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【特集】清水洋介氏【下値模索続く東京マーケット、転機と戦略を探る】(2) <相場観特集>

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

―米中摩擦の余波、反転の可能性と注目すべき個別株―

 週明け13日の東京株式市場はリスク回避ムードが継続し、日経平均株価は引き続き下値模索の展開を余儀なくされた。トランプ米政権が中国製品に対する関税を引き上げたことで米中貿易摩擦問題に対する警戒感が高まっている。ただ、目先は思惑先行で売られ過ぎとのムードも漂い始めた。ここは、ディスカウントされた銘柄を拾うチャンスとなるのかどうか。当面の全体相場の見通しと上値が期待される個別株について、先読みに定評のある市場関係者2人に意見を聞いた。

●「夏場に向け下値探る展開、食品株など再評価余地」

清水洋介氏(Argo Navis フィナンシャルコンシェルジュ)

 日経平均は、夏場に向け下値を探る展開が続くとみている。足もとで発表が続く日本企業の決算の内容は、いまひとつで業績面に不安がある。また、米国と中国は通商協議で歩み寄るという期待は剥落した。今年秋に向けては英国のEU離脱(ブレグジット)に向けた不安がぶり返すことも予想される。

 今後、1ヵ月程度の日経平均のレンジは下値が2万1000円、上値は2万2500円程度とみている。軟調なトレンドを予想するが、特に7~8月の夏場に向けては2万円割れもあり得ると思う。信用空売りを背景にした買い戻しも一巡しつつあり、買い材料は限られるなか、外国人投資家は売り基調を継続するだろう。

 4月下旬の2万2300円を天井にした下落を予想しており、下げ相場という点では昨年10月から年末にかけての下落と似たような局面を想定している。

 為替レートは1ドル=108円50~111円00銭前後を中心とする推移を見込む。

 個別銘柄では、食品株に投資妙味があるとみており、明治ホールディングス <2269> や森永乳業 <2264> などに注目している。また、JT <2914> やパナソニック <6752> は売られ過ぎであり、株価は割安だと思う。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(しみず・ようすけ)
大手証券会社に入社後、外資系証券会社、外資系オンライン証券会社などを経て、証券アナリスト、テクニカル分析の第一人者として、「チャートの先生」「ストラテジスト」の役割でテレビのレギュラー出演や雑誌の連載などで活躍。現役ディーラーとしても日々相場と対峙している。10年以上続いているメールマガジン「日々是相場」や投資に関しての講演などを行っている。2014年5月株式スクール開校、証券投資の本質、株式投資の楽しさを啓蒙している。

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