【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):大京、富士通ゼ、信越化
大京 <日足> 「株探」多機能チャートより
大京<8840>がストップ高。26日取引終了後オリックス<8591>がTOB(株式公開買い付け)を実施し、完全子会社化を目指すことを発表、これがポジティブサプライズとなった。TOB価格は1株2970円で26日終値を24%上回る水準(買い付け期間は10月29日から12月10日まで)。時価はそれにサヤ寄せする動きとなっているが、きょうは値幅制限上限の2896円まで買われても、まだTOB価格には2.5%届かない。目先は上値を見込んだ短期資金の買いが集中している。なお、オリックスも不動産事業における総合力が高まるとの思惑から買いが先行した。
■日本車輌製造 <7102> 2,884円 +253 円 (+9.6%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
日本車両製造<7102>が急反発。前週末26日の取引終了後、19年3月期の連結業績予想について、売上高を880億円から910億円(前期比4.5%減)へ、営業利益を28億円から46億円(同36.7%減)へ、最終利益22億円から43億円(前期88億2100万円の赤字)へ上方修正したことが好感された。建設機械事業をはじめとした各事業が堅調に推移していることに加えて、各事業で利益率が向上していることが要因としている。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高350億4700万円(前年同期比22.4%減)、営業利益33億6100万円(同39.6%減)、最終損益36億8900万円の黒字(前年同期154億4600万円の赤字)だった。
■三栄建築設計 <3228> 1,593円 +126 円 (+8.6%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
三栄建築設計<3228>は急反発。前週末26日の取引終了後、21年9月期を最終年度とする中期経営計画を発表しており、最終年度に売上高1500億円(18年8月期1006億円)、経常利益125億円(同77億円)を目指すとしたことから、意欲的な中計と評価されたようだ。三大都市圏(首都圏・中京圏・関西圏)でのシェア拡大を経営戦略の主軸とするほか、19年8月期から業績に寄与する海外事業を含めてグループ全体で事業拡大を図るという。同時に、未定としていた19年8月期業績予想と配当予想を発表しており、売上高1200億円(前期比19.2%増)、経常利益100億円(同28.9%増)を見込む。また、配当は前期と同じ48円を予定している。
■富士通ゼネラル <6755> 1,600円 +119 円 (+8.0%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
富士通ゼネラル<6755>が急伸。同社は家庭用エアコンを主力商品とし、商品競争力が高く国内や欧州など海外で高シェアを確保している。同社は26日取引終了後、19年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を2850億円から2700億円(前期比2.9%増)へ減額したものの、最終利益を125億円から130億円(同1.1%増)へ増額した。従来見通しでは前期比減益となる見込みだったが、一転小幅ながら増益に転じることで、これが株価にインパクトを与えた。
■信越化学工業 <4063> 9,130円 +677 円 (+8.0%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
信越化学工業 <4063> が高い。26日大引け後に発表した19年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比35.5%増の2171億円に拡大して着地したことが買い材料視された。旺盛な半導体需要を背景に半導体シリコンの販売が増加したうえ、値上げ効果も収益を押し上げた。塩化ビニールや苛性ソーダは米国で高水準な出荷が続いたうえ、欧州向けも伸びた。業績好調に伴い、通期の同利益を従来予想の3700億円→4000億円に8.1%上方修正。増益率が8.7%増→17.5%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。併せて、今期の年間配当を従来計画の180円→200円(前期は140円)に増額修正したことも支援材料となった。
■鉄建 <1815> 2,720円 +173 円 (+6.8%) 本日終値
鉄建<1815>は3日ぶりに反発。26日取引終了後、19年3月期第2四半期(4~9月)連結利益予想の増額修正を発表したことが好感された。売上高を788億円から758億円(前年同期比2.9%増)へ、営業利益を22億円から37億8000万円(同5.9%増)へ、最終利益を14億円から27億5000万円(同7.3%増)へ修正した。主に土木工事の利益率向上が業績の押し上げ要因に働いた。なお、19年3月通期の業績は据え置いている。
■東映アニメーション <4816> 3,710円 +225 円 (+6.5%) 本日終値
東映アニメーション <4816> [JQ] が続急伸。26日大引け後に発表した19年3月期上期(4-9月)の連結経常利益が前年同期比30.8%増の82.1億円に拡大し、従来予想の68億円を上回って着地したことが買い材料視された。スマートフォン向けゲーム「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」「ドラゴンボール レジェンズ」などの版権収入が拡大したうえ、利益率の高い海外映像販売事業で中国や北米向けに映像配信権の販売が好調だったことが寄与。通期計画の123億円に対する進捗率は66.8%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■北國銀行 <8363> 3,890円 +235 円 (+6.4%) 本日終値
北國銀行 <8363> が続急伸。26日大引け後、19年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の65億円→90億円(前年同期は107億円)に38.5%上方修正。減益率が39.3%減→16.0%減に縮小する見通しとなったことが買い材料視された。有価証券関係損益が想定を上回る見込みとなったことが上振れの要因。なお、通期の経常利益は従来予想の125億円(前期は163億円)を据え置いた。
■関西電力 <9503> 1,788円 +107.5 円 (+6.4%) 本日終値
関西電力<9503>は3日ぶりに急反発、年初来高値を更新した。野村証券は、同社株の投資判断を「ニュートラル」から「バイ」へ引き上げた。目標株価は1680円から2280円に見直した。販売電力量の増加や修繕費の削減を見込み、19年3月期~21年3月期の燃料費調整制度上の差損益などを除く修正一株当たり利益(EPS)を上方修正した。修正EPSの上方修正によりPERでの割安感が強まったほか、油価上昇に伴い原発依存度の高い同社のコスト優位性が高まる点なども考慮している。
■住友倉庫 <9303> 1,347円 +80 円 (+6.3%) 本日終値
住友倉庫 <9303> が急反発。26日大引け後、発行済み株式数(自社株を除く)の2.06%にあたる180万株(金額で30億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。買い付け期間は11月7日から19年2月28日まで。取得した株式は19年3月29日付ですべて消却する予定としている。併せて、19年3月期の年間配当を従来計画の25.5円→36円に大幅増額修正したことも好感された。一方、今期の連結最終利益を従来予想の85億円→68億円に20.0%下方修正したがこちらへの反応は限定的だった。
株探ニュース