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【通貨】欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米利上げ期待後退もドルの選好地合い

米ドル/円 <日足> Slowストキャス 「株探」多機能チャートより

23日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想したい。米連邦準備制度理事会(FRB)による年内利上げ期待は後退し、積極的なドル買いは入りづらい。ただ、欧州議会選などのリスク要因が警戒され、ドル選好地合いは続きそうだ。4月30日-5月1日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、政策決定について「当面は辛抱強いアプローチが適切」との意見を共有したことが明らかになった。FRBは現行の金利水準を適切とみていると理解され、利下げの見方は後退。同時に年内利上げの期待も弱まりつつある。

ただし、日程的に米中貿易摩擦が表面化する前の議論であり、今後の減速を織り込んでいないため、議事要旨の市場への影響は参考程度とされる。本日のアジア市場では日本株や中国株、欧米株式先物の軟調地合いで今晩の株安を警戒した円買いに振れやすい展開となった。この後の欧米市場では、引き続き米中対立が警戒されるが、欧州のリスク要因も意識されやすい。メイ英首相は欧州連合(EU)離脱の是非を問う2回目の国民投票を示唆しつつ、合意案を来月にも議会に提出する方針だが、さらに混迷が見込まれるためポンドは買いづらいだろう。

また、本日から始まる欧州議会選で、反EUの右派勢力の台頭を示す投票結果となることを警戒したユーロ売りも見込まれる。欧州通貨との比較でドル選好地合いは継続し、この影響でドル・円は底堅く推移しそうだ。本日発表される米マークイット5月製造業PMIが前回並みの内容だった場合、株価を押し上げ、ドル買いにつながる可能性がある。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 独・5月IFO企業景況感指数(予想:99.1、4月:99.2)
・17:00 ユーロ圏・5月製造業PMI速報値(予想:48.1、4月:47.9)
・17:00 ユーロ圏・5月サービス業PMI速報値(予想:53.0、4月:52.8)
・20:30 欧州中央銀行(ECB)の4/10理事会議事要旨
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.5万件、前回:21.2万件)
・22:00台 南ア中銀が政策金利発表(6.75%に据え置き予想)
・22:45 米・5月製造業PMI速報値(予想:52.7、4月:52.6)
・22:45 米・5月サービス業PMI速報値(53.5、4月:53.0)
・23:00 米・4月新築住宅販売件数(予想:67.5万戸、3月:69.2万戸)
・02:00 米ダラス、サンフランシスコ、アトランタ、リッチモンド各地区連銀総裁がパネル討論参加

《FA》

 提供:フィスコ

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