【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):バンナムHD、国際石開帝石、トヨタ
バンナムHD <日足> 「株探」多機能チャートより
アダストリア<2685>が4日ぶりに反発。2日の取引終了後に発表した5月度の月次売上高で、既存店売上高は前年同月比44.8%減と大幅減で8カ月連続で前年実績を下回ったものの、織り込み済みとの見方が強い。前月に続き、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛や商業施設の休業・営業時間短縮により客数が大幅に減少したという。ただ、EC販売は同50%増になったとしており、これも注目された。
■AGC <5201> 3,355円 +150 円 (+4.7%) 本日終値
AGC<5201>がマドを開けて買われ、一時前日比5.9%高の3395円まで上値を伸ばした。3日取引終了後、英製薬大手のアストラゼネカが米国コロラド州に保有するバイオ医薬品原薬製造工場を買収したと発表しており、これを好感する買いが入った。今回の買収で同社バイオ医薬品生産能力は大幅に増強され、商用段階に最適なラインが2つ加わるという。今までよりも幅広い商用案件や新型コロナウイルス治療薬としての既存薬展開に伴う需要を取り込む構えだ。本格的な受託製造開始は21年4月を予定する。同社グループは、バイオ医薬品CDMO事業を含むライフサイエンス事業を戦略事業のひとつと位置付けており、25年に1000億円以上の売り上げ規模を目指している。
■バンナムHD <7832> 6,431円 +286 円 (+4.7%) 本日終値
バンダイナムコホールディングス<7832>が大幅に3日続伸。水戸証券は2日、同社株の目標株価を7500円から7600円に引き上げた。レーティングの「A」は継続した。20年3月期の連結営業利益は前の期比6.3%減の787億7500万円だったが、玩具などトイホビーなどが好調だった。21年3月期業績予想は未定だが、同利益は前期比約3%増の810億円と予想。新型コロナウイルスの影響でアミューズメント(AM)施設運営やイベント関連に影響が出ることも予想されるが、家庭用ゲームの好調で相殺されるとみている。新型コロナの影響が小さくなる22年3月期の同利益は1110億円と大幅増益を見込んでいる。
■栄研化学 <4549> 1,976円 +86 円 (+4.6%) 本日終値
栄研化学<4549>は急速に切り返し。きょう10時30分ごろ、体外診断用医薬品「Loopamp新型コロナウイルス 2019(SARS-CoV-2)検出試薬キット」について、厚生労働省に検体種に唾液を追加適用する一部変更申請を行い、2日に承認されたと発表しており、これが材料視された。なお同日、厚労省の通知により、唾液についても公的医療保険適用の対象になったとしている。
■DMG森精機 <6141> 1,411円 +52 円 (+3.8%) 本日終値
DMG森精機<6141>は続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が2日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」とし、目標株価を1400円から1700円へ引き上げたことが好材料視された。同証券では、新型コロナウイルスの流行により20年12月期営業利益予想を209億円から82億円へ下方修正したが、5軸化や自動化の進展による製品ミクスの改善、デジタル化による販売活動の効率化、人件費などの固定費削減策など、新型コロナを契機とする収益改善策により、21年12月期は業績回復に向かうと予想。営業利益予想を331億円から372億円へ引き上げている。
■リプロセル <4978> 461円 +17 円 (+3.8%) 本日終値
リプロセル<4978>が大幅高。2日の取引終了後、新型コロナウイルスのワクチンや治療法、検査法の開発に用いるための、研究用生体試料サンプルの供給を開始すると発表しており、これが好感された。今回供給するのは、新型コロナウイルス感染者及び非感染者から採取した血漿・血清サンプル(血液の液体成分)で、同社ではこれらの提供により、新型コロナウイルス治療法・検査法の研究開発に貢献したいとしている。
■ユナイテッドアローズ <7606> 1,962円 +50 円 (+2.6%) 本日終値
ユナイテッドアローズ<7606>は3日続伸。2日の取引終了後に発表した5月度の売上概況(速報)で、小売りとネット通販を合わせた既存店売上高は前年同月比46.2%減と3カ月連続で前年実績を下回ったが、前月の62.3%減から減収率が縮小したことが好感されたようだ。5月は段階的に営業実店舗数が増えたものの、単体店舗数の7割強の営業にとどまったことが響いた。ネット通販売り上げの拡大を図ったもの、前年比マイナスを余儀なくされた。なお、全社売上高は同53.2%減だった。
■国際石油開発帝石 <1605> 774.2円 +17.2 円 (+2.3%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>が高い。2日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前日比1.37ドル高の1バレル=36.81ドルに上昇した。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど産油国から構成される「OPECプラス」は7月以降も現行の協調減産を続ける見通しと伝わったことを好感する買いが流入した。
■トヨタ自動車 <7203> 6,915円 +141 円 (+2.1%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>や日産自動車<7201>、ホンダ<7267>など自動車株が高い。前日のNYダウが上昇したほか、為替市場で円安が進行したことが好感された。午前9時30分時点で1ドル=108円70銭前後と前日夕方に比べ1円近いドル高・円安で推移。トヨタの21年3月期想定為替レートは1ドル=105円に設定されており、足もとの円安は業績の改善要因となる。
■デンカ <4061> 2,758円 +43 円 (+1.6%) 本日終値
デンカ<4061>は3日続伸。2日の取引終了後、新型コロナウイルスの治療薬として期待されている抗インフルエンザ薬「アビガン」の原料出荷を6月1日に開始したと発表したことが好感された。出荷を開始したのはマロン酸ジエチルで、青海工場(新潟県糸魚川市)から出荷したという。同社では、政府が緊急経済対策として決定した「アビガン」の備蓄量200万人分への拡大に向け原料メーカーとして速やかに供給を行うとともに、簡易検査キットの1日も早い量産化を目指すとしている。
株探ニュース