【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):三井金、東エレク、ピーエイ
三井金 <日足> 「株探」多機能チャートより
三井金属<5706>が5日続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が20日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続しつつ、目標株価を3840円から3640円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では、20年3月期は、中国販売減に起因する自動車部品の減収減益は不可避と指摘。20年3月期の営業利益予想を310億円から270億円へ、21年3月期を同350億円から320億円へ引き下げた。ただ、今後拡大する5G関連投資を考慮すると株価のアップサイドが出てきているとの見方は変えておらず、インフラ投資増加による基地局向け高機能箔の増加(20年3月期下期)、5G対応端末の極薄銅箔の使用原単位増(21年3月期上期)の2つの恩恵の波を見込んでいる。
■東京エレクトロン <8035> 15,420円 -295 円 (-1.9%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、ディスコ<6146>など半導体製造装置関連やSUMCO<3436>、信越化学工業<4063>など半導体素材メーカーが総じて売り込まれる展開。前日の米国株市場では中国通信機器最大手ファーウェイへの輸出規制に絡み、クアルコムなどをはじめ同社と取引のある米半導体関連株が大幅安を余儀なくされており、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4%を超える下落、この流れが東京市場にも波及している。米国政府のファーウェイへの制裁発動は中国側の報復措置も予想され、両国間の貿易戦争が泥沼化することへの懸念も浮上している。日本の半導体関連銘柄にもリスク回避の売り圧力が警戒される局面にある。
■武蔵精密工業 <7220> 1,337円 -25 円 (-1.8%) 本日終値
武蔵精密工業<7220>が続落。SMBC日興証券が20日付で、投資評価「1」を継続しつつ、目標株価を1900円から1700円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。ホンダの二・四輪車生産前提が想定より低いことや、来るべき電動化に備えた高水準な研究開発費や設備投資継続を織り込み、20年3月期の営業利益予想を180億円から155億円(前期比9.9%増)に下方修正したことが要因という。
■小糸製作所 <7276> 5,370円 -50 円 (-0.9%) 本日終値
小糸製作所<7276>が下げ幅を縮小。この日、ドイツのブリックフェルド社(ミュンヘン)と、共同で小型LiDARのサンプルを試作し、ヘッドランプに搭載するための検討を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。小糸製の自動車照明器技術とブリックフェルド社の高性能LiDAR技術を組み合わせることで、自動車メーカーは高性能なLiDARを一つの統合部品として車両に搭載することが可能となるという。また小糸製では、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムでの採用が期待できるとしている。
■ピーエイ <4766> 297円 +80 円 (+36.9%) ストップ高 本日終値
ピーエイ<4766>が急反発。株価は75日移動平均線が走る220円近辺で収れんしており、目先もみ合い上放れの動きを鮮明としてきた。同社は20日取引終了後、キレイコム社などと日本企業に対するベトナム越境ECの支援事業を展開するジョイントベンチャー「PAエンタープライズ」を7月に設立し、同月から事業を開始すると発表した。インターネットによる情報提供サービスやネットコンテンツ及びショッピングモールの企画運営などを行う。これによる業容拡大効果に期待した買いを引き寄せている。
■ケア21 <2373> 1,640円 +300 円 (+22.4%) ストップ高 本日終値
関西を地盤に介護サービスを展開するケア21 <2373> [JQ]がストップ高。20日大引け後、19年10月期上期(18年11月-19年4月)の連結経常利益を従来予想の8000万円→3億円に3.8倍上方修正し、4期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。新規出店を含めより高い効果が見込める施策へのシフトで投資効率の改善が進んだことが寄与。前期に出店した介護施設の稼働率向上に加え、水道光熱費や消耗品費の削減なども上振れに貢献した。
■多摩川ホールディングス <6838> 982円 +150 円 (+18.0%) ストップ高 本日終値
多摩川ホールディングス <6838> [JQ]がストップ高。20日大引け後に発表した19年3月期の連結最終損益は1億2800万円の黒字(前の期は1億4600万円の赤字)に浮上し、従来予想の3500万円の黒字を上回って着地。続く20年3月期は前期比2.5倍の3億1900万円に拡大する見通しとなったことが買い材料視された。前期は袖ヶ浦林発電所の譲渡益が発生したことが上振れの要因となった。今期は高周波回路素子を軸とする電子・通信用機器事業で海外向けの受注拡大を見込む。太陽光発電所の売却に加え、売電収入が伸びることも大幅増益に貢献する。
■イメージ情報開発 <3803> 737円 +100 円 (+15.7%) ストップ高 本日終値
イメージ情報開発<3803>がストップ高。イメージデータ処理で出発した同社は近年ではM&Aの活用による多角化経営を図っており、グループ企業間の相乗効果と外部人材リソースの活用によるシステム構築受注が拡大している。20日取引終了後に発表した20年3月期連結見通しでは、営業損益は100万円の赤字(前期同期は4700万円の赤字)と急改善し、更に最終損益は3400万円の黒字(同1億5600万円の赤字)と4期ぶりに黒字化する見通しとなった。これを好感した買いが流入したようだ。
●ストップ高銘柄
価値開発 <3010> 161円 +50 円 (+45.1%) ストップ高 本日終値
地域新聞社 <2164> 1,351円 +300 円 (+28.5%) ストップ高 本日終値
セキド <9878> 1,602円 +300 円 (+23.0%) ストップ高 本日終値
幸和製作所 <7807> 1,750円 +300 円 (+20.7%) ストップ高 本日終値
フジタコーポレーション <3370> 999円 +150 円 (+17.7%) ストップ高 本日終値
など、9銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース