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【特集】いちご Research Memo(5):2020年2月期は過去最高だった19年2月期並みの業績予想。成長への先行投資

いちご <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の見通し

いちご<2337>の2020年2月期通期の業績予想(連結)は、営業利益で前期比0.8%増の26,500百万円、経常利益で同1.2%減の22,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.4%減の15,000百万円と過去最高の業績だった前期と同水準を維持する見込みだ。収益力は向上しているが、成長への先行投資を並行して行うため、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、1株当たり当期純利益に関しては微減予想となった。

セグメント別には心築事業のセグメント利益貢献が大きく、23,312百万円(前期比2.8%増)を見込む。内訳としては、所有資産の賃料などのストック収益が約半分、物件売買による売却益などのフロー収益が約半分。将来的にはストック収益の比率をさらに増やす方針だ。保有する不動産の期末時点の含み益(鑑定ベース)は50,916百万円(前期比5,477百万円増)だが、過去の実績では、売却時に含み益の2.5倍(2019年2月期実績)の売却益を実現してきたことからも潜在的な収益力は大きい。いちごオーナーズによる回転率の高い売買も拡大しており、心築事業には好材料が多い。

アセットマネジメント事業はベース運用フィーを横ばい、フロー収益は保守的な前提の予想である。例年通り、いちごオフィス・いちごホテル・いちごグリーンの各上場投資法人の公募増資(PO)や資産の売買を織り込んでいない。POの環境が整えば、スポンサーである同社からの物件譲渡がなされる可能性がある。クリーンエネルギー事業のセグメント利益予想は横ばい。前期は期初に売電開始が多かった一方、今期は新規開発の発電所の売電開始が期末に近いことや保守的な天候予測を前提に計画を策定しているためである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SF》

 提供:フィスコ

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