【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):キヤノン、日産自、大同特鋼
キヤノン <日足> 「株探」多機能チャートより
電算システム<3630>は反発。28日の取引終了後、行政サービスコンテンツDBの構築に独自のノウハウと実績を持つアスコエパートナーズ(東京都港区)の第三者割当増資を引き受け、資本・業務提携契約を締結したと発表しており、これが好材料視された。今回の提携は、従来とは違った切り口で自治体マーケットでのビジネス拡大を目的としたもの。アスコエパートナーズが提供する「ユニバーサルメニュー」を活用した国や自治体向けのサービス提供の取り組みは、電算システムがこれまで行ってきた決済代行サービスの税金・公共料金収納、BPOサービスの提供、システム開発など各自治体へのサービスと親和性が高いことから、提携によってスピード感をもって相互に新たなビジネスチャンスが生まれるものと期待しているという。
■ヒューリック <3003> 970円 +13 円 (+1.4%) 本日終値
ヒューリック<3003>が反発。前引け後に発表した第2四半期累計(1~6月)連結決算が、売上高1602億6500万円(前年同期比6.3%減)、営業利益469億700万円(同20.3%増)、純利益275億4700万円(同5.4%増)と2割強の営業増益となったことが好感された。前期及び今上期に竣工、取得した物件による不動産賃貸収入の増加に加えて、販売用不動産の売り上げが順調に推移したことが寄与したという。なお、20年12月期通期業績予想は、売上高は発表しておらず、営業利益1000億円(前期比13.1%増)、純利益620億円(同5.4%増)の従来見通しを据え置いている。
■ISID <4812> 5,760円 +40 円 (+0.7%) 本日終値
ISID<4812>は続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付で、投資判断「バイ」を継続し、目標株価を4370円から6810円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。会社側では16日に上期業績予想の大幅上方修正を発表したが、収益性の高い自社製ソフトや電通との協業が業績を押し上げたと指摘。これを受けて、同証券の業績予想も20年12月期の営業利益予想を112億円から125億円へ、21年12月期を同120億円から136億円へ上方修正した。
■芙蓉総合リース <8424> 6,080円 +40 円 (+0.7%) 本日終値
芙蓉総合リース<8424>が高い。午後2時ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高1790億1900万円(前年同期比8.5%増)、営業利益95億7400万円(同2.8%増)、純利益61億9600万円(同0.6%増)となり、第1四半期として過去最高の営業利益となったことが好感された。BPOサービスなどその他事業が牽引役となったほか、営業資産残高が2兆5320億円と前期末比1480億円(6.2%)増加したことも寄与した。なお、21年3月期通期業績予想は、売上高7200億円(前期比1.1%増)、営業利益420億円(同1.4%増)、純利益270億円(同3.1%増)の従来見通しを据え置いている。
■メルコホールディングス <6676> 2,720円 -495 円 (-15.4%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
メルコホールディングス<6676>は急反落。28日の取り引き終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高301億7200万円(前年同期比11.6%増)、営業利益10億3000万円(同15.7%減)、純利益7億200万円(同34.9%減)と2ケタ営業減益となったことが嫌気された。主力のIT関連事業で、テレワークや巣ごもり娯楽、遠隔学習需要などで、Wi-Fi関連商品やストレージ商品などの販売台数は伸長したものの、新型コロナウイルス感染症の影響により貨物運賃が高騰したほか、顧客の需要に応えるべく部材調達を積極的に実施したことで売上原価が上昇し利益を圧迫した。なお、21年3月期通期業績予想は引き続き未定としている。
■日産車体 <7222> 799円 -128 円 (-13.8%) 本日終値 東証1部 下落率3位
28日に決算を発表。「非開示だった今期経常は赤字転落、未定だった配当は13円実施」が嫌気された。
日産車体 <7222> が7月28日大引け後(17:10)に決算を発表。21年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益は58.4億円の赤字(前年同期は9.5億円の赤字)に赤字幅が拡大した。同時に、従来未定としていた今期の上期配当を6.5円(前年同期は6.5円)実施するとし、従来未定としていた下期配当も6.5円実施する方針とした。年間配当は13円となる。
⇒⇒日産車体の詳しい業績推移表を見る
■キヤノン <7751> 1,797.5円 -279.5 円 (-13.5%) 本日終値 東証1部 下落率4位
キヤノン<7751>は前日比10%を超える大幅安で年初来安値を更新している。28日取引終了後に発表した20年12月期上期(1~6月)の連結決算(米国会計基準)で税引き前利益は前年同期比71.9%減の272億8800万円で着地。併せて、非開示だった通期の同利益は前期比64.2%減の700億円と大きく落ち込む見通しを示しており、これが嫌気された。上期の売上高は前年同期比17.8%減の1兆4556億2700万円だった。新型コロナウイルス感染拡大で世界的に経済活動が停滞するなか、オフィス向け複合機やレーザープリンターの販売台数が減少したほか、レンズ交換式デジタルカメラも市場縮小傾向の影響などで販売台数は前年同期を下回った。業績不振に伴い、中間配当は前年同期の80円から40円へ半分に減らす方針とした。なお、年間配当は引き続き未定としている。
■エンプラス <6961> 2,096円 -269 円 (-11.4%) 本日終値 東証1部 下落率7位
エンプラス<6961>が急反落。28日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高69億4700万円(前年同期比16.2%減)、営業利益3億7700万円(同55.7%減)、最終損益9000万円の赤字(前年同期6億3000万円の黒字)となり、最終損益が赤字に転落したことが嫌気された。新型コロナウイルスの感染拡大により、自動車やOA機器の生産・販売が大幅に落ち込んだことを受けて、エンプラ事業で自動車用部品、プリンター用部品、その他エンプラ製品の販売が低調に推移した。また、車載向けやモバイル向け半導体機器の販売も低迷した。なお、21年3月期通期業績予想は引き続き未定としている。
■日産自動車 <7201> 368.1円 -42.7 円 (-10.4%) 本日終値
日産自動車<7201>が急落。同社は28日の取引終了後に決算発表を行い21年3月期の連結最終損益は6700億円の赤字(前期は6712億1600万円の赤字)になる見通しを公表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で新車販売が落ち込むことが響く。また、今期の年間配当は無配(同10円)とすることも明らかにした。この業績悪化が嫌気され、同社株は急落している。なお、第1四半期(4~6月)の連結最終損益は2855億8900万円の赤字だった。
■大同特殊鋼 <5471> 3,135円 -350 円 (-10.0%) 本日終値
大同特殊鋼<5471>が大幅続落。28日の取引終了後、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、売上高を1800億円から1700億円(前年同期比32.7%減)へ、営業損益を30億円の赤字から70億円の赤字(前年同期137億1100万円の黒字)へ、最終損益を25億円の赤字から30億円の赤字(同112億5700万円の黒字)へ下方修正したことが嫌気された。主要需要先である自動車関連及び産業機械の受注が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を想定以上に受けており、自動車関連の受注は第2四半期で回復の兆しが見られるものの、産業機械の受注については引き続き弱含みで推移するとの見通しから業績予想を引き下げたとしている。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高887億8900万円(前年同期比30.5%減)、営業損益24億3100万円の赤字(前年同期63億6500万円の黒字)、最終損益15億5300万円の赤字(同94億8800万円の黒字)だった。
株探ニュース