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【市況】値下がり6割超も終値ベースでは10営業日ぶりに28500円を回復【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

25日の日経平均は4営業日続伸。189.37円高の28553.98円(出来高概算9億9296万株)で取引を終えた。終値ベースでは10営業日ぶりに28500円を回復した。米長期金利の落ち着きや暗号資産市況の回復を映して上昇した24日の米国市場の流れを引き継ぎ、半導体関連株やIT関連株などを中心に買い優勢の展開から、一時28576.97円まで上昇。ただ、前日同様、心理的な節目である28500円台を突破してくると、戻り待ちの売りが散見されるほか、9都道府県の緊急事態宣言を延長する方向で調整していると伝わっているため、次第に28500円処でのこう着に。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1400を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、証券・商品先物が2.00%、その他製品は1.83%、鉄鋼は1.64%など19業種が上昇。一方、海運業が2.35%と大きく値を下げたほか、パルプ紙、水産農林、空運など14業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、ファーストリテ<9983>、アドバンテス<6857>、エムスリー<2413>が堅調。半面、塩野義<4507>、ネクソン<3659>、TDK<6762>、中外薬<4519>が軟調だった。

24日の米国市場はインフレ懸念が後退し、主要3株価指数は揃って上昇。東京市場にもリスク選好ムードが広がった。米長期金利が1.6%に低下したことから、半導体関連株などのグロース株中心に値を上げる銘柄が目立っていた。また、世界的な景気回復期待を背景に鉄鋼などの景気敏感株の一角にも買いが続いた。ただ、米国務省が24日、米国民に日本への渡航を中止するよう勧告しており、新型コロナの感染拡大に歯止めがかかっていないことに対する警戒感に加え、間近に迫っている東京五輪開催の是非をどうするかという不透明要因もあり、積極的に上値を追う雰囲気にはならず、出来高は連日で10億株を下回る薄商いだった。

米国では今夜、コンファレンスボードによる5月の消費者信頼感指数が発表される。米当局者からは「インフレ高進を一時的なものと片付けるべきではなく、情勢の変化に対応し素早く政策を変更する必要がある」などと発言しており、「インフレは一時的」との見解を示していたスタンスにやや変化が見られている。このため、景況感の改善がより鮮明になれば、こういった発言が多く出てくる可能性があり、落ち着きを取り戻した米金利も再び上昇することも想定される。このため、目先は、米経済指標の結果と米国市場の動きを見ながらの展開となりそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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