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【市況】ダウ平均は横ばい IT・ハイテク株に値ごろ感の買い=米国株概況

NY株式24日(NY時間16:22)
ダウ平均   35804.38(-9.42 -0.03%)
S&P500    4701.46(+10.76 +0.23%)
ナスダック   15845.23(+70.09 +0.44%)
CME日経平均先物 29475(大証終比:+105 +0.36%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は横ばい。明日の感謝祭休暇を控えて商いも薄い中、序盤は前日の流れを引き継ぎ、IT・ハイテク株への売りが強まった。ナスダックも一時1%超の下げ幅となったが、売りが一巡すると値ごろ感の買い戻しも入りプラスに転じている。IT・ハイテク株の売り要因となっている米国債利回りが上げを一服させていたことが買い戻しを誘発した模様。

 セクター別では、エネルギー株が上昇の一方、米国債利回りの上げ一服で銀行株が利益確定売りに押されている。そのほかはまちまちの動き。

 この日発表の米新規失業保険申請件数は20万人を割り込み、歴史的な低水準となったほか、10月の個人消費支出のデータは予想を上回り、力強い個人消費を示した。雇用改善と伴にインフレ長期化への警戒を高める内容でもあり、市場の評価もまちまちのようだ。ただ、市場はFRBによる来年半ばの利上げ開始を織り込もうとしているが、その動きを正当化す内容ではあった。

 小売り関連企業の決算が続いており、取引開始前までにギャップ<GPS>やノードストロム<JWN>が第3四半期の決算を発表していた。しかし、いずれも冴えいない反応となっており、株価は大幅安となった。

 午後になってFOMC議事録が発表され、株式市場は売りの反応を示したが、一時的な反応に留まっている。議事録では資産購入ペース縮小に柔軟性を持たせることの必要性を強調した。「リスク管理に基づき適切な政策の柔軟性を維持することは、政策を実施する上での基本理念であるべきだ」としている。市場は資産購入ペース縮小を早期に終了し、来年半ばの利上げ期待を高めているが、その期待からかけ離れた内容でもなく反応は鈍かったようだ。

 独自の保険プラットフォームで最適な保険を提供するゴーヘルス<GOCO>が上昇。同社の幹部が持ち株を増やしていた。

 アパレルメーカーのゲス<GES>が上昇。前日引け後に8-10月期決算(第3四半期)を発表しており、1株利益、売上高とも予想を上回った。粗利益率も予想を上回った。

 アパレルのギャップ<GPS>が大幅安。前日引け後に8-10月期決算(第3四半期)を発表し、主力ブランドのオールドネイビーの既存店売上高が予想外の減収となったほか、ギャップ・グローバルも予想を大きく下回った。

 HP<HPQ>が大幅高。前日引け後に8-10月期決算(第4四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。企業からのPC需要が堅調。

 百貨店のノードストロム<JWN>が前日引け後に8-10月期決算(第3四半期)を発表し、1株利益が予想を大きく下回った一方、売上高は予想を上回った。ガイダンスも公表しており、通期の売上高見通しは35%超の増収と従来予想を据え置いた。

 建築設計用ソフトウェアのオートデスク<ADSK>が大幅安。前日引け後に決算を発表し、第4四半期の見通しが予想を下回ったことや、通期見通しも従来のレンジを縮小した程度だったことに失望感を強めている模様。

 農業機械のディア<DE>が上昇。決算を発表しており、労働者のストライキの課題に直面しているものの、明るい見通しを示したことに市場では安心感が広がっている模様。

ゴーヘルス<GOCO> 3.79(+0.34 +9.86%)
ゲス<GES> 23.73(+2.43 +11.41%)
ギャップ<GPS> 17.84(-5.67 -24.12%)
HP<HPQ> 35.44(+3.25 +10.10%)
ノードストローム<JWN> 22.66(-9.27 -29.03%)
オートデスク<ADSK> 256.90(-47.10 -15.49%)
ディア<DE> 367.86(+18.58 +5.32%)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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