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【市況】米景気後退の中でも有望なディフェンシブ5銘柄!=米国株

 FRBが先日のFOMCでタカ派姿勢を堅持する中、米株式市場では来年の米経済のリセッション(景気後退)への警戒感が高まっている。そのような中、先行きに不透明感が強まる中でも高パフォーマンスを発揮しそうな5銘柄をバロンズ誌が取り上げている。なお、22Vリサーチ社が米企業景況感指数(PMI)との相関関係をもとに抽出。

◆ドミニオン・エナジー<D>
 同社は電力を中心に公益事業を手掛けるが、同社株はPMIとマイナス61.1%の負の相関関係がある。過去1年間のベータ値、つまり市場のボラティリティに対する同銘柄の個別の相対的ボラティリティは0.44。1を下回れば市場よりも変動が小さく、1を上回れば市場の動き以上に敏感に反応する。ドミニオンの低ベータは安定した収益を反映しているという。

◆ケロッグ<K>
 同社はシリアルやスナック、その他の食料品を販売する。PMIとの負の相関関係はマイナス55.3%。米消費者が支出を控えたとしても、売り上げに大きな打撃を与えることはなく、2023年の通期売上高見通しは155.4億ドル、1株利益は4.13ドルが見込まれている。コストプッシュ・インフレにもかかわらず、2019年の売上高約135億ドル、1株利益4.00ドルから一貫して上昇してきた。

◆ペプシコ<PEP>
 日本人にもなじみが深い飲料スナック大手だが、PMIとの負の相関関係はマイナス70.5%。上記のケロッグと類似した商品を販売しており、どちらもベータ値は0.6未満となっている。

◆サザン・カンパニー<SO>
 同社は電気とガスのプロバイダーだが、PMIとの負の相関関係はマイナス72.3%、ベータ値は0.51となっている。

◆メルク<MRK>
 最後はダウ採用銘柄の医薬品メルク。PMIとの負の相関関係はマイナス59.4%。経済が不安定になっても売り上げへの打撃は軽微と見られている。ベータ値も0.28と超低水準。

 1つだけ注意点を指摘している。今年のS&P500は10%台半ばの下落となっているが、上記5銘柄のうち4銘柄は今年すでに上昇している。しかし、株式は長期間に渡って同じように取引されることがあり、市場がディフェンシブでない企業の決算に底打ちを見るまでは、しばらくそうなる可能性が高いと述べている。

 なお、これらの5銘柄はいずれも配当あり。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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