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【特集】鈴木英之氏【新春特別編 2021年株式市場大展望 今年はどうなる?】(2) <相場観特集>

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

―新型コロナへの不安と政策期待の狭間で紡ぎ出される次のシナリオ―

 2021年相場の幕がついに上がった。昨年は新型コロナウイルスに翻弄されながらも米国株市場を主軸とする世界的な過剰流動性相場が株高を演出、日経平均株価は2万7000円台に突入し30年ぶりの高値圏に舞い上がった。さて、今年はどういう相場展開が待っているのか。新型コロナウイルスに対する“不安”と各国政府や中央銀行による“政策期待”の綱引きが続くなか、ここから考えられるシナリオを第一線で活躍する市場関係者2人にずばり予想してもらった。

●「年前半高で3万円も、後半は出口戦略への警戒台頭か」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

 21年の年間相場は、年前半に上昇するが、後半に値を下げる展開を想定している。日経平均株価の高値は5月に3万円、安値は9~10月に2万3000円前後を予想している。

 昨年の日経平均株価は30年ぶりの高値圏に上昇した。この背景のひとつには、日本企業の純資産が順調に積み上がっていることがあると思う。もし、株価が下落しても連結PBR1倍程度の2万3000円前後が下値メドとなるだろう。

 大発会となったこの日は、新型コロナウイルス感染拡大を背景にした緊急事態宣言の再発令に向けた警戒感が台頭した。ただ、緊急事態宣言は前から言われていたこともあり、それ自体は驚くことではないだろう。今後の状況は油断ができないが、新型コロナウイルスの感染者数の増加ペースは11月と12月を比べてみれば伸びが加速しているわけではない。新型コロナ感染拡大に関しては、いまが一番つらい時期かもしれない。

 そんななか、日経平均株価は5月にかけ発表される日本企業の業績の伸びが評価され、今年の高値をつける可能性がある。一方、年後半にかけては新型コロナウイルスワクチンの効果が出てきた場合、世界的な金融緩和の終了に向けた「出口戦略」が話題となることもあり得るだろう。たとえ金利が上昇に転じなくても、出口戦略という言葉を市場は警戒する展開も予想される。

 新年の注目イベントは、1月に発足する米バイデン政権の行方、7月開催予定の東京五輪、そして衆院選などを視野に入れた日本の政治動向だろう。いずれも市場への影響が考えられるが、東京五輪の開催が難しくなった場合、関連株は売りに押されるかもしれない。

 個別のテーマでは、東京エレクトロン <8035> などの半導体関連株、それにレノバ <9519> などの環境関連株は電気自動車(EV)株なども含め長期での人気が続きそうだ。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)
早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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