は22億2600万円の赤字(同29億3800万円の赤字)となった。3~11月期の最終赤字幅は通期の計画(15億円の赤字)を上回っている。今後の業績回復への期待感よりも先行きへの警戒感が強まる格好となり、売りが膨らんだようだ。3~11月期の売上高は前年同期比17.5%増の386億5100万円だった。通期の業績予想は昨年12月に修正した内容で据え置いた。
■ファーストリテイリング <9983> 73,490円 -6,350 円 (-8.0%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
ファーストリテイリング<9983>は大幅続落。12日取引時間終了後に発表した23年8月期第1四半期(9~11月)の連結決算は、最終利益が前年同期比9.1%減の850億7400万円だった。中国でのユニクロ事業が新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動規制の影響を受け、全体の業績を押し下げる要因となった。13日は1月物のミニ日経平均先物の特別清算指数(SQ)算出日にあたり、SQ算出に絡んだ取引に伴う需給要因があるなかで、最終減益となったことを嫌気した売りが膨らみ、株価の下押し圧力が強まったようだ。売上収益は同14.2%増の7163億9300万円だった。国内ユニクロ事業は増収となったが、11月に気温が高く販売面で苦戦したことを受け、営業減益となった。東南アジアや北米、ロシアを除く欧州では過去最高の業績となったほか、ジーユー事業も大幅な増収増益となった。通期の業績予想は据え置いた。
■イオンFS <8570> 1,292円 -108 円 (-7.7%) 本日終値 東証プライム 下落率3位
12日に決算を発表。「9-11月期(3Q)経常は9%減益」が嫌気された。
イオンフィナンシャルサービス <8570> [東証P] が1月12日大引け後(15:00)に決算を発表。23年2月期第3四半期累計(3-11月)の連結経常利益は前年同期比1.6%減の445億円となり、通期計画の575億円に対する進捗率は77.5%となり、前年同期の75.5%とほぼ同水準だった。
⇒⇒イオンFSの詳しい業績推移表を見る
■マニー <7730> 1,790円 -144 円 (-7.5%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
マニー<7730>が大幅安。12日の取引終了後に23年8月期第1四半期(22年9~11月)の決算を発表し、営業利益は前年同期比2.1%増の17億4800万円だった。業績進捗は堅調なものの特段のサプライズ感はなく、これを受けて目先は利益確定売りの動きが優勢となったようだ。新型コロナウイルスの影響を受けた前年同期と比べて国内や欧州、アジアを中心とした地域で需要が拡大し、売上高は同29.1%増の61億500万円と大きく増加した。一方、海外子会社における製造原価の上昇や販売増に伴う売上原価の増加、人員体制の強化などによる販管費の増加が響き、利益は押し下げられた。通期の2ケタ増収増益見通しは据え置いている。
■松竹 <9601> 10,420円 -820 円 (-7.3%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
松竹<9601>が昨年来安値を更新。午後2時、23年2月期第3四半期(3~11月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正し、嫌気された。売上高の見通しは852億3000万円から795億4000万円、最終利益の見通しは68億円から48億5000万円に引き下げた。映像関連事業において同社配給作品の「ある男」や「耳をすませば」が当初の見込みに及ばない成績となった。連結子会社で興行事業を展開する松竹マルチプレックスシアターズで、入場者数が想定を下回って推移したことなども業績予想に反映した。収益認識に関する会計基準の適用に伴い、前期比の増減率の記載はない。
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