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【市況】クオンツ投資家による米株買いは100日は継続との見方も=米国株

 インフレや企業の非現実的な利益予想を背景に株式相場に懐疑的な見方をしている投資家は、5兆ドル相当の相場上昇に乗り遅れたとの指摘が出ており、弱気派はさらなる痛みが待っている可能性があるという。クオンツ投資家の動向が背景にあるようだ。

 株価のボラティリティに基づいて市場に出入りする、いわゆるシステミックファンドの大規模資金の動きが注目されるとしている。4週間に渡る株価上昇で、いわゆるボラティリティ・ターゲット・ファンドやリスクパリティーなどと同様の戦略ファンドが1日20億-40億ドルの株式を購入していたという。

 こうした買いは、ボラティリティーが低水準に留まれば、恐らくあと100日は続くのではないかと指摘している。ボラティリティーが低水準、つまり市場に有利な水準が続く可能性があるとも付け加えた。

 さらに、商品投資顧問業者(CTA)などのトレンド追随ファンドも、S&P500などが100日線の節目を上回ったことでショートを解消し、最近の相場上昇を増幅させた。CTAは堅調相場が続けば最大2000億ドル相当の株式を購入する可能性があるという。

 ヘッジファンドや投資信託など多くの弱気波の投資家は、1-6月の株価下落で、株式エクスポージャーをリーマンショック以降の最小規模に減らしている。FRBの積極利上げで米経済がリセッション(景気後退)入りするとの懸念からセンチメントが悪化した。

 ポジションが最小規模になっている分、僅かな朗報でも大きな反発をもたらすことが可能で、7月の消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回った10日には実際にこうした状況が出て、S&P500は2.1%上昇した。

 システム売買は金融引き締めが緩和される方向の取引に傾斜しているという。

出所:MINKABU PRESS

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