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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 底堅さを見極めつつも、2万7875円辺りまでショートを仕掛けてくる動きは想定しておきたい


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 28080 -80 (-0.28%)
TOPIX先物 2002.0 -3.0 (-0.14%)
シカゴ日経平均先物 28090 -70
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 28日の米国市場は、 NYダウ S&P500 ナスダックの主要な株価指数が下落。中国の主要都市で新型コロナウイルス対策への抗議活動が広がり、サプライチェーンの混乱を通じて世界経済に影響を与えるとの懸念が高まった。また、米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が、金融政策の一段の引き締めが必要との見解を示したほか、米セントルイス連銀のブラード総裁も一段の利上げ余地を示唆するなど、米連邦準備理事会(FRB)高官らのタカ派発言が重荷となった。S&P業種別指数はすべて下落し、不動産、エネルギー、半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器、素材の下落率は2%を超えた。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、日中大阪比70円安の2万8090円で終えた。日経225先物(12月限)のナイトセッションは日中20円高の2万8180円で始まり、2万8080円まで売られた後にリバウンドを見せると、米国市場の取引開始後には一時2万8300円まで買われる場面もあった。ただし、買い一巡後は2万8200円~2万8260円辺りで底堅い値動きを見せていたものの、取引終盤にかけて軟化し、2万8080円とナイトセッションの安値で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。前日の段階で支持線として意識されていた5日移動平均線を下回っていたが、ナイトセッションでボリンジャーバンドの+1σを割り込んできており、節目の2万8000円のほか、25日線と+2σによるレンジ推移が継続するなか、レンジ下限の2万7750円辺りも徐々に意識されてきそうである。もっとも、FRB高官のタカ派発言は予想されていたことでもあり、まずは中国市場の動向を見極めたいところだろう。昨日の香港ハンセン指数は一時4%を超える下落を見せた後に下落幅を縮めていた。本日も底堅い動きを見せてくるようであれば、リバウンド狙いのロングに向かわせよう。

 日経225先物は2万8000円での底堅さを見極めつつ、アジア市場の動向次第ではオプション権利行使価格の2万7875円辺りまでショートを仕掛けてくる動きは想定しておきたい。ただし、FRBのパウエル議長の証言のほか、個人消費支出や雇用統計といった重要な経済指標の発表を控えていることもあり、積極的なショートは仕掛けづらい。反対に調整局面では、リバランスに伴うショートカバーの動きが継続しそうだ。

 VIX指数は22.21に上昇したが、自律反発の範囲内であるため、リスクオフに向かわせることはないだろう。NYダウが500ドル近く下落する局面から見れば、落ち着いた動きである。昨日のNT倍率は先物中心限月で一時13.97倍に低下した後は切り返し、14.04倍で終えていた。米半導体株などの弱い値動きによって、ヘッジ対応の動きからはNTショートに向かいやすい。ただし、ナスダックは25日線と75日線との間で推移しており、25日線を支持線としたリバウンドの可能性もあるため、NT倍率が14.00倍を下回る場面では、リバランスを狙った動きも考えておきたい。

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