【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ギフティ、田中化研、マーチャント
田中化研 <日足> 「株探」多機能チャートより
ギフティ<4449>は大幅安で年初来安値を更新。29日の取引終了後、海外募集による100万株の新株発行と70億円のユーロ円建て転換社債型新株予約権付社債(CB)の発行を行うと発表しており、株主価値の希薄化を懸念した売りが膨らんだようだ。新株の発行価格は2630円。ユーロ円建てCBの償還期限は2026年12月14日で、転換価格は3551円。これにより調達する差し引き手取り概算額約98億円は、M&A資金などに充てるとしている。
■ACCESS <4813> 763円 -36 円 (-4.5%) 本日終値
ACCESS<4813>が8日続落。29日の取引終了後、22年1月期の連結業績予想について、売上高を119億円から90億円(前期比19.7%増)へ、営業損益を1億円の黒字から34億円の赤字(前期26億4100万円の赤字)へ、最終損益を1000万円の黒字から30億5000万円の赤字(同25億3700万円の赤字)へ下方修正したことが嫌気された。ネットワーク事業の主体である米国子会社において、ネットワーク通信量の急激な増大を受けて短期的にネットワーク設備網の拡充対応を行うことに重点が置かれ、一方でホワイトボックスソリューションの初期導入規模・受注額が小さくなり、売上高が計画を下回る見込みであることが要因としている。
■田中化研 <4080> [JQ] 2,091円 +188 円 (+10.7%) 本日終値
電気自動車(EV)関連株が高い。ここ大手自動車メーカーによるEV投資計画が相次ぎ明らかとなっており、直近では日産自動車<7201>が電動化加速に向けて今後5年間で約2兆円を投資する方針を示したことが話題を呼んでいる。このなか、きょうは全体相場が自律反発に転じていることや前日の米テスラ<TSLA>株高も追い風に、一連のEV関連株に幅広く買いが入っている。田中化学研究所<4080>や戸田工業<4100>、日本電解<5759>といったリチウムイオン電池関連のほか、三井ハイテック<6966>、HIOKI<6866>などが上昇している。
■TVE <6466> 2,088円 +188 円 (+9.9%) 本日終値
TVE<6466>が急反発。29日の取引終了後、電気工事や管工事を手掛ける太陽電業(東京都大田区)の全株式を22年1月4日付で取得して子会社化すると発表し、それに伴い22年9月期の業績予想を上方修正したことが好感された。太陽電業の東日本地区原発における放射線計測機器管理及び電気・計装事業をグループに取り込むことで、主に原発の炉型の違いに由来してこれまで手薄となっている、東日本地区の電力市場における新たなビジネス展開を図るのが狙い。太陽電業の子会社に伴い、22年9月期の連結業績予想について、売上高を90億円から100億円(前期比4.3%減)へ、営業利益を4億円から5億円(同28.2%減)へ、純利益を3億1000万円から3億8000万円(同16.5%減)へ上方修正した。
■マーチャント <3121> 834円 +62 円 (+8.0%) 本日終値
マーチャント・バンカーズ<3121>は3日ぶりの大幅反発。同社は29日取引終了後、京都の伝統工芸品や和雑貨の制作販売を行うくろちく(京都市中京区)と、NFT(非代替性トークン)並びにインターネット販売に関する業務提携に合意したと発表。くろちくは1974年に創業し、京都に根差した伝統工芸品や和雑貨品を制作・販売している企業。今回の提携により、くろちくが企画・制作する京都の伝統工芸品や和雑貨品をNFT化し、現物との交換ができるマーケットプレイスの「NFTバンカーズ」でお宝グッズとして全世界のコレクターに紹介し、販売する。また、くろちくが運営する「京都くろちく楽天ショップ」と、マーチャントの子会社ケンテンが運営するショッピングサイト「KENTEN×lafan」との相互のバナー広告など、販売協力を行うとしている。
■多摩川ホールディングス <6838> 1,052円 +51 円 (+5.1%) 本日終値
多摩川ホールディングス<6838>が5日ぶりに反発。同社は29日、東北大学と共同で進めている小型原子時計向けのガスセル開発の成果に関する論文が、来年1月9~13日に開催される国際会議「IEEE MEMS2022」で発表されることが決まったことを明らかにしており、これが株価を刺激したようだ。小型原子時計とは、人工衛星や通信基地局などに搭載されている時計で、一般的な水晶振動子を用いた時計より高精度な位置情報や時刻の情報を得ることができるもの。最近ではスマートフォンや自動車などの移動体通信機器にも搭載することで、高精度なナビゲーションや高速大容量通信をすることが期待されている。同社は9月10日に、小型原子時計の性能を大きく支配する重要な構成部品であるガスセルを小型・低コストに製造する方法(特許出願中)の実証に成功したと発表しており、開発した成果を国際会議で発表することにより、国内外を問わない事業展開を期待している。
■リプロセル <4978> 233円 +10 円 (+4.5%) 本日終値
リプロセル<4978>が高い。同社は29日取引終了後、リプロセルが行う新型コロナウイルスPCR検査及び各種変異株の特定検査において、新たな変異株であるオミクロン株の特定検査が可能であることが判明したと発表。オミクロン株は南アフリカで確認された新たな変異株であり、従来の変異株より感染力が高く、ワクチン効果が低減される可能性があるとされている。世界保健機関(WHO)ではオミクロン株を新たに、最も警戒レベルの高い「懸念される変異株」に指定した。リプロセルにおいてオミクロン株の変異を調査したところ、現在使用している試薬及び技術で特定検査が可能なことがわかったとしている。
■アイビーシー <3920> 739円 +30 円 (+4.2%) 本日終値
アイビーシー<3920>が高い。午後1時30分ごろ、IIJグローバルソリューションズ(東京都千代田区)とIoTセキュリティー分野で技術提携し、アイビーシーの特許技術を活用した新サービス「IoTトラストサービス」をIIJグローバルから提供を開始したと発表。同サービスは、IBCが提供するブロックチェーン技術を利用した新しい電子認証基盤であるPKIシステム「kusabi」(クサビ)を活用し、コネクテッドデバイス(IoTデバイス)の信頼性確保や適正なデバイスマネジメントを実現するサービス。主にIoTプラットフォームベンダーやIoTデバイスメーカー向けにIIJグローバルが販売するとしている。
■グロームHD <8938> 1,059円 +33 円 (+3.2%) 本日終値
グローム・ホールディングス<8938>は大幅続伸。午前11時30分ごろ、保有する商業施設「LCモールうれし野」(埼玉県ふじみ野市)の建物を売却したのに伴い、今22年3月期業績で固定資産売却益及び資産除去債務戻し入れ益の計2億8900万円を特別利益として計上すると発表しており、最終利益の計画上振れを期待した買いが入った。なお、同件による今期業績への影響は精査中としているが、同社は引き続きこのほかの商業施設3物件を順次売却する予定としている。
株探ニュース