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【経済】【クラウドファンディング】“紙が要らない”革新的洗浄乾燥便座のWater X Technologies、12月23日募集開始

 革新的な洗浄乾燥便座で世界のトイレ環境の改善を目指す株式会社社Water X Technologies(東京都千代田区)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは12月23日18時開始を予定しています。

・ 普通株式型
・ 目標募集額:500万円、上限募集額:3000万円
・ VC出資実績あり
・ エンジェル税制あり(優遇措置B)
・ 株主優待あり:「X-TREME」購入時に利用できる6万円の割引優待券
・ みなし時価総額:3億7500万円
・ 類似上場企業:アサヒ衛陶、SANEI、橋本総業ホールディングス、TOTO、LIXIL

※「みなし時価総額」はミンカブ編集部が「発行済み株式数×募集株式の払込金額」により試算

最短30秒での局部乾燥を実現

 Water X Technologiesは、革新的な洗浄乾燥便座の開発と世界展開により、世界のトイレ環境の改善と、関連する社会課題の解決に挑戦しています。

 メインとなる自社商品「X-TREME(エクストリーム)」は"紙(トイレットペーパー)が完全に不要なトイレ"。「世界最強レベル」(同社)の温風乾燥機能を有し、従来、トイレで使っていた大量のトイレットペーパーが不要で、「温風のみで局部を乾かす」ことができるといいます。

 同社によると、すでに温風乾燥機能付きの洗浄乾燥便座は存在し、一般家庭でも導入されていますが、その乾燥能力は十分ではなく、ほぼ機能していないのが実情です。「X-TREME」のプロジェクトチームはこうした製品課題に着目し、強い乾燥能力を備えた洗浄乾燥便座を市場に出すために始動しています。

 「X-TREME」の特徴は革新的な送風機能で、従来技術では、局部を乾かすための風がお尻の出っ張りに当たってしまい、単に風を強くするだけでは「お尻の濡れている箇所に温風が届かない」「乾いたところにだけ風が当たり、熱くて使えない」などの問題があったそうです。

 同社は製品の内部構造を抜本的に見直し、お尻の凹凸に沿って強力な温風(ヘアドライヤーの弱程度の風)をスムーズに流せるよう設計した結果、最短30秒での局部乾燥を実現しているといいます。

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(出典:AngelNavi)

 これは競合商品と比べて、乾燥時間を約10分の1に短縮しており、「トイレでの体験を全く変えうるものです」(同社)。この構造に関連して、3つの特許を出願しています。

 事業フェーズについては、量産直前の詳細設計のクロージング段階で、今後は金型製作・量産テスト・販売へと進み、2023年5月より、中国市場で発売することが目標です。並行して、日本向け製品に着工、2023年中のローンチを目指しています。

 今回の調達資金は「X-TREME」を世界各国で販売開始するまでの運転資金と、各国の特許取得のための費用に充てる計画です。

 同社は「X-TREME」により、3つの社会課題を解決したいとしています。

 まず、高齢化による体力低下、痔(じ)、腰痛・その他の病気やけがなどにより、「トイレットペーパーでお尻を拭くことが困難なユーザーがいる」という課題です。

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(出典:AngelNavi)

 痔や腰痛に悩む人や多くの高齢者は体を自由に屈曲できないため、「トイレで紙を使わずに、お尻を清潔に乾かしたい」というニーズが大きいものの、既存製品の温風乾燥機能は乾燥時間も乾燥力も不十分であるため、不満が多いそうです。

 こうした現状は特に、医療機関や介護・介助の現場でも問題視され始めており、介護士は利用者の全体重を支えながら、トイレットペーパーでお尻を拭く必要があるため、トイレ介助は重労働です。

 「X-TREME」は介護福祉施設からの問い合わせがあり、また、実際、国内の特別養護老人ホームでも使用されており、「確かに乾く、介護場面の負担を減らせそう」という声が届いているといいます。

 2つ目は「紙をトイレに流さず、ゴミ箱に捨てる」という不衛生なトイレ環境の改善です。

 同社によると、中国や東南アジアなどでは、便器の洗浄・排水能力が不十分▽下水配管の処理能力が不十分▽さらに、水に溶けやすい素材のトイレットペーパーがないため、お尻を拭いた紙をトイレに流せず、使用済みの紙は便器の横のゴミ箱にそのまま捨てられ、トイレ内は極めて不衛生だそうです。

 こうしたトイレ事情の解決のめどは立っておらず、下水配管の機能改善は中国・東南アジアでも進んでいるものの、便器の洗浄・排水能力やトイレットペーパーの紙質の規格が、紙を流せることを前提にしたものではないといいます。

 「X-TREME」はこの課題に対して、「そもそも、トイレで紙を使わない」という解決策を提示するものだとしています。

 3つ目は地球環境保護、SDGsの促進です。

 トイレットペーパーは木の伐採・加工・流通という段階を経て、手元に届きますが、その間、多くのCO2が排出されます。

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(出典:AngelNavi)

 同社の試算では、世界からトイレットペーパーがなくなると、年間で約5520万トン(森林の伐採面積にすると、1年間で7777平方キロメートル)のCO2削減に寄与できることが分かっているといいます。

 また、「X-TREME」は省エネ型のシャワーを搭載しているため、電力消費量は従来品の温水洗浄便座(紙を使用)と同程度で、単純に紙を削減した分だけ、CO2排出量を減らすことができるそうです。

初期ターゲットは人口14億人超の中国

 同社は「X-TREME」の初期のターゲット市場を、14億人超の人口を持つ中国としています。その理由は以下の4つです。

 1つ目は「トイレに紙を流せない・流さない」という不衛生なトイレ環境です。日本では、JIS等で一定量の紙を流す試験が義務付けられている一方、中国では、下水の整備状況とトイレの洗浄・排水能力に対する公的規格のフォローが不十分なため、トイレットペーパーを使っている限り、トイレ環境の衛生化は困難な状況だといいます。

 「X-TREME」には「使用済みの紙をゴミ箱にそのまま捨てる」という現地の習慣を変えるポテンシャルがあるとしています。

 2つ目は、中国における温水洗浄便座のマーケットが広大で、かつ成長市場であることです。 日本では、温水洗浄便座の普及率が80%を超え、取り替え需要も一巡し、年間台数規模は450万台程度で飽和しているといいます。

 しかし、中国における同ジャンルの普及率は、家電検査院の報告書では、都市部で3%程度、地方では1%にも満たないと推定。かつての日本と同様、温水洗浄便座が急速に普及することが期待できるそうです。

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(出典:AngelNavi)

 中国社会では、おもてなしの一環として、トイレを衛生的な空間に改修するトレンドが広がっており、同社にも追い風となり得るといいます。実際、中国における温水洗浄便座の出荷台数は、すでに日本を追い抜いているそうです。

 市場ポテンシャルについては、中国の普及率は現在3%で、今後、都市部の可処分所得の高い数億人の層で、少なくとも50%程度まで伸長すると見込んでいます。例えば韓国では、2000年代初頭から現在までに、普及率50%へと市場が拡大しているそうです。

 3つ目は、温水洗浄便座の部品サプライチェーンは、そのほとんどが中国に集積していることです。シャワーノズル・乾燥機・基板・その他樹脂部品などは、世界的にも、中国がサプライチェーンの中心を担っており、生産した場所に近いマーケットをそのまま獲得できるそうです。

 4つ目は、同社が中国にネットワークを持っていることです。創業者自身も中国駐在経験があり、今回のチーム編成やパートナーの開拓などはすべて、中国時代の人脈に基づいています。

 中国以外では、タイ・インドネシア・ベトナムなど人口の多い東南アジア市場や、台湾、米国なども進出対象です。米国では、2020年のコロナ禍で、市場から、トイレットペーパーが消えた際、温水洗浄便座の売り上げが前年の3倍に伸長。欧米では、おしりを洗えること以上に「紙を代替できること」に価値があることが示されたと同社は考えています。

2026年に3億円を超えることが目標

 同社は事業収益構造について、自社特許やノウハウを供与し、1台当たりの販売に対して収益を得たい考えです。このライセンス収入では、ストレッチ目標として、2026年に3億円を超えることを一つの目標としており(事業計画では1.6億円を目指す)、これは年間で約30~40万台、世界シェア3~4%程度の数字だといいます。

 同社は現在の人員(3人)のまま、外部のサポーターとパートナーの協力を得て、事業をスケールさせていく計画で、初期は中国市場から参入し、2023年から、日本市場へと本格展開していく成長イメージを描いています。

 2026年までの5カ年計画は以下の通りです。

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(出典:AngelNavi)

 販売台数ベースでは全期間にわたって、中国での事業の方が多くなる一方、金額ベースでは、国内事業が上回っていく計画です。日本市場では、ライセンス収入のほか、サービスフィーが収益としてプラスされる予定で、その分、1台販売当たりのフィーが大きくなるためです。

類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)

・アサヒ衛陶 <5341> [東証S]
・SANEI <6230> [東証S]
・橋本総業ホールディングス <7570> [東証P]
・TOTO <5332> [東証P]
・LIXIL <5938> [東証P]

株主構成

 同社は、以下のVC、事業会社、個人より出資を受けています。

・株式会社DG Ventures
・GW Ventures Fund,LP
・羅丹
・李欣
・Goldratt Consulting Ltd.
・ジャニス工業株式会社
・株式会社サンブリッジコーポレーション

株主優待

(1)対象となる投資家
本プロジェクトに投資し、2023年2月末現在の同社株主名簿に記載された株主

(2)株主優待の内容
株数(投資金額)にかかわらず、「X-TREME」を購入する際に利用できる6万円の割引優待券(有効期間:2025年8月末)を配布(※定価は10万円以上を想定)。

(3)株主優待の時期
「X-TREME」の日本における一般販売は2023年8月以降を予定。株主優待の時期も同時期以降となる。

発行者・募集情報

■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
商号:株式会社社Water X Technologies
住所:東京都千代田二番町9-3
資本金:10万円(2022年11月30日現在)
発行済株式総数:3,000株(同)(希薄化後:3,908株)
設立日:2019年3月
決算日:2月

■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 中山裕司

■募集株式の種類及び数
議決権付き普通株式 240株(上限) ※上限まで株式を発行する。
※本募集前の発行株式数は3,000株(希薄化後:3,908株)

■募集株式の払込金額
1株あたり 125,000円

■目標募集額
500万円(上限募集額3,000万円)
※上限募集額は取扱要領に沿って決定
※法人名での申し込みはできない

■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
500万円から、募集取扱手数料100万円を控除した手取り金額400万円は、以下の資金使途に充てる予定(税別)

ライセンス取得費用:約300万円
※PCT登録済みの「X-TREME」関連特許の日本市場、およびASEAN市場での展開・登録、および協業先との契約にかかる費用

運転資金:約100万円
※各国のパートナー開拓、営業活動に関わる費用

・上限募集額達成時の資金使途内訳
3,000万円から、募集取扱手数料600万円を控除した手取り金額2,400万円は、以下の資金使途に充てる予定(同)

ライセンス取得費用:約500万円
※PCT登録済みの「X-TREME」関連特許の日本市場、およびASEAN市場での展開・登録、および協業先との契約にかかる費用

運転資金:約1,900万円(各国のパートナー開拓、営業活動に関わる費用)

■投資金額および株数(口数)
50万円(4株)
37.5万円(3株)
25万円(2株)
12.5万円(1株)

■申込期間
2022年12月23日(金)~2023年1月11日(水)
※上限募集額(3,000万円)に到達した後、申し込みの受付はできなくなる。

※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、AngelNaviの下記ページをご覧ください。

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