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【材料】マザーズ市場は攻めだけじゃない!先物やETFを活用しヘッジもしながら利益を出せる

メルカリ <日足> 「株探」多機能チャートより

■マザーズ市場でもETFや先物取引ができる

マザーズ市場は、どちらかというと個別銘柄で売買されていらっしゃる方が多いかと思います。例えば、6月ですと新興市場ではメルカリ<4385>が上場し、話題になりましたね。話題の豊富さというのが、東証一部や二部とはまた違うマザーズ市場の特徴であり、個人投資家の方が関心を高めやすいテーマが豊富なのかなと思います。東証一部の銘柄とは違い、IPOといった直近上場した銘柄が多いということで、そういった高い成長性に惹かれて投資をされていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

しかし、実はマザーズ市場には個別銘柄だけではなく、マザーズ指数を商品化した金融商品も存在します。つまり、マザーズの値動き自体に投資ができるということです。指数を売買するETF(上場投資信託)や先物取引といった投資はマザーズにもあり、そういったものを活用して買いで攻めていく手段もあれば、逆に売りでリスクヘッジをする、マザーズでも様々なパターンの投資ができるのです。

ところで、マザーズ先物がスタートしたのは、2年前の2016年の話です。まだスタートして間もないこということもあって、売買されていらっしゃる方もマザーズ市場に先物があることをご存じない方もいらっしゃるかもしれません。

マザーズはETF、先物が売買できるということは、例えばレバレッジ、てこの原理を使って、少ない資金で効率よく投資することもできるということです。これは、どちらかというと攻めのほうになりますね。大雑把に言うと、例えば20くらいの資金でその5倍、100の先物を買うことができる。先物を使えば、こういったレバレッジ取引というのも可能なのです。

■7月から8月にかけてマザーズ構成銘柄の時価総額上位にメルカリやMTGが組み入れられる

また、ここ最近、マザーズ先物の出来高が増加傾向にあります。2016年7月に上場したマザーズ先物は2018年6月の取引高(月間ベース)が過去最高です。前月の5月は非常に商いが少なかったのですが、6月に一気に増えました。増えた背景としては様々な考え方がありますが、やはり6月、メルカリがマザーズに上場したというのが大きかったように思います。メルカリに関心が集まったということ、また、メルカリ自体がマザーズの時価総額ナンバー1ですからマザーズ指数に与えるインパクトが大きかったと考えられます。

メルカリは7月末の段階でマザーズ指数に組み入れられます。そのため、メルカリは今後、マザーズの時価総額寄与度のランキング1位に入ってくることになります。また、7月に上場したシックスパッドで有名なMTG<7806>も、8月末くらいにマザーズ指数に組み入れられる予定です。これらの銘柄はひょっとすると10%以上のインパクトを与えるほどの規模になることが予想されるため、これまでミクシィ<2121>、サイバーダイン<7779>、そーせい<4565>などが主力として構成されていたマザーズ指数は、8月末以降、メルカリとMTGが中心になることが予想されます。ナンバー1がメルカリ、ナンバー2がMTGとなり、3番目以下にミクシィ、サイバーダイン、そーせいなどが入ってくるということです。昨年末の段階では断トツでミクシィ、サイバーダイン、そーせいが高かったのですが、今夏の段階で大きく様変わりするのです。

そうなってくると、投資の手法としてはそうしたインパクトが大きい銘柄の決算が非常に注目されます。例えば、メルカリが好業績で株価が急上昇したとなると、恐らくマザーズ指数も大きく動くでしょうし、マザーズ指数が動くのであれば、もちろんマザーズ指数に連動しているETFや先物の値段も大きくなる可能性があります。特にレバレッジを効かせて先物を動かしていれば、その分ETFを買うよりもよりプラスの部分が大きくなる可能性もあります。

■マザーズ先物は夜間も取引可能!

ただし、逆もあります。先物取引はハイリスク・ハイリターンですよね。そのため、先物で売買する上ではレバレッジ管理が重要になってきます。

先ほどは両方とも指数が上がるような話をしましたが、仮にメルカリの決算が良くなかったとします。決算はだいたい場が終わった15時すぎくらいに発表されます。15時以降に発表された決算が悪かったとしても、次の日までその銘柄の売買はできないですよね。メルカリ株を持っていたとしたら、明日は下がるのだろうなと思いながらも、売買できませんから持ち続けるしかありません。

こうした場合に活用できるのがマザーズ先物です。マザーズ先物は、夜間も取引可能なのです。決算発表の翌日、メルカリが下がることによってマザーズ指数が下がることはマザーズ先物が下がることにつながります。そのため、夜間に売買できるのであれば、夜のうちに高いところでマザーズ先物を売っておけば、翌日メルカリの株価やマザーズ先物が下がったとしても、ある程度翌日の下落に対するヘッジができるのです。

個別銘柄やETFは15時までしか取引ができないので、機会喪失を気にしている方も多いのではないでしょうか。しかし、先物なら夜間も取引できますから、マザーズ指数、マザーズETFを持っていらっしゃる方や、寄与度の大きい銘柄を持っていらっしゃる方は決算をチェックして、これは下がりそうと思った時は、夜のうちに先物で売っておくことでリスクヘッジをすることができます。

■まとめ

マザーズ市場は攻めしかできないと思っていらっしゃる方も多いかもしれませんが、そんなことはありません。先物、ETF、レバレッジをうまく使うと、攻めることもできれば守ることもできます。もちろん個別銘柄で攻めの勝負もできますし、先物やETFを使ってリスクヘッジをすることもできるのです。

決算発表に注目し、攻めだけでなく守りも意識していくと良いでしょう。みなさんぜひ参考になさって、今年後半、マザーズ市場に注目してみてください。

8月1日には、東証マザーズ指数先物取扱い会社(岩井コスモ証券、インタラクティブ・ブローカーズ証券、SBI証券、岡三オンライン証券、カブドットコム証券、光世証券、松井証券、楽天証券)で「マザーズ市場 2018年後半の投資戦略」の動画が掲載予定ですので、皆さん、ぜひご覧になって下さい。


フィスコマーケットレポーター 三井智映子

《HH》

 提供:フィスコ

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