市場ニュース

戻る
 

【市況】米国株式市場見通し:ウクライナ情勢や金利動向に注目


ウクライナ情勢やFRBの利上げペースへの思惑から神経質な展開が続きそうだ。他方、経済活動の本格的再開に伴う景気循環株の買いが下値を支えられるかどうかに注目だ。冬季五輪終了直後に、警戒されている通りにロシアがウクライナ侵攻した場合、投資家心理がさらに悪化し短期的に売りが加速しそうだ。FRBの積極的な引き締めを織り込む売り圧力も強い。FRBがインフレ指標として注視している1月消費者物価指数(CPI)が40年ぶり最大の伸びを示すなど、FRBの積極的な引き締めを正当化する指標が続き、3月FOMCでの大幅な利上げ観測も強まりつつある。市場は今年6回程の利上げを織り込みつつある。

一方、バイオのモデルナの最高経営責任者(CEO)は新型コロナが最終段階入りしていると言及。疾病管理予防センター(CDC)もマスク規制やクルーズを巡る脅威レベルの引き下げを検討するなど、経済活動の本格的な再開が期待される。各航空会社は欧州便の予約数が急拡大しており、需要は過去最大だと楽観視している。景気循環株の押し目買いが相場下支え役として機能することに期待したい。なお、21日はプレジデンツデーの祭日で休場となる。

経済指標では、12月FHFA住宅価格指数、12月S&P20都市住宅価格指数、2月製造業・サービス業PMI、2月消費者信頼感指数、2月リッチモンド連銀製造業(22日)、1月シカゴ連銀全米活動指数、週次新規失業保険申請件数、10-12月期GDP確定値、1月新築住宅販売件数、2月カンザスシティ連銀製造業活動(24日)、1月個人所得・支出、1月PCE(個人消費支出)コアデフレーター、1月中古住宅販売仮契約、ミシガン大消費者信頼感指数確定値(25日)などが予定されている。特に、FRBがインフレ指標のひとつとして重要視している1月PCEコアデフレーターに注目だ。12月からさらに上昇し、1983年以降39年ぶり最大の伸びが予想されている。

主要企業決算では、ホームセンター運営会社のホームデポ、石油会社のダイヤモンドバック・エナジー、カジノ運営のシーザーズ・エンターテインメント、百貨店のメーシーズ、高級住宅建設会社のトール・ブラザーズ、ドーナッツチェーンのクリスピークリーム(22日)、ホームセンター運営会社のロウズ、オンライン旅行会社のブッキング・ホールディングス、衣料品小売りのTJX、ネットオークション会社のイーベイ、イベント会社のライブネーション、パーソナル製品メーカーのバス&ボディワークス(23日)、オンライン決済のブロック、バイオのモデルナ、ITのヴィエムウェア、エネルギー資源会社のオキシデンタルペトロリアム、医療管理会社のユニバーサルヘルス、代替肉メーカーのビヨンドミート(24日)、などが予定されている。

エネルギー関連は、原油高などを背景に好決算が期待できそうだ。また、小売り関連も経済活動の本格的再開に伴う売り上げの増加で、強い結果に期待したい。イベント会社の業績改善にも注目だ。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均