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【市況】日経平均は大幅下落、ソフトバンクGの動向を睨みつつ、個別対応が続きそう/ランチタイムコメント

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

 日経平均は大幅に下落。315.18円安の22379.48円(出来高概算6億6000万株)で前場の取引を終えた。12日の米国市場では、NYダウ、ナスダックともに上昇した。一方でシカゴ日経225先物清算値は大阪比100円安の22550円と弱い動きとなる中、売り優勢の相場展開は想定されていた。しかし、ムニューシン米財務長官は、自国通貨を安く誘導するのを禁じる「為替条項」を日本との通商協定でも盛り込むことが「米国の目標だ」と述べたほか、ドイツ州議会選挙で、メルケル政権の与党が大幅に議席を減らし、緑の党などとの連立協議を余儀なくされる見通し等が伝えられるなか、一段と売り圧力が強まった。また、安倍首相は、来年10月の消費税10%への引き上げを予定通り実施すると表明する方針なども伝わっていることも神経質にさせている。22500円処で始まった日経平均は、その後も下げ幅を拡大させており、前場半ばには一時22274.94円まで下げ幅を広げている。

 東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1500を超えており、全体の7割を超えている。セクターでは、鉱業、空運のみが上昇となり、情報通信、銀行、ガラス土石、繊維、輸送用機器、建設、その他製品、化学、精密機器の弱さが目立つ。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>が重石になった。

 先週末に75日線レベルまでリバウンドをみせていたソフトバンクGだが、結局は同線に跳ね返される格好から5%を超える下げとなり、先週末のリバウンド分を帳消しにしていることがセンチメントを悪化させている。日経平均も先週末の安値水準での攻防をみせており、押し目買いも入れづらい状況であろう。そのため、需給状況が良好な銘柄や好決算などが確認された銘柄といった個別物色にとどまっており、これらの銘柄に短期筋の資金などが集中する地合いとなっている。

 下値不安が根強い中であり、ショートポジションが積み上げられているとみられるソフトバンクGの動向を睨みつつ、個別対応が続きそうである。もっとも、決算評価の流れが個々にみられている状況を鑑みれば、個人主体の物色意欲は根強いと考えられる。強いトレンドが続いている銘柄や、調整ながらも信用需給が改善されている銘柄、また、決算期待のある銘柄などへは、短期筋の値幅取り狙いの資金が向かいやすいところである。
《AK》

 提供:フィスコ

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