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【市況】平成最後の取引は年初来高値更新で締め括りたい【クロージング】

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより

25日の日経平均は反発。107.58円高の22307.58円(出来高概算12億2000万株)で取引を終えた。終値ベースで22300円を回復したのは昨年12月3日以来となる。ファナック<6954>がコンセンサスを大きく下回る見通しを発表しており、日経平均の重石となる可能性が警戒されていたが、自社株買いを発表していることもあってか、下げは限定的だった。また、日銀の金融政策決定会合では、金融緩和策は現状維持を決めた。また、金融政策の先行き指針の変更を決めており、金融政策発表後はじりじりと上げ幅を広げる展開となっている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは陸運、その他製品、不動産、小売、石油石炭、建設、化学がしっかり。半面、非鉄金属、鉱業、証券、輸送用機器が小安い。指数インパクトの大きいところでは、花王<4452>、ユニファミマ<8028>、中外薬<4519>、アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>が堅調。一方で、ファーストリテ<9983>が重石となった。

ポジティブな決算に素直に反応する一方で、ネガティブな決算に対する市場反応は限られているように映る。もっとも、ネガティブな決算に対する反応としては、アク抜けというよりは決算本格化、大型10連休を前に積極的なポジションは取りづらい中で、ポジションを圧縮していた影響であろう。そのため、連休明け後は改めて判断されることになりそうだ。

また、日銀会合では緩和継続による金融機関の収益悪化や市場機能の低下といった副作用に配慮する方針も示された。日銀が資金供給先の銀行から受け取る担保の信用力基準を緩めたり、日銀が保有するETFを市場参加者に一時的に貸し付ける制度を導入したりすることを検討するとしている。金融株などへは売られ過ぎによる修正の動きが期待されてくる可能性がありそうだ。

明日は大型連休前の最終売買となるが、ファナックの市場反応を見る限りでは、ポジション圧縮は一巡しているとみられる。連休前に新たなポジションの積み上げは考えづらく、短期筋の値幅取り狙いが中心になりそうだ。平成最後の取引となることもあり、年初来高値更新で締め括り、連休明け後の令和相場に期待したいところであろう。

《CN》

 提供:フィスコ

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