【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):富士フイルム、ペプドリ、ヨータイ
富士フイルム <日足> 「株探」多機能チャートより
9日、鎌倉新書 <6184> が8月31日現在の株主を対象に1→4の株式分割を実施すると発表したことが買い材料視された。最低投資金額が現在の4分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。
■近鉄エクスプレス <9375> 2,350円 +84 円 (+3.7%) 本日終値
近鉄エクス <9375> が反発。9日大引け後に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比2.0倍の54億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。航空貨物、海上貨物ともに輸送事業が好調だったことが寄与。東アジア・オセアニア、米州、欧州、国内で自動車関連品やエレクトロニクス関連品、ヘルスケア関連品などの取扱量が増えた。上期計画の77億円に対する進捗率は70.1%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■富士フイルム <4901> 4,820円 +161 円 (+3.5%) 本日終値
9日、富士フイルムホールディングス <4901> が発行済み株式数(自社株を除く)の7.4%にあたる3200万株(金額で1000億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は8月10日から19年4月30日まで。同時に決算を発表。19年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益は前年同期比20.5%減の457億円で着地したがこちらへの反応は限定的となった。
■富士石油 <5017> 444円 +14 円 (+3.3%) 本日終値
富士石油<5017>は大幅反発。同社は9日取引終了後、19年3月期通期の連結業績予想の上方修正を発表した。売上高を5429億円から5709億円(前期比34.7%増)へ、営業利益を104億円から127億円(同13.5%増)へ、最終利益を63億円から82億円(同3.2%増)へそれぞれ増額した。今回の修正見通しでは、原油価格(ドバイ原油)を第2四半期連結累計期間1バレル=69ドル、 通期平均同67ドル(前回予想同65ドル)、為替レートを第2四半期連結累計期間1ドル=110円、通期平均同110円(前回予想同105円)をそれぞれ前提としている。これに伴い、損益面で石油製品のマージンが堅調に推移することを見込んでいる。
■ペプチドリーム <4587> 4,280円 +105 円 (+2.5%) 本日終値
ペプチドリーム<4587>が反発。同社はたんぱく質の一種である「特殊ペプチド」を活用した創薬支援を行い、国内や海外のメガファーマと数多くの共同契約を締結していることで収益基盤が厚い。9日取引終了後に発表した18年6月期の単独決算は売上高が64億2600万円(前期比31.3%増)、営業利益は29億1000万円(同16.9%増)、最終利益は23億3500万円(同23.5%増)と大幅伸長した。国内外製薬会社に提供した新薬候補物質開発の進捗に伴う一時金収入が増加したほか、技術のライセンス供与も伸びて収益を押し上げている。また、19年6月期も2ケタ利益成長が見込まれ、これが物色人気につながっている。
■エラン <6099> 3,245円 +70 円 (+2.2%) 本日終値
エラン<6099>が後場一段高。午後0時30分ごろ、18年12月期の連結業績予想について、営業利益を9億9000万円から11億5000万円(前期比26.1%増)へ、純利益を6億7000万円から7億6000万円(同15.7%増)へ上方修正したことが好感された。下期に西日本豪雨災害に伴う新規施設の導入時期の延期などが見込まれるため、売上高は186億6000万円から185億円(前期比19.6%増)へやや下方修正したが、「CS(ケア・サポート)セット」を導入した施設での売上高が計画を上回り堅調に推移していることや、今期から取り組んでいる収益性改善策の効果が顕在化していることなどが利益を押し上げる見通し。また、業績予想の修正に伴い、従来は11円を予定していた期末一括配当を12円に引き上げるとあわせて発表しており、これも好材料視されているようだ。なお、同時に発表した第2四半期累計(1~6月)決算は、売上高89億9500万円(前年同期比25.5%増)、営業利益6億6700万円(同53.2%増)、純利益4億3400万円(同35.9%増)だった。
■GMO-PG <3769> 12,550円 +20 円 (+0.2%) 本日終値
GMOペイメントゲートウェイ<3769>が続伸。9日の取引終了後に発表した第3四半期累計(17年10月~18年6月)連結決算が、売上高191億2200万円(前年同期比24.5%増)、営業利益51億9000万円(同60.0%増)、純利益30億1600万円(同46.1%増)と大幅増益だったことが好感された。EC市場の順調な成長に加えて、EC事業者以外にもサービス提供を拡大したことにより、決済代行事業が好調に推移した。また、後払い型の決済サービス「GMO後払い」の取扱高が好調に推移し、金融関連事業の採算が大幅に改善したことも寄与した。なお、18年9月期通期業績予想は売上高261億700万円、営業利益64億7500万円、純利益39億3300万円をの従来見通しを据え置いた。今期からIFRSを任意適用しているため、前期との比較はないとしている。同時に、9月30日を基準日として、1対2株の株式分割を実施すると発表しており、これも好材料視されたようだ。投資単位当たりの金額を引き下げることでより投資しやすい環境を整え、投資家層のさらなる拡大と株式の流動性の向上を図ることを目的としている。
■ダブル・スコープ <6619> 984円 -300 円 (-23.4%) ストップ安 本日終値 東証1部 下落率トップ
ダブル・スコープ<6619>がストップ安。9日の取引終了後、18年12月期の連結業績予想について、売上高を140億円から91億円(前期比4.4%減)へ、営業損益を7億円の黒字から24億円の赤字(前期2億7400万円の黒字)へ、最終損益を4億円の黒字から21億円の赤字(同1億1900万円の赤字)へ下方修正したことが嫌気された。中国市場で、短期的にEVバスなどの用途に大規模なリン酸鉄系電池供給を続けてきた顧客の生産が低下し、同社の販売数量も減少していることに加えて、製造子会社の初期費用の負担が増加していることが売上高・利益を押し下げた。また、上期に対ドルおよび円での韓国ウォン高も利益を圧迫した。なお、同時に発表した第2四半期累計(1~6月)決算は、売上高42億2700万円(前年同期比5.9%減)、営業損益8億7500万円の赤字(前年同期3億5500万円の黒字)、最終損益5億2000万円の赤字(同1億3900万円の黒字)だった。
■新日本電工 <5563> 250円 -73 円 (-22.6%) 本日終値 東証1部 下落率3位
9日に決算を発表。「今期経常を43%下方修正、配当も4円減額」が嫌気された。新日本電工 <5563> が8月9日大引け後(15:00)に決算を発表。18年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結経常利益は前年同期比48.6%減の27.6億円に落ち込んだ。業績悪化に伴い、今期の年間配当を従来計画の10円→6円(前期は13円)に大幅減額修正した。
⇒⇒新日本電工の詳しい業績推移表を見る
■ヨータイ <5357> 931円 +150 円 (+19.2%) ストップ高 本日終値
ヨータイ <5357> が買い気配でスタート。9日大引け後に発表した19年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益が前年同期比2.4倍の12.9億円に急拡大して着地したことが買い材料視された。世界景気の回復を背景に主要顧客である鉄鋼メーカーやセラミックス関連などの需要が旺盛で、耐火物の販売が大きく伸びたことが寄与。業績好調に伴い、通期の同利益を従来予想の25億円→37億円に48.0%上方修正。従来の31.7%減益予想から一転して1.0%増益を見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。前日終値ベースの予想PERが10.1倍→6.6倍に急低下し、割安感がさらに強まったことも支援材料となった。
●ストップ高銘柄
エムティジェネックス <9820> 8,840円 +1,500 円 (+20.4%) ストップ高 本日終値
エクストリーム <6033> 6,010円 +1,000 円 (+20.0%) ストップ高 本日終値
ビーイング <4734> 638円 +100 円 (+18.6%) ストップ高 本日終値
シンクレイヤ <1724> 655円 +100 円 (+18.0%) ストップ高 本日終値
など、9銘柄
●ストップ安銘柄
フォーライフ <3477> 928円 -300 円 (-24.4%) ストップ安 本日終値
第一精工 <6640> 1,363円 -400 円 (-22.7%) ストップ安 本日終値
中村超硬 <6166> 1,490円 -400 円 (-21.2%) ストップ安 本日終値
トーヨーカネツ <6369> 3,110円 -700 円 (-18.4%) ストップ安 本日終値
ブティックス <9272> 3,795円 -700 円 (-15.6%) ストップ安 本日終値
など、6銘柄
株探ニュース