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【市況】明日の株式相場戦略=日経レバと日経Dインバが示唆する相場の実態

 きょう(12日)の東京市場は、目先過熱感が意識されるなか、香港情勢を横目に積極的な買いは入りにくいと思われたが、結果として目先筋の利益確定売りは押し目買いで完全に吸収される格好となり、日経平均は上値を指向する展開となった。特に後場1時半過ぎからの動きは圧巻で、海外短期筋の先物買いが主導する形でほぼ一本調子の上昇、例によってアルゴリズム売買のスイッチが入った相場は上にも下にも定規で線を引くようなトレンドを描く。結局、日経平均株価は188円高の2万3520円で着地し年初来高値を更新した。

 全体売買代金をみても分かるように過熱感なき上昇相場が続いている。日経平均の1月から3月にかけての上昇と9月から11月にかけての上昇を“日足チャート”で見比べると、後者の方が「マド開け」が断然目立つ。典型的な踏み上げ相場の軌跡が刻まれている。

 空売りの買い戻しが一巡するというのは、売り方の撤退を意味するが、売り直しているとすればそれは撤退ではない。全体相場のバロメーターとして注目される日経平均2倍連動型ETFのNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>は、直近の信用倍率が0.7倍と売り長で、日証金では貸借倍率0.2倍、1日5円の逆日歩がついている。また、この日経レバの裏銘柄で日経平均と逆方向に連動するNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>は買い残が急増、つまり「相場が崩れれば利益が出る」というほうに玉を建てている向きが圧倒的に多いことが分かる。いわば、今の相場は売り方の再挑戦もしくは売り方への宗旨替えの動きが続いている状況で、これが踏み上げの下地となっている。

 これまで蚊帳の外にあった中小型株に株価を急動意させる銘柄が相次いでいるが、大幅高に買われた後でも視点を引いて中長期波動で眺めれば、紛れもなく初動といってよい水準にあるケースが多く、これが買う側の拠りどころとなっている。ひとつだけ市場関係者の間で気にされているのは東証1部と東証2部、ジャスダック市場の全体指数が日経平均を先頭に概ね似通ったトレンドを形成しているのに対し、マザーズ指数 だけが取り残されていること。内需系小型株の業績に対する警戒心が強いことを反映しているが、今後、このマザーズ指数が首尾よく日経平均にキャッチアップしていく展開となるのかどうかを注視したい。

 個別では、きょうは天昇電気工業<6776>が好決算発表を受け一時ストップ高に買われる人気となったが、その類似銘柄的な位置にある旭化学工業<7928>も立ち上がってきた。両銘柄は自動車部品を主力とするプラスチック成形品メーカーとして共通項があるが、旭化学はPER9倍前後でPBRは0.4倍と天昇電と比較しても割安圏での放置が際立っている。目先急動意しているものの、2年さかのぼって17年秋口からの週足チャートをみれば、底値圏で鎌首をもたげた矢先という段階にあり、信用買い残なども薄く、ここまでノーマーク銘柄であった強みが生かされそうだ。

 このほか、政府が各省庁のシステムの全面的なクラウド化に動き始めたことが伝わるなか、周辺銘柄に改めて物色の矛先が向かいそうだ。何といっても国が動き出せば投資テーマとして厚みが出てくる。コムチュア<3844>やフリービット<3843>、システナ<2317>、インフォマート<2492>、ネオス<3627>といったところがクラウド関連の一角として有力だが、株価に瞬発力があり目先好チャートを形成しているビーマップ<4316>あたりに目先妙味を感じる。また、値運びはおとなしいが、好業績でキャッシュレス決済関連でもある電算システム<3630>も要マーク、こちらは中期視野で絶好の買い場となっている可能性がある。

 日程面では、あすは朝方取引開始前に10月の国内企業物価指数が発表される。海外では10月の米消費者物価指数(CPI)、10月の英CPIなど。また、ニュージーランド中銀が政策金利を発表する。このほか、米議会の上下両院合同経済委員会でパウエルFRB議長の証言が予定されており注目となる。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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