【市況】前場に注目すべき3つのポイント~米中閣僚級協議を警戒しつつ、急ピッチの下げに対する買い戻しも意識
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:米中閣僚級協議を警戒しつつ、急ピッチの下げに対する買い戻しも意識
■前場の注目材料:ソフトバンク、今期営業利益23.7%増計画でコンセンサス上回る
■トヨタ、売上高30兆円、日本企業初、世界販売が拡大、前3月期
■米中閣僚級協議を警戒しつつ、急ピッチの下げに対する買い戻しも意識
9日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開が続きそうだ。米政府は中国製品への制裁関税を25%に引き上げると正式に通知する一方で、中国側は米国が関税を引き上げた場合、必要な対抗処置を取ると表明している。その中で9日に始まる米中閣僚級協議への思惑から買い戻しも入り、8日の米国市場は売買が交錯した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比55円安の21525円。円相場は1ドル110円前半で推移している。
日経平均は連日で300円を超える下落となっており、支持線として意識されていた25日線を割り込んでいる。ただ、昨日はギャップ・ダウンで始まった後は、21500-21600円レベルでの狭いレンジ取引となっており、本日も21500円処での下げ渋りは意識されそうだ。また、直近で700円程度下げていることもあり、米中閣僚級協議を警戒しつつ、急ピッチの下げに対する買い戻しの動きも意識されやすいところである。
また、インデックス売買に振らされやすい需給状況であるが、決算発表がピークを迎える中、決算を手掛かりとした個別物色は活発であろう。昨日決算を発表したトヨタ<7203>はコンセンサスを下回るものの、自社株買いの発表が材料視される局面もみられていた。プラスは維持できなかったが、下げ渋る動きがみられてくるようだと、市場全体への落ち着きにもつながりやすい。
その他、引け後の決算ではソフトバンク<9434>がコンセンサスを上回る見通しを発表している。個人の需給面でシコリを残していることもあり、リバウンドを強めてくるようだと、個人のセンチメントにも好影響を与えてくる可能性がある。その他は、全般手掛けづらい中で、中小型の好業績銘柄や好需給銘柄などへ短期的な値幅取り狙いの資金が向かう流れになりそうだ。
■ソフトバンク、今期営業利益23.7%増計画でコンセンサス上回る
ソフトバンク<9434>が発表した2019年3月期決算は、売上高が前期比4.6%増の3兆7463.05億円、営業利益が同12.8%増の7194.59億円だった。20年3月期については、売上高は2.1%増の4兆8000億円、営業利益が3.5%増の8900億円を見込んでいる。コンセンサス(7250億円程度)を上回る。
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(25967.33、+2.24)
・米原油先物は上昇(62.12、+0.72)
・日銀のETF購入
・追加金融緩和への期待
・消費増税の延期観測
・トヨタ<7203>売上高30兆円、日本企業初、世界販売が拡大、前3月期
・マツダ<7261>ロータリーEV延期、21年以降、コスト面など壁
・ソフトバンク<9434>ヤフー<4689>子会社化、来月、4565億円で株追加取得
・NEC<6701>米バイオVBに56億円出資、創薬・医療事業拡大
・ゆうちょペイ開始 国内最大の口座数、活用課題
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・10:00 黒田日銀総裁が参院財政金融委員会に出席(日銀半期報告について)
<海外>
・10:30 中・4月消費者物価指数(前年比予想:+2.5%、3月:+2.3%)
・10:30 中・4月生産者物価指数(前年比予想:+0.6%、3月:+0.4%)
《SF》
提供:フィスコ