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【特集】田部井美彦氏【相場に春の息吹、日経平均株価の上値どこまで】(2) <相場観特集>


―2万1500円を終値で突破、新年度相場への期待感も―

 週明け18日の東京株式市場は、前週末の強い地合いを引き継ぎ日経平均株価が続伸。心理的フシ目の2万1500円ラインを終値ベースで上回ってきた。米中摩擦への警戒感が完全に払拭されたわけではなく、今後は日本と米国の間で自動車関税引き上げを巡る通商協議が控えている。依然、楽観視できないとはいえ、それでも全体相場の体感温度はひと頃より上昇していることは間違いない。季節同様に日本株にも春が訪れるのかどうか、先読みに定評のある市場関係者2人に今後の相場展開と物色の方向性について意見を聞いた。

●「3月中は2万1000円台での推移に」

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

 東京株式相場を巡る外部環境は、英国のEU(欧州連合)からの離脱が条件付きで6月末まで延長される可能性が浮上し、3月中とされていた米中首脳会談も4月以降に先送りされるなど、不透明感が増している。ただ、現地19~20日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げについて慎重な姿勢を継続することが予想され、日本の株式市場にとってもプラス材料となりそうだ。今後、3月期末にかけては、配当の権利取りや機関投資家によるウィンドウ・ドレッシングも想定されることから、日経平均は2万1000円台での推移となりそうだ。

 4月新年度に入ると、米中貿易摩擦などによる輸出関連企業の業績下振れ懸念や、20年3月期業績の慎重見通しなどが足かせとなって、株価については、やや軟調な推移を想定しておいた方がよさそうだ。外国為替市場での円相場も、現状に比べて円安・ドル高方向へ進展する可能性は少ないと判断している。従って、4月入り以降の日経平均は、2万~2万1000円のレンジでの推移と想定している。

 個別銘柄では、消費者向けEC(電子商取引)業者に決済処理サービス提供しているGMOペイメントゲートウェイ <3769> に注目。同社の19年9月期第1四半期(2018年10月~12月)連結決算は、売上高は82億4600万円(前年同期比35.2%増)、営業利益は20億7600万円(同30.2%増)、最終利益は10億7900万円(同25.4%増)と大幅な増収増益となっている。EC市場の拡大を背景に、主力のカード決済代行が拡大したうえ、後払い型の決済サービスの取扱高も大きく伸びている。今後、キャッシュレス決済の拡大でビジネスチャンスが大きく拡大しそうだ。

 2つ目は、セラミックコンデンサーで断トツの世界シェアを占める村田製作所 <6981> に注目。短期的には、スマートフォンのハイエンド機種の売れ行き低調がマイナス材料視されているものの、中期的には電気自動車など車載向け拡大による成長が見込める。3つ目は、サバ缶詰の値上げで話題を集めている日本水産 <1332> に注目。今後は食品類のコンビニエンスストアでの販売拡大が見込めるのをはじめ、医薬品向け原末などファインケミカル事業の成長も見込める。

(聞き手・冨田康夫)

<プロフィール>(たべい・よしひこ)
内藤証券シニアアナリスト。株式市況全般、経済マクロの調査・分析だけでなく、自動車、商社、アミューズメント、機械などの業種を担当するリサーチアナリストとして活動。年間200社程度の企業への訪問、電話取材、事業説明会への参加などを通して「足で稼ぐ調査・情報の収集」に軸足を置いている。

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