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【特集】サンワテクノス Research Memo(4):足元の需要は堅調推移、円安効果もあって2023年3月期業績を上方修正

サンワテク <日足> 「株探」多機能チャートより

■サンワテクノス<8137>の業績の動向

3. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は売上高で前期比12.7%増の174,000百万円、営業利益で同35.3%増の6,500百万円、経常利益で同28.0%増の6,650百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同30.0%増の4,650百万円と期初計画を上方修正した。第2四半期までの業績実績や今後の市場動向、為替の円安進展※を考慮して見直した。

※通期の為替前提レートは期初計画の115円/ドルから132円/ドルに修正。為替変動が業績に与える影響額としては、1円/ドルの円安で年間約50百万円の増益要因となる。


ウクライナ情勢の混迷や物価上昇による個人消費の低迷等により、スマートフォンやパソコンの販売が低迷するなど、今後の設備投資動向について懸念材料が出ている。しかし、中国市場で太陽光関連業界からの引き合いが好調を持続しているほか、日本市場に関してもチップマウンターなど一部の分野ではブレーキが掛かっているが円安に伴う製造拠点の国内回帰の動きも出始めており、全体的には堅調に推移していると、同社は認識しているる。2022年10月の受注も想定を上回ったもようで、11月初旬時点において納品時期の延期要請やキャンセルなどの話も出ていないと言う。

とは言え、顧客先の在庫も積み上がってきており、部材不足についても一部の半導体を除けば解消されてきたことから、2023年3月期下期の受注高としては上期比で10~15%程度の減少を見込んでいる。従来であれば、在庫調整局面に入ると顧客は元の水準まで在庫を絞り込むため3割程度落ち込んでもおかしくはないが、サプライチェーンリスクが継続するなかで在庫を元の水準まで絞り込む可能性は低いと、同社は見ている。また、工場の省エネ化・省力化をテーマとした投資は中国市場も含めて今後も継続するほか、製造拠点の国内回帰も含めた分散化の動きも活発化することが予想され、同社にとってはビジネスチャンスとなる。下期に入ってからの新たな取り組みとしては、2022年11月に中国でスマート営業所を2拠点(武漢、常州)開設している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《NS》

 提供:フィスコ

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