【市況】6日の米国市場ダイジェスト:NYダウは79ドル安、米中交渉進展に懐疑的な見方が広がる
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
■NY株式:NYダウは79ドル安、米中交渉進展に懐疑的な見方が広がる
米国株式相場はまちまち。ダウ平均は79.40ドル安の24947.67、ナスダックは29.83ポイント高の7188.26で取引を終了した。中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)幹部の逮捕を受けて、米中貿易交渉への影響懸念からアジア・欧州株が全面安となり、米国株にも売りが先行。本日のOPEC(石油輸出国機構)総会や、明日のOPEC非加盟国を加えた閣僚級会合を見極めたいとの思惑から、原油相場が下落したことも相場の重しとなった。ダウ平均は一時800ドル近い下落となったものの、引けにかけて急速に下げ幅を縮小する展開となった。セクター別では、不動産やメディアが上昇する一方で自動車・自動車部品や銀行が下落した。
米中関係の悪化が懸念され、中国での売上比率の大きい航空機メーカーのボーイング(BA)や建設機械のキャタピラー(CAT)が下落。半導体のブロードコム(AVGO)も同様の懸念から軟調推移。携帯端末のアップル(AAPL)は、一部アナリストによる目標株価引き下げを受け売られた。大手行のシティ・グループ(C)は、10-12月期の低調な債券トレーディング収入見通しが嫌気されたほか、通期の収益率目標達成が困難との見方を示し下落。バンク・オブ・アメリカ(BAC)やJPモルガン(JPM)などにも売りが広がった。
配車サービス大手リフトが新規株式公開(IPO)のため、SEC(米証券取引委員会)に登録届出書を提出したことが明らかとなった。
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■NY為替:米中関係悪化を警戒してドル売り優勢
6日のニューヨーク外為市場でドル・円は、112円83銭から112円24銭まで下落し、112円66銭で引けた。10月米貿易収支で赤字幅は予想以上に拡大したほか、米11月ADP雇用統計が予想を下回ったため、利上げペース鈍化の思惑が強まり、米債利回り低下に伴うドル売りに拍車がかかった。また、中国の通信機器メーカー大手ファーウェイの副会長逮捕の報道を受けて、米中関係が再び悪化し、米国や世界経済の成長に響くとの警戒感も強まりリスク回避の円買いが観測された。
ユーロ・ドルは、1.1346ドルから1.1413ドルまで上昇し、1.1378ドルで引けた。ユーロ・円は、127円68銭まで下げた後に128円31銭まで買われる展開。株安が一服したことが意識されたようだ。ポンド・ドルは、1.2751ドルから1.2812ドルまで上昇。ドル・スイスは、0.9962フランから一時0.9895フランまで下落した。
■NY原油:続落で51.49ドル、OPEC総会で減産合意できず
NY原油先物1月限は続落(NYMEX原油1月限終値:51.49 ↓1.40)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は前日比-1.40ドルの51.49ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めて50.08ドルまで下落した。この日発表された米週間在庫統計で原油在庫の減少幅は市場予想を上回ったが、石油輸出国機構(OPEC)総会で減産について合意できなかったことから、原油先物の上値は重くなった。米国株式が一時大幅安となったことも嫌気されたようだ。サウジアラビアは大規模な減産を提案しているが、ロシアは減産を準備していないと報じられている。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 26.28ドル -0.56ドル(-2.09%)
モルガン・スタンレー(MS) 42.61ドル -0.51ドル(-1.18%)
ゴールドマン・サックス(GS)184.09ドル -0.22ドル(-0.12%)
インテル(INTC) 48.37ドル +0.62ドル(+1.30%)
アップル(AAPL) 174.72ドル -1.97ドル(-1.11%)
アルファベット(GOOG) 1068.73ドル +17.91ドル(+1.70%)
フェイスブック(FB) 139.63ドル +1.70ドル(+1.23%)
キャタピラー(CAT) 128.37ドル -0.95ドル(-0.73%)
アルコア(AA) 29.65ドル -0.75ドル(-2.47%)
ウォルマート(WMT) 94.77ドル -0.52ドル(-0.55%)
スプリント(S) 6.13ドル -0.03ドル(-0.49%)
《SF》
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