【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):中外薬、ニコン、任天堂
中外薬 <日足> 「株探」多機能チャートより
加賀電子<8154>が反発。3日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を4700億円から4750億円(前期比12.5%増)へ、営業利益を150億円から175億円(同52.6%増)へ、純利益を90億円から120億円(同5.3%増)へ上方修正し、あわせて45円を予定していた期末配当予想を65円に引き上げたことが好感された。上期に業績を牽引した電子部品事業が引き続き車載、医療機器及び産業機器向けなどを中心に順調に推移していることに加えて、懸念されていた電子部品の需給ひっ迫の影響がこれまでのところ顕在化していないことなどが要因としている。なお、年間配当は110円(前期80円)となる予定だ。同時に発表した第3四半期累計(4~12月)は、売上高3526億8400万円(前年同期比19.9%増)、営業利益146億5800万円(同95.0%増)、純利益104億1400万円(同18.2%減)だった。
■東祥 <8920> 1,610円 +82 円 (+5.4%) 本日終値
東祥<8920>が全体相場に逆行しカイ気配スタートで急反騰。前日に5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを示現しており、目先戻り足が加速している。3日取引終了後、22年3月期業績予想の修正を発表、売上高は205億円から273億円(前期比55%増)、営業利益は20億円から44億円に大幅増額しており、これがポジティブサプライズとなった。同社はスポーツクラブやホテルを経営するが、コロナ禍にあって両部門とも会社側想定を上回り好調に推移しており、営業利益については従来予想の2倍以上に増額した。なお、好業績を背景に今期の年間配当も従来計画に2円上乗せし、6円(前期実績は2円)としている。
■ワールド <3612> 1,255円 +56 円 (+4.7%) 本日終値
ワールド<3612>が6連騰。3日の取引終了後に発表した第3四半期累計(4~12月)連結決算が、売上高1262億3000万円(前年同期比5.0%減)、営業利益49億9400万円(前年同期96億7000万円の赤字)、最終利益32億9400万円(同78億2000万円の赤字)と営業損益が黒字浮上し、通期予想を上回って着地したことが好感された。構造改革に伴うブランド終息や店舗閉鎖が響き売上高は減収となったものの、値引ロスで採算悪化を招いた前年の反省から店舗・EC両方で粗利益率の改善に注力したことで売上総利益率が前年同期比3.7ポイントの上昇となったことが貢献した。また、構造改革に伴う経費削減の効果や前年上期に計上した構造改革に伴う一時費用がなくなったことも寄与した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高1831億7900万円(前期比1.6%増)、営業利益21億4700万円(前期216億3700万円の赤字)、最終利益5億2900万円(同171億4900万円の赤字)の従来見通しを据え置いている。また、同時に発表した1月の月次売上概況で、既存店売上高が前年同月比11.7%増と3カ月連続で前年実績を上回ったことも好材料視された。引き続きプロパー主体の販売を重視していることもあり、ブランド横断で春物プロパー売り上げの割合が前年より高めに推移し、特に春の入卒園などに向けたセレモニー商品群の復調が目立ったとしている。
■中外製薬 <4519> 3,980円 +177 円 (+4.7%) 本日終値
中外製薬<4519>は大幅高。3日の取引終了後に21年12月期決算を発表し、売上収益が前の期比27.0%増の9997億5900万円、営業利益が同40.1%増の4218億9700万円と大幅増収増益で着地。続く22年12月期予想も増収増益路線を維持する見通しを示しており、これを好感した買いが入ったようだ。前期は、主力品の好調や新製品の市場浸透をはじめ、血友病治療薬「ヘムライブラ」に関するロイヤルティー収入の増加などが業績に寄与した。今期については、研究開発に伴う経費増加を見込んでいるものの、主力品や新製品の伸長が引き続き成長を牽引する見通し。
■ニコン <7731> 1,322円 +57 円 (+4.5%) 本日終値
ニコン<7731>が大幅高で5日続伸。3日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を5350億円から5500億円(前期比21.9%増)へ、営業利益を340億円から470億円(前期562億4100万円の赤字)へ、最終利益を290億円から390億円(同344億9700万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。ミラーレスの新製品を含むカメラ・レンズの需給が想定以上に逼迫していることや、FPD・半導体露光装置ともに装置保守などのサービス関連事業が堅調なことが牽引役となる。また、生物顕微鏡や網膜画像診断機器の販売台数が予想を上回る見込みであることや、活況な半導体市場を背景にEUV関連コンポーネントや光学部品などが想定以上に伸長する見通しであることも寄与する。第3四半期累計(4~12月)決算は、売上高4063億4500万円(前年同期比24.5%増)、営業利益469億5100万円(前年同期367億6200万円の赤字)、最終利益390億7300万円(同234億3400万円の赤字)だった。
■ウシオ電機 <6925> 1,871円 +73 円 (+4.1%) 本日終値
ウシオ電機<6925>が大幅反発。同社は3日取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高1500億円(前期比26.5%増)を据え置く一方で、営業利益を110億円から125億円(同16.4倍)へ、純利益を100億円から110億円(前期は6億8700万円の赤字)へ、年間配当予想を26円から50円(前期は26円)へ上方修正すると発表した。フラットパネルディスプレー市場において液晶パネルの生産稼働が引き続き高水準を維持していることによるリプレースランプ販売の増加や、半導体市場における同社製装置の高稼働が続いていることによる保守サービス売り上げの増加から、製品ミックスの改善を見込んでいることなどが上方修正の理由とした。22年3月期第3四半期累計(4~12月)連結営業利益は108億700万円(前年同期は4億900万円の赤字)だった。
■西松建設 <1820> 3,895円 +140 円 (+3.7%) 本日終値
西松建設<1820>は高い。午前9時ごろ、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を210億円から235億円(前期比12.2%増)へ上方修正したことが好感された。国内外の建築事業において、主に上期の工事受注が想定を下回ったことで売上高は3370億円から3195億円(同5.0%減)へ下方修正した。ただ、国内土木事業が概ね順調に進捗していることや設計変更を獲得したことにより完成工事総利益率の改善につながったことが利益を押し上げる。なお、純利益は143億円(同16.7%減)の従来予想を据え置いた。あわせて発表した第3四半期累計(21年4~12月)決算は、売上高2354億900万円(前年同期比5.2%減)、営業利益188億9600万円(同40.4%増)、純利益109億5800万円(同9.4%増)だった。
■任天堂 <7974> 58,180円 +2,030 円 (+3.6%) 本日終値
任天堂<7974>が反発。3日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆6000億円から1兆6500億円(前期比6.2%減)へ、営業利益を5200億円から5600億円(同12.6%減)へ、純利益を3500億円から4000億円(同16.7%減)へ上方修正し、あわせて870円を予定していた期末配当予想を1080円へ引き上げたことが好感された。半導体部品などの供給不足による「ニンテンドースイッチ」ハード生産への影響を織り込み、販売台数予想を2400万台から2300万台へと引き下げた一方、「ニンテンドースイッチ」向けソフトの販売本数予想を2億本から2億2000万本へ引き上げたことが要因。また、想定為替レートを1ドル=105円から110円へ変更したことも影響する。なお、年間配当予想は1700円(前期2220円)の予定だ。同時に発表した第3四半期累計(4~12月)決算は、売上高1兆3202億円(前年同期比6.0%減)、営業利益4725億5100万円(同9.3%減)、純利益3673億8700万円(同2.5%減)だった。
■資生堂 <4911> 6,154円 +210 円 (+3.5%) 本日終値
資生堂<4911>が反発。3日の取引終了後、集計中の21年12月期の連結業績について、営業利益が320億円から415億円(前の期比2.8倍)へ、最終利益が300億円から420億円(前の期116億6000万円の赤字)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、第4四半期に日本を中心に一部の国・地域の売り上げが想定を下回ったことで売上高は1兆440億円から1兆350億円(前の期比12.4%増)へ下振れた。ただ、プロダクトミックスの好転による原価率改善に加えて、全社で徹底したコストコントロールを進めたことなどから、営業利益は増加した。また、円安に伴い為替差益が増加したほか、構造改革に関連して見込んでいた特別損失が減少する見込みであることも貢献した。
■キッコーマン <2801> 8,730円 +250 円 (+3.0%) 本日終値
キッコーマン<2801>はプラス圏に再浮上。同社はきょう午前11時30分に、22年3月期第3四半期累計(4~12月)連結営業利益は431億8400万円(前年同期比23.7%増)と発表した。通期計画482億円(前期比15.7%増)に対する進捗率は89.6%に達しており、これも好感されたようだ。国内ではしょうゆ、飲料は前年同期に及ばなかったとしたが、食品、酒類が堅調に推移し、食料品製造・販売事業全体で前年同期を上回る実績となった。海外では食料品製造・販売及び食料品卸売事業ともに好調に推移した。
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