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【市況】大きく下押す局面においては、長期スタンスの買いが意識される/オープニングコメント

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

 18日の日本株市場は、新型コロナウイルスによる感染拡大を警戒しつつ、報道等に振らされやすい相場展開になりそうだ。17日の米国市場は、プレジデンツデーの祝日となるため、海外勢のフローは限られるだろう。欧州市場は全般小じっかりであるため、比較的底堅いスタートが見込まれる。一方で、昨日のアジア市場は中国・上海市場や香港は上昇したが、日本のほか、台湾、韓国、ベトナム、シンガポール、インドなどは下落していることもあり、新型コロナウイルス感染拡大への警戒感を一段と強める状況である。

 中国では抗マラリア薬「クロロキン」が有効との見解が伝えられているが、こういった報道は信ぴょう性に欠けるとみられ、楽観的な見方にはつながらないだろう。短期筋の先物売買によって動きが出たとしても、足元でトレンドが悪化傾向になるため、追随する流れにはなりづらく、短期的な需給に振らされる格好になりそうだ。

 一方で、国内では東京マラソンの一般参加が中止になるなど、様々なイベントが中止となっている。証券界でもカンファレンスなどを中止する動きもみられており、横並び体質の日本企業を鑑みれば、今後もイベント中止が相次ぐことになり、日本経済への影響を警戒する流れが強まり、より慎重な売買に向かわせることになりそうだ。足元ではマスクなど新型肺炎関連への物色が再燃していることもあり、短期売買が中心。決算発表が先週末で一巡しているが、改めて業績面を見直した物色も期待しづらいところ。

 昨日発表された10-12月期GDPは、実質の季節調整値で前期比1.6%減、年率換算で6.3%減だった。コンセンサスは年率で3.9%減だったこともあり、予想以上の悪化に。日本経済は5四半期ぶりのマイナス成長に沈んだが、足元では新型コロナウイルスによる感染拡大に伴う経済への影響が警戒されていることもあり、一段の悪化が不安視されている中では、ショートカバーの勢いも期待しづらいところではある。

 もっとも、日経平均は一先ず75日線レベルで下げ渋る格好となり、下ヒゲを残す形となっている。海外勢のフローは限られるため、先物主導のインデックス売買に引き続き振らされやすい需給状況ではあるものの、早期に25日線レベルを回復してくることが出来れば、マド埋め後の調整一巡感からのリバウンドといった見方にもなろ。

 また、前日の動きをみても、大きく下押す局面においては、長期スタンスの買いが意識される。新型肺炎のピークを見極めつつ、長期スタンスでの押し目を狙いのタイミングを待ちたい。
《AK》

 提供:フィスコ

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