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【特集】材料株春一番、ウィズコロナ時代を疾駆する好業績テーマ「特選7銘柄」 <株探トップ特集>

企業の決算発表が本格化している。決算を発表した直後はイレギュラーな動きをする銘柄も、ある程度期間をおいて眺めると株価の方向性や上値余地が見えてくる。

―決算発表通過後のホンモノを追う、上値追い本番を待つ早春の新波動株はこれだ―

●決算発表たけなわ、マーケットは強気に傾く

 米国のゲームストップ株を巡る騒動の余波で、東京株式市場は1月最終週に日経平均が2営業日で1000円近く下げる波乱に遭遇したが、2月相場では出足から切り返し、週末には400円以上の上昇で急落前を上回る2万8700円台で取引を終えた。相場は何かしらの懸念材料が浮上してもそれは利益確定売りの口実に使われるだけであり、しばらくするとまた調整前の株価水準まで戻し、そして抜き去る、という売り方にとってはお手上げの展開が繰り返されている。

 今の強調地合いの背景にあるのは、コロナ禍において世界的な超金融緩和策の継続がもたらせた過剰流動性と、アフターコロナを見据えた企業業績の回復に対する期待感、この二つであろう。ここにきて国内企業の4-12月期決算発表が徐々に本格化しており、必然的に株式市場でも企業の発表する数字に敏感に反応せざるを得ない状況にあるが、総じて株価にはポジティブな方向に働いている。「現時点で判断する限り、国内企業の決算発表は意外な増額修正が相次ぐなど好調を印象づける。これがマーケット心理を強気に傾けている」(ネット証券ストラテジスト)という。

●期待のハードルが下がったのが強み

 また、現在の相場にはもう一つ目には見えないアドバンテージがある。今期の企業収益は世界的な新型コロナウイルス感染拡大というかつてない逆風にさらされたが、その分だけ投資家の企業業績に対する期待のハードルが下がったということだ。つまり、企業側にすれば株価評価の免罪符を手にした状態にあったが、それに加えて実際に第3四半期まで来た時点で俯瞰(ふかん)すると、思った以上に業績面で健闘しているイメージが強い。これは業態にもよるが、たとえ新型コロナの影響が直撃しているようなセクターであっても、決算悪は発表してしまえば材料出尽くしとなり、“次期決算の回復を先取りする”というようなムードが醸成されている。相場の体感温度は着実に高まっている。巷では史上最速の「春一番」が話題を提供したが、東京市場においても前週後半から始まった日経平均の乱高下は春の息吹を暗示したものかもしれない。

 国内企業の決算発表は今週末5日が最初のヤマで350社あまりの企業が開示した。そして来週末12日に760社前後の発表が予定され、そこで決算発表ラッシュはほぼ終了する。製造業では10日のトヨタ自動車 <7203> の決算が最終盤のメーンイベントといってもよい。好決算銘柄も発表直後は需給的な思惑が絡み、行き過ぎに買われるケースや不合理に値を下げるケースが少なくない。しかし、実態が良く成長性を兼ね備えた銘柄であれば、中期的な上昇トレンド形成は高い確率でその妥当性が担保される。今回のトップ特集では、テーマ性を内包する好決算発表銘柄の中から、一段と上値追い指向を強める可能性が高いと思われる7銘柄を選出した。

●春風に舞う好決算有望7銘柄を追え!

◎ダイトーケミックス <4366> [東証2]

 感光性材料のトップメーカーで、持ち前の有機合成技術を駆使して半導体向けや医薬中間体領域で実力を発揮している。世界的な半導体需給逼迫のなか収益環境に吹く追い風は強い。21年3月期業績予想は期中2度にわたる増額修正を行っており、営業利益は期初予想が4億円で昨年9月に8億円に増額し、更に今年1月29日に12億円(前期比48%増)に再び増額した。好業績を背景に株主還元姿勢も高め、年間配当も従来計画の9円から11円(前期実績は8円)に引き上げた。株価は4ケタ大台に復帰しているが、PER12倍台でなお上値余地は十分。昨年9月23日の高値1581円奪回が中期目標となる。

◎メルコホールディングス <6676>

 パソコン周辺機器バッファローを傘下に無線LAN機器などを展開し、同業界トップシェアを誇る。新型コロナウイルスの感染拡大を受けライフスタイルの巣ごもり化や企業のテレワーク導入の動きが加速し同社の収益環境を後押しした。中期的にはGIGAスクール構想を背景に小中学校へのWi-Fi関連商品の需要喚起や、集合住宅向けWi-Fiインターネットサービスなどに期待がかかる。21年3月期営業利益は78億円予想と前期比9割近い伸びを見込んでいる。株価は昨年来高値圏で売り物をこなしているが、上値指向に変化はなく、4000円台活躍が視野に。

◎コア <2359>

 車載や家電、通信機器向け組み込みソフトで高実績を有する独立系SIで、ビジネスモデルも従来の受託型のシステム開発から提案型のソリューションビジネスに軸足を移行し収益性向上に取り組んでいる。また、選択と集中を実践し、「車載」「デジタル技術」「金融」「社会基盤」「農業」「クラウド」を重点6分野として注力し業績に反映させている。20年4-12月期は営業利益段階で前年同期比10%増の12億1200万円と2ケタ成長を確保。21年3月期営業利益は従来予想の16億円から19億円(前期比6%増)に増額し、減益から一転増益見込みに。早晩、昨年1月高値1615円を通過点に一段高が有望。

◎山洋電気 <6516>

 医療機器や産業ロボット向けサーボモーターや通信機器用冷却ファンなどを収益主力とし、太陽光発電システム用パワーコンディショナーの製造販売も手掛ける。5G周辺機器や産業ロボット及び半導体製造装置向けにサーボシステム事業が好調に推移し、業績は会社側の想定を上回って推移。21年3月期業績予想は売上高が従来予想の730億円から768億円(前期比9%増)に、営業利益は19億円から36億円(同3.5倍)に増額修正している。株価は目先調整も18年7月以来約2年半ぶりの高値近辺に位置しており、株式需給面では7000円台後半まで滞留出来高の少ない上値真空地帯が広がる。

◎サイオス <3744> [東証2]

 システム開発企業でオープンシステム基盤事業とアプリケーション事業を展開している。自社製品である「LifeKeeper」が収益主力を担う。また、人工知能(AI)分野の研究開発に傾注し経営資源を投入している点も特長。コロナ禍で企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資が加速し、大型案件獲得が続いており足もとの業績は急拡大している。20年12月期営業利益は前の期比4.3倍の2億3600万円と急増、続く21年12月期も3億2000万円(前期比36%増)と大幅な伸びを見込む。株価は大勢2段上げの様相をみせているが上値余地大で、昨年7月高値1039円を目指す動きに。

◎ヒューリック <3003>

 不動産賃貸や分譲など不動産投資事業を手掛けるが、コロナ禍にあっても不動産市況は良好で収益物件の売却が順調に進展している。20年12月期はトップラインが減収ながら、営業利益は1005億9600万円(前の期比14%増)と2ケタ成長を達成。21年12月期も1100億円(前期比9%増)と増益トレンドを維持する見通し。可変性の高い入居契約ニーズを考慮して、新規事業として短期賃貸が可能な中規模オフィスビル開発に乗り出す方針が伝えられており、業容拡大期待も大きい。株価は25日移動平均線から上放れる動きをみせるなど上値指向が強い。

◎東京エレクトロン デバイス <2760>

 電子部品専門商社で設計受託でも実績が高い。社名が示す通り筆頭株主は半導体製造装置トップの東京エレクトロン <8035> で約34%の株式を保有。世界的な半導体不足を背景に商機が高まっているが、具体的には企業のテレワーク導入加速などを受けストレージやセキュリティー関連の需要が増勢で収益チャンスを広げている。20年4-12月期は最終利益段階で17億8600万円(前年同期比38%増)と高い伸びを示した。PER13倍前後と割高感に乏しく、株主還元にも前向きで配当利回りは3%前後と高い。1月15日に上ヒゲでつけた3830円を払拭し4000円台指向に。

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